折々のお料理

飽くなき食欲が生んだ料理や食の研究

カルメ焼きに挑戦!


縁日の出店でお馴染みのカルメ焼き。
カルメラ、カルメラ焼きともいうが、最近縁日でもあまり見かけなくなった気がする。

どちらかといえば昭和の香り漂う懐かしの駄菓子に分類され、今の子供たちには馴染みが薄いかもしれない。
昔から縁日で売っているのは知っていたが、何せ材料は砂糖だけである。
味といえばただただひたすら甘いだけ、これといって欲しいとも思わなかった。



子供の頃読んだ大阪が舞台で少女が主人公の漫画で、カルメラを焼く兄弟が出ていた。
(じゃりん子ね)
兄は上手に焼くのだが、弟が何度教えても上手く焼けない。

当時、「そんなものか、まあ不器用なのだろう」程度にしか見ていなかった。




しかしある時、たしか理科の本だったと思うが、そこに作り方が出ていた。
煮立ったアメが重曹で膨らむのは理科的にも興味深い実験で、好奇心から(若干の食欲も含む)験しに挑戦してみた。

そこに出ていた材料は砂糖と重曹のみ、お玉と割り箸を使って手軽に作れるらしい。


どれ、ちっと作ってみますか。




ここで、
正しいカルメ焼きの作り方

片手銅なべにざらめと少量の水を入れて中火にかける。


全部溶けて沸騰してきたら弱火にする。


煮詰まったらタイミングを見計らって水溶き重曹を投入。


一気にかき回すと膨らんでくる。


膨らんでくる。


以上、出来上がり!



以上、出来上がり!





・・・・・。







こ、これは、とんでもなく難しい!?




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一体何が敗因なのか?

重曹の分量の問題か?

多くも少なくも試してみた。

火加減か?

ごくごく弱火でじっくりと、強火で一気にまで試したが駄目だった。


重曹を入れるタイミングか?

固まらないほどゆるい状態からほとんど焦げというほどまで試してみた。









屍ギャラリーへようこそ。

    



微妙な作品もあった。


何となく膨らんで固まったこともあった。

しかし中途半端だったり中の空洞が大きすぎたり、とても成功と呼べるものではない。



ぐ、ぐやじいーーーっ!




このままでは埒が明かん。





インターネットが発達した現在、きっと同じようにチャレンジした人々より、そのコツが公開されているに違いない!

ああ、限りなく他力本願ではないか・・・。




調べてみました。

どうもそのコツは熱した砂糖水の温度にあるらしい。


125度〜130度


この微妙な温度が必ずキーワードとして出てきます。
つまりこの温度を見極めるタイミングが最も重要なことらしい。



インターネットで調べた作り方をまとめてみました。

カルメ焼きを膨らますには、魔法の薬とでも言える重曹卵というものをしっかり作っておく必要がある。
重曹を水に溶き、卵白を加えひたすらよくかき回すこと。
シャーベット状になったら少量の砂糖を加える。
砂糖はカルメ焼きが固まるときに結晶化させる結晶核となる。
 
(重要)


ざらめを入れた鍋を火にかけ、泡立ちの様子を見ながら温度の判断をする。
なべの中の砂糖水は温度は110度まではゆっくり上がり、110度越えると急激に上昇するそうです。

115度を越えたら弱火にして

(重要)


125度〜130度になったら火から下ろして30秒ほど放置する。

(重要)


冷めてゆくうちに、余熱で出ていた泡が消えてゆく。

(重要)


このタイミングで重曹を入れたら勢いよくひたすらかき回す
(重要)

粘りが出てきて鍋の底が見えるようになったら、ゆっくりと棒を引き抜く(ここで大きく膨らむ)。→(屍ギャラリーへGO!)

しばらく放置して冷ます。

完成

軽く炙ると簡単に鍋からはずれる。





なるほど、簡単そうに見えても作り方の至るところに重要なポイントがあり、少しでも条件が悪ければ上手く膨らまない。
テキトーやっても駄目なわけだ。


よし!この重要なポイントを押さえれば、必ずや成功する!
かつてあらゆるタイミングを試したはずなのにただの一度も成功したことがないことを忘れている?





 ところでこの温度、125度〜130度というのが重要なキーワードとなっているが、果たして温度が重要なのだろうか?
疑問に思うのは温度が130度に達したら、重曹を入れるタイミングまでしばらく火から下ろして冷ましている。
これではせっかく130度まで熱した意味がないのでは?


 130度と言えば凄い高温だ。
純粋な水が一気圧で沸騰するのが100度なのでそれよりもはるかに高温だ。
理科で習った記憶があるが、純粋な水に何かを混ぜるとその溶液は沸騰する温度が上がる。
たしかモル沸点上昇とか言ったような。


つまりここで言う砂糖水の温度130度の大事なことは、温度よりも濃度なのではないだろうか?




砂糖を焦がしたカラメルは強火で作ると焦げてしまう。
このカルメ焼きも、ある程度の温度になったら弱火にしないとそのまま焦げて苦い物が出来上がる。
恐らく、130度という温度は砂糖水の限界点に違いない。
つまりカルメ焼きが上手く膨らむには、この限界の温度までギリギリに加熱した状態でなければ起こらない現象なのでは?



130度で何かが起きる!?


はたしてできるのか?




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というわけで、ようやく温度計を入手しました。
近所のスーパーには売っていなかったので、ホームセンターまで行ってしまった。



温度が上昇するにつれ、鍋の中がどのように変化するのか観察してみた。



100度を下回る温度なのに沸騰している。

きっと鍋と接する部分は100度を越えているのだろう。

勢いよく沸騰していても温度の上昇は意外とゆっくり。



110度を越えた辺りからあぶくだってきた。
何やらどろどろしてきて、粘りが出てきたようだ。

焦がさないように弱火にしてゆっくり加熱します。



そして120度を越え・・・



いよいよ130度が近づいてきた。
砂糖水の絶対0度みたいな温度か?
何のこっちゃ!


鍋の中は相変わらずねばねばと粘度の高い液体に、ぶくぶくと大きな泡が立っている。

そして今回実験の為、130度に達しても加熱を続け、さらに様子を観察してみた。

ん?

ところが温度は130度をあっさり超え、上昇を続けた

鍋の中は相変わらずぶくぶくと泡立っている。




弱火で加熱を続けるとやがて140度を越えるが、鍋の中には目立った変化はなし。




そしてとうとう150度を越えてしまったので加熱を終了。

まるで飴を作っているような感覚。



しばらくすると粘りが増してきた。

ね〜ん


今回の実験でわかったことは、どろどろに溶けた飴はかなりの高温を保ち、鍋を火から下ろしても温度はなかなか下がらない



温度計を引き上げたときに滴る糸は空中で冷え、蜘蛛の糸状に固まる。
こんなお菓子あったな。



さらに温度が下がると鍋の中の粘度も増してきた。

このまま型に流し込めばべっ甲飴の出来上がり。


やがて完全に固まりました。

これでもまだ触れないくらいまだ熱い。



この飴には重曹を入れていないので再び溶かしてチャレンジできます。

水を足したら急に冷えてピキピキと音を立ててひびが入りました。

こうして有田焼はできるのですね。
(違うっっ!)






ということは・・・

130度という温度に達しても、特に劇的な変化はおきず、鍋の中の変化を見てタイミングを計るということが非常に難しいということが判明。

やはり温度計を頼りにタイミングを判断するほうがいい。

今回特別に製作された、手離しで温度を測る装置。





110度を越えた辺りから粘度が増すとぶくぶくと泡が大きくなるが、よくよく耳をそばだてて聞くとが変わってくる。
泡の音で頃合いを判断するなんぞ、まるでてんぷら職人のようだ。




温度計を導入したことにより、加熱火加減のタイミングに関しては完璧になった。
これで成功に一歩近づいた。


さて・・・















あうううう・・・


(→屍ギャラリーへ)



なるほど、分量、火加減、温度に関しては非常に親切に解説されているところがあるので何とかなるが・・・

次なる難関は、重曹を入れたらどのくらいかき回してどのタイミングで棒を抜くか?
このタイミングが結構難しい。



かき回し足りなければ鍋の中は溶けたアメのようになってちっとも膨らまない。
逆にかき回しすぎると膨らまずに固まって粉粉ぼそぼそになってしまう。


げげっ!
かき回しすぎた状態。



かき回すことによって重曹との攪拌と下がってゆく温度との関係が微妙と思われる。






適当な頃合いを見計らって棒を上げると・・・

むむ!?

かき回していると、あるところから急に膨らみ始める。
それまでは白く濁ったあめ色だった鍋の中が真っ白に、まるで魔法のように膨らみだす。
この絶妙なタイミングを逃さずに棒を抜かなければならない。



中は大きな空洞ではなく、こまかい気泡を含んでいる。

 
サクサクとした食感、なかなかの出来?だ。

このタイミングを体得しなければならない。


何事も上達するのには繰り返し練習することのみ!



しかしこの練習、なにせ失敗作が砂糖の塊だけになかなかリスクが大きい。
さすがの甘党しぶーのでもこれはキツイ。


とりあえず膨らんだので、今回はひとまず成功ということで。















んなわきゃーない。

性懲りもなく、まだ続きます・・・




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さすがにカルメ焼き(失敗作)を一度に大量に食えないので、連続チャレンジは数回どまり。
タイミングを工夫しながら色々試してみたが、徐々に敗因が判ってきた。



混ぜてもネバネバの状態で固まらず膨らまない → 重曹を入れる時の温度が低かったと思われる。
混ぜている途中で膨らまずに固まる(ぼそぼそになる) → かき回しすぎて温度が下がって固まってしまった?
少し膨らみかけるがすぐに固まってそれ以上膨らまない→粘度が高すぎて膨らむ途中で冷えて固まってしまう?




その後、再び色々なサイトで調べてみると、上白糖のほうが成功率が高いことが判明。
(単に読み落としていただけなんですが・・・。)


上白糖、用意しました。
我が家では上白糖は料理には使いませんでした(いつもざらめでした)ので買ってきました。
こんなにたくさん要らないんだけど、少量ずつ売ってないんだよなあ・・・。



色はともかく、心なしか上白糖はざらめに比べてサラサラしている。



やはり110度を過ぎた辺りから鍋の中の様子が変わってきた。
それまでぶくぶくと沸騰していたのがニチャニチャと泡が立つ。

ざらめの時と同じような変化。
明らかに粘度が増してきているのがわかる。



それにしてもこの光景、すっかり見飽きたなぁ・・・



それでもざらめの時に比べて粘度が低くサラサラしている。
もしかしたらインターネットで調べたタイミングはこの上白糖を使った場合の為で、ざらめではまた違ったタイミングなのかもしれない。


だとすれば、今度こそ成功するはず!

しかし、もしこれで駄目なら、もうこれ以上打つ手はない。




果たして上手くいくか?
















おう!?

こここ、これは!!
 
まさしくカルメ焼き!
今度こそ成功です。





裏ちっと焦げたけど。




なるほど、コツは掴んだ
その後続々と成功。
一回失敗しましたが。

あはははは!面白いほど膨らむ!

(あまりのうれしさに壊れてきました。)



ざらめを使ってもチャレンジ!

やはり上白糖に比べて粘度が高い。
これまた違ったタイミングを図る必要がありそうだ。

  
ケチって量が少なかったので膨らみは小さいが、まあこんなところでしょう!





まとめ

大きく膨らまかすコツは

鍋の中の砂糖水の量は意外と大め。
煮立ってくると水分が蒸発してだいぶ量が減る。

重曹を入れたらひたすらかき回し、粘りが出たらすぐに円を描いて形を整えてから棒を抜く。




そして・・・

カルメ焼きばっかりたくさん出来ると困る。
こんなに食えん・・・



ガスコンロの周りがべたべたになってしまった。
台所全体が綿アメの香りに・・・。

完成したカルメ焼きを見て、最初嫁はメロンパンだと思ったらしい。


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