折々のお料理
飽くなき食欲が生んだ料理や食の研究 |
油揚げが膨らまない!
前回までのあらすじ
お千代保稲荷神社を詣でて、お供えの油揚げを大量ゴットしたしぶーのは、油揚げ料理を堪能すると今度は揚げ自体に興味を持つ。
木綿豆腐をスライスして水を切り、油で揚げたところ見事な厚揚げに。
いや、そう思って薄くしライスしたのだが、薄いながらも真ん中にはしっかりと豆腐部分が残っている。
つまり薄い厚揚げができあがった。
豆腐を油で揚げれば油揚げになるのではないのか?
もしかしてこれはカルメ焼きのように難しいものではないか?
過去記事→カルメ焼きに挑戦!
何はともあれ便利なインターネット。
調べてみると、薄くスライスして水を切るまでは合っているらしい。
コツはとにかくしっかりと水を切ること。
油で揚げる時の注意点は、とにかく低温の油でゆっくりと揚げて膨らましてゆく。
さらに高温の油で二度揚げして色をつけるということらしい。
さらに気になることが。
油揚げ用の豆腐は特別にタンパク質の多い豆腐なので家庭で作るには難しいということだ。
かと思えば、水さえきちんと切れば簡単に家庭でもできるという記事も。
どうやら水切りが最も重要らしい。
というわけでザルの上に放置すること丸2日。
大分水分が抜け、固い豆腐になった感じだ。
鮮度とか野暮なこと言っちゃいけませんぜ。
とにかく膨らみゃこっちのもんだ。
こんだけ水気を切ったコイツを揚げればブワッと膨らんであっという間に油揚げのできあがり!
↓
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どう見ても厚揚げです、ありがとうございました。
まあ揚げたての厚揚げは美味なのでこれはこれでうれしいのだけど・・・。
とにかく高温で表面が固まってしまうと厚揚げになるらしい。
では極力低い温度でゆっくりと揚げてゆくか。
ごく弱火で揚げることおよそ15分。
立派な豆腐チップスが出来ました!
中までカリッカリに揚がっています。
豆腐味のチップス、まあ考えようによってはこんな料理も美味なのだが・・・。
これはもっと時間をかけて乾燥させた状態にせねば出来ないものなのか・・・。
ならば豆腐の水分を極限までなくしたものならばどうだ!
高野豆腐。
豆腐を一度凍らせてから乾燥させたもの、いわゆるフリーズドライってやつだ。
これなら揚げた途端ブワッと膨らんで、あっという間にスーパー油揚げの完成!
うむむむむ・・・。
全然膨らみませんねぇ・・・
こんがりと色のついた高野豆腐は口の中でホロリと崩れ、これはこれで美味・・・。
いやいや、口に中いっぱいに広がる粉々の食感。
これは不美味だ。
残念、これは失敗。
この後スタッフがすべておいしくいただきました。
もとい、おいしくないけどすべていただきました。
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これ以上ジタバタやっていても仕方がない、もう一度しっかりと調べてみる。
コツはとにかくしっかりと水を切ること。
最初の方にしっかり書いてあったではないか。
大事なことなので何度も出てくる。
ここは横着せずに、タオルに挟んで重しをして、数時間かけてじっくりと水気を切るか。
このテの料理はおそらく江戸時代に発達したのだろうが、この手間のかかる製法によくもたどり着いたものだ。
待つこと3時間、ペランペランのゴムのようになった。
なるほど確かにこれは豆腐と違うな。
ごくごく弱火でゆっくりと揚げてみるか。
お?
なんか膨らんでキター!
端の方からモコモコしてきた。
おお、今度は中まで膨らんでいる!
味はどこから表現しても普通の油揚げ。
揚げたてなので熱々で確かに美味いのだが・・・。
うんうん、ただの油揚げです。
というわけで次回からは普通に油揚げを買ってこよう。
それにしても、油揚げという完成形を知っていたので出来たが、豆腐からこの形の料理まで考えつく探究心には頭が下がる。
(2018.1.19)