折々のお料理
飽くなき食欲が生んだ料理や食の研究 |
ハンバーガー
ハンバーガーを知らない人はまずいまい。
いわずと知れた、アメリカ発祥のジャンクフードの代表格。
ハンバーガーとポテトとコーラといえばファーストフードの三種の神器と言っても過言ではないだろう。
ハンバーガー
「Hamburger」
言葉の由来はドイツの都市名「Hamburg(ハンブルク)」からきているが、食品のハンバーグは「ハンブルク風ステーキ」と言うのが正しい。フランクフルトやウインナーも本来の意味は都市名、○○風ソーセージと言えば完璧。ハンバーグステーキは労働者向けの食事として流行したタルタルステーキを焼いた物が起源という説がある。
ハンバーガーと言えばそのハンブルグ風ステーキをバンズに挟んだものだが、ハンバーガー自体があまりに有名になりすぎて言葉だけが独り歩き、フィッシュを挟めばフィッシュバーガー、エビを挟めばエビバーガー、チーズを挟めばチーズバーガー、照り焼きハンバーグを挟んだらテリヤキバーガー(ハンは何処いった?)という、バーガー(burger)という言葉が接尾辞化してしまっている。
町を歩けば必ずどこかにあるハンバーガー屋。
気軽に入ってほとんど待つこともなく気軽に食べる、お行儀は悪いが歩きながら片手で持って食べることもできる。
接客マニュアルの不自然さをネタにした話題や、様々な都市伝説が多数存在することからも、それだけ身近に庶民に親しまれている証拠ともいえる。
ある時、ちょっと高級な店でハンバーガーを頂いた時の驚き。
そのお店のハンバーガーは非常に美味で、最初の一口目での感想。
「このハンバーガーにはハンバーグが挟まっている!」
何という本末転倒。
ハンバーグが挟まっているのでハンバーガー。
当たり前のことなのだが、ハンバーガーとしての進化のせいか、洋食としてのハンバーグとがすでに頭の中で別物となってしまっている。
ここは原点に立ち帰って、基本中の基本のハンバーガーとやらを作ってみますか。
Hamburg + er
ハンバーグ + アー
アー?
というわけで、ハンバーグを仕込む為にスーパーへ走る。
そこで入手したものは・・・。
一から仕込むつもりでしたが、今はこんなに便利な物があるのですね〜。
これなら焼くだけで出来上がり、誘惑に負けてしまいました。
二箇所のお店で二種類のハンバーグを入手しました。
早速フライパンで焼きましょう。
最初は強火で、一気に焼き色をつけてしまいます。表面を早く焼いてしまって中にうまみを閉じ込めてしまおうという魂胆ですね。
蓋をして中火でじっくり焼きます。
時折串を刺して出てくる肉汁が透明になったら火が通っている証拠。
パンに挟むことを考えてケチャップソースはからめてしまうことにしました。
それにしても見るだけでも胸焼けしそうな凄い脂の量だ。
すげぇ美味そう!
バンズはトースターで軽く炙りました。
ほんの暖めるつもりでしたがちょっと目を離したスキに固くなってしまいました。
まあコレはコレで香ばしくて美味いでしょう。
アー?
極力シンプルに、挟む物はハンバーグだけ。
まさに何の変哲もなく紛れもないハンバーガー。
さて、早速ハンバーガーの原点ともいえるコイツを頂くとしましょう。
肉汁たっぷりのジューシーなハンバーグが挟まってそれはそれは美味なこと美味なこと・・・・。
と、言いたいところだが・・・。
だっはっはっは!
こらあかんわ。
確かにハンバーグは美味かった。
一つは牛肉をふんだんに使い、にんにくと香辛料が効いた本格的なハンバーグステーキ。
もう一つは牛豚合い挽きで家庭的な味、どちらも非常に美味だった。
しかし、この自作ハンバーガー、どちらもほとんどハンバーグだけの味しかせず、下手をするとくどいメンチカツのサンドイッチのようだ。
正直コレだけではキツイ。
昔読んだ、さるグルメ漫画を思い出した。
意気込んでハンバーガーショップを始めたが、どうにも客に受け入れられない。
原因は真面目にハンバーグを作った分、パンの方の力が不足して結果的にはバランスが悪かった。
という内容だったような・・・。
というわけで、ごはんが恋しくなった。
ハンバーガーをおかずにご飯を食べる。
さすがに美味い!
一体何をやっておるのか?
強烈なハンバーグのせいか、パンの存在がほとんど見えない。
それにしてもご飯は美味い。
ハンバーグの濃い味もガツンと受け止める。
改めてご飯の包容力の大きさを思い知ったのでした。
結論。
ハンバーガーに挟まるハンバーグとご飯のおかずになるハンバーグはすでに別物になってしまった。
ではハンバーガーに挟まってるハンバーグでご飯のおかずになるのだろうか?
たぶんならないだろうと思います。