折々のお料理

飽くなき食欲が生んだ料理や食の研究

説明書通りにカレーを作る


しぶーのがカレー好きなのは今さら説明は不要だと思う。
その証拠に過去何度もこのサイトに登場している。

月に何日かはカレーを作る。
作るのも楽しい食べるのも楽しい。
定期的にカレー欲が高まってくるのだ。



カレーの作り方などもうすべて暗記していて、いつでも作ることだできる(豪語)。

材料の量・・・・・・・・・・・テキトー
カレールーの量・・・・・・テキトー
煮込み時間・・・・・・・・・テキトー


「適当」といえば一番いい塩梅という意味なので、この場合にはいい加減というか目分量というか臨機応変で決まりがないことを言う。
それでいて毎回ほぼ同じような味に落ち着くのだから、暗黙のうちに同じような分量になっているのかもしれない。



さて・・・。

市販のカレールーの裏には材料の分量から調理時間まで細かく書かれている。

料理に慣れた人ほどこの説明は見ないといっても過言ではない。

そういえばこの説明書など見たこともない。
昔母から教わったり、キャンプでカレーの歌を踊ったり、今更書いていることを確かめるまでもなかろう。

そう思っておりました。


初心忘るるるべからず。

なんか多くないか?




バーモントカレーの甘口。


いつの間にかマットな仕上げの箱になっていた。

アメリカのバーモント州に伝わるりんごとハチミツの健康法を応用した、まろやかでコクのあるカレーです。
(箱の裏より)

リンゴとハチミツとろ〜りとけてる

回転しながら開くリンゴにハチミツがかかってゆく映像はいかにも美味そうな印象を与え、国民的大ヒットしたカレーといっても過言ではない。

当のバーモントの人々は???なのだろうけど。



家庭カレーの決定版、カレーの歴史はここから始まる。

あくまでもしぶーの家ではということで。
ちなみに一族にハウスの関係者はおりません。
ハウスから何も(カレールー1年分とか)貰っておりません。




ここは原点に返り、基本的なカレーというものを作ってみたいと思うばぶー。





材料の分量がグラムではっきりと書かれている。

このレシピはおそらくメーカーの人が試行錯誤の結果、最も自社製品の良さを発揮できる方法と判断した秀作なのだ。
そう考えると、もしかすると今までわざわざ不味くしていたのではないかという不安がよぎる。

もちろんカレーを美味にする方法は数多くある。

かといってオフィシャルで推奨する方法に「木ベラでかき混ぜながら弱火で8時間煮込む」とか書かれていても売れないだろう。
家庭でできるだけ簡単に調理できるというのも重要な項目だ。



レシピどおりに材料を集めてみた。

しかも水の量は蓋のある時ない時で違う。
これは厳密に守らねば!




いきなり頓挫!

肉が足りねえ!

よく見ればパックに分量が書いてあるではないか。


閉店間際これしか残っていなかった肉。
半額だったので手が出せた。

仕方がない、ちょっと少ないがこれで作ろう。

しかしこんなに入れるのか。
意外なほど肉の量が多い。



そしてたまねぎ。

レシピには中2個とあるが、小さな玉だと3玉分にもなった。

分量を調節するために犠牲になった部分。
これはこれでスープでも作ろう。



ジャガイモ。
煮込みで崩れにくいメークイン。



にんじん。

やはり分量調節のために犠牲が。

にんじんの切れ端はその場で食ってしまった。




材料勢ぞろい。

いつもの量に比べ、たまねぎと肉が意外なほど多い。



油大さじ1。
これも守ろうか。



厚手の鍋で



@いためる
玉ねぎがしんなりするまで

「厚手のなべにサラダ油を熱し、一口大に切った具材をいためる。」

しかしすごい量だな。

これで6皿分、間違えたんじゃないかと心配になる量だ。



結局いつもの鍋ではなく大きな厚手の無水鍋を出してきた。
結果オーライだ。

たまねぎがしんなりするまで・・・か。

さらりと一言で書かれているが、結構時間がかかる。




10分くらいは炒めただろうか。

しんなり?こんなものか?



A水を入れ、煮込む
水850ml

水もしっかりと計量して

「あくをとり、具材が柔らかくなるまで煮込む。(沸騰後約15分)」

沸騰するまで結構時間がかかる。



しかし説明書には煮込む時間は15分と10分しかない。

カレーによくある「コトコト煮込んだ」とか「一晩寝かせた」とかのイメージからすると随分短い気がする。




普段はまず使うことのないキッチンタイマーも稼動。

きっちり15分で作りましょうか。




Bルウを入れる
ルウを割り入れて溶かす。

ルーを入れる時には必ず火を止めて。

ううむ、ルー少なくないか?ぜってー足りねえってこれ。



C煮込む
とろみがつくまで

「再び煮込む(約10分)」

ルーを入れたカレーは弱火で時々かき回さないと焦げ付くのよん。

10分間、きっちりと計って煮込みましたとも。




そして完成。

おおおっ!

懐かしくて涙が出そうな味だ。

知ってる知ってる。

幼少の頃家で出てきたカレーの味。


具材の分量に比べてカレールーが少なすぎやしないか?
これでは味が薄くて物足りないのではないか?
大人になった今、甘口など美味と思えるのか?

こんな疑問を吹っ飛ばすほどの、素晴らしいバランスだ。

野菜がごろごろしていて、どこからすくっても玉ねぎが入る。
これがアレンジがされていないメーカー推奨のピュアな味。

これは美味い。




料理の苦手な人、もしくは初めてカレーに挑戦する人ほど、このレシピをきちんと守ることだろう。

これこそカレーメーカーが研究を重ねた結果、自宅で簡単にできるベストな方法といえる。


やがてある程度テキトーでもそれらしく仕上がり、さらに自分好みのアレンジをしても失敗がないと判ると、もうこの説明書はないに等しい。






というわけで、魔改造しましょ!




まずはヤジューどばどば。

だいぶ減ってしまった(食っちまった)のでいつもの鍋に移しました。



もっと水で薄めてローレルぽいぽい。

もちろんあとで取り出します。



薄まった分、炒めたまねぎのペースト。

 

ジャムのように甘いペーストなのでお好みで加えます。



コンソメ、中華スープのもと、いつものカレールー、スパイシーなカレーパウダー。

あっはっはっ、辛くなぁ〜れ!




さらにポテチをばらばらばら。

しばらく煮込んで、たまねぎ、ジャガイモは溶けてしまいました。



というわけでいつもの色、いつもの香り、いつものカレーの出来上がり!

あっはっはっはっ!

まさに俺味、俺味!


アレンジしても楽しい楽しい!

更に簡易カツカレー風にして美味し美味し!

カレーのアレンジは自己責任で楽しみましょう。



何度も繰り返しますが、ハウスよりカレールーやレトルトカレーなど何も受け取ってはおりません。


(2016.6.22)




追記

気になったので調べてみた。

バーモントカレーの甘口、同じくバーモントカレーの中辛で比べてみた。

 

 バーモントカレー同士では分量は同じだった。
まあそうだろう。



そして予想通り、バーモントカレーとジャワカレーでは分量に違いがあった。


ジャワカレー(中辛)カロリーオフ




これがマニュアル通りのジャワカレー(4皿分)の分量。

バーモントカレーよりも玉ねぎが少ない




バーモントに比べてカレーがさらさらしている。

このカレーではダムカレーは難しい

アジア米のような、汁を吸う米が合うのかもしれない。

小麦粉を焦がしたようなさわやかな苦味、バーモントよりもかなりスパイシーで辛い。
南国の味、大人の味といったところか。



いつもカレーを作る時にルーが少なくて味が薄いと思っていたが、それは玉ねぎやじゃがいもが溶けてルーが薄まっていたからだ。

レシピ通りだと少ないルーで十分な味がする。
そして思った以上に辛い。




以上を踏まえた上で、


懐かしき思い出の味大人の辛さのブレンドが最強かもしれない。




カレーのアレンジは自己責任で楽しみましょう。


(2016.7.1)


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