折々のお料理
飽くなき食欲が生んだ料理や食の研究 |
何でもみそみそ化計画
名古屋と言えば味噌。
味噌カツ、味噌煮込み、味噌おでん、どて煮・・・。
何にでも味噌をぶち込むのは名古屋の風習。
これというのも、この中部地方は豆味噌と呼ばれる長期熟成された赤味噌の産地でもあるため。
本来味噌というのは繊細な一面を持ち、熱に非常に弱く、調理の際に高温で煮立てると風味が損なわれてしまう。
そんな中、赤味噌は唯一煮立てても風味が落ちない味噌として有名。
ちなみにこの地方では定食屋には味噌汁がない。
味噌汁のことを赤だしと呼ぶ。
この独特のコクのある赤味噌には中毒性があり、この味噌で育った人は生涯この味でなければ満足しない。
と言ったら少々オーバーか・・・。
そんなみそみそメニューが、家庭でも気軽に出来るようにと、こんなものが売られている。
このふざけたネーミングの商品、あえてメーカー名を伏せてみたが、今さら隠す必要などないほど知れ渡っている。
中身はチューブ状になっていて使いやすい。
しかし、この裏に書かれた説明書きが・・・
万能みそだれだと!?
パッケージの表写真にあるように、味噌カツ、おでん、焼きなす、田楽はまだ理解が出来る。
しかしコロッケ、ハンバーグだとぉ?
(他地方の人々にとってトンカツにかかっているだけで違和感ばんばんだと思うが・・・)
つまり、合わない料理はない!
とでも言いたげな自信の持ちよう。
そんなはずはない。
どんな料理にも合うなどとはあり得ない。
その思いあがりを打ち砕いてやる!
手始めに今夜の夕飯の野菜炒めに使ってみた。
何にでも合うと豪語するからには、手当たり次第にぶち込んでやる!
きっとどこかで馬脚を現すはずだ。
・・・・。
とーっても、美味そうなんですが・・・。
中華料理でも、回鍋肉のような甘味噌炒めはある。
肉や野菜の炒め物に、甘味噌は実によく合う。
何の変哲もない刺身。
遠くに見える半額のシールは気にしない気にしない。
ん?
なんか変だ。
味噌!?
ふっふっふっ、さすがにこれはイケまい。
これはどうしたことか。
これがなかなか美味いのですよ。
そういえば貝柱やほたるいかなどは辛し酢味噌がベストマッチ。
刺身に味噌というもの、あながちとんでもない組み合わせでもないのか。
続いて寿司はどうだ!?
まあ刺身が美味かったのでこれも美味いのは目に見えているのだが。
この味噌たれは甘みも強く結構味が濃い。
たくさんつけると確かに美味いのだが、どんなものも味噌の味しかしなくなってしまう。
しかし、合うか合わないか?
と問われれば、確かに合う。
あまりたくさんつけると魚の味を隠してしまうが、少量ならなかなかイケる!
このくらいの量がちょうどいい。
しかしどうしたことか。
合わない料理はないものか?
さらに手当たり次第に味噌をかけてみる。
こんにゃく。
合わないわけがない!
餃子。
普通に美味い。
そういえば餃子にこんな味噌のたれが普通に出てくる中華料理屋に行ったこともある。
キャベツに直接つけてむさぼってみた。
違和感なく美味い。
生野菜に合うと言うことは、サラダにもイケるということか?
あえて味噌カツではなく、鳥の唐揚げに味噌。
これがとんでもなく合う。
からしを少々混ぜれば完璧。
某ファーストフードのチキンナゲットに普通に味噌ソースがあってもいいのではないか?
と言うほどよく合う。
味噌恐るべし。
この鳥の唐揚げに味噌のタレ、実は昔小学校の給食で出たことがあったのでなじみのある味だった。
給食ですらこのような味噌が出るとはさすが名古屋だ!
と言いたいところではあるが、じつはこのメニューが出たのは静岡県の小学校。
それ以来あまり見かけないが、結構メジャーなメニューなのかもしれない。
ううむ・・・万能と謳うだけあって、さすがにどんなものでも合う。
何ということだ、これでは完敗ではないか!
世の中で味噌が使われているものを考えてみた。
味噌汁には合わない具はないといえるほどのバリエーションがある。
ラーメンにも味噌ラーメンは普通にある。
はては味噌まんじゅうや味噌飴まで。
やあやあ、これは美味そうなアイスクリーム。
乳脂肪分15パーセントを誇る紛れもないアイスクリーム、ハー○ンダッツの誰もが認める美味なる物。
シンプルなバニラ味、そしてこの上にかかったトッピングのソースが・・・
味噌ーーーーー!?
げ!?
まさか、まさか・・・
「アイスクリームに醤油を一滴かけると美味」という話を聞いたことがある。
汁粉に塩を混ぜると甘みが増したような錯覚になるように、甘いものに少量のしょっぱいものが、なかなか合う。
たくさんつけすぎるとしょっぱいが、少量ならアリなのではないか?
おお、これは涼しげなあんみつ。
暑い夏にはぴったりのジャパニーズスイーツ(笑)。
黒蜜と寒天というシンプルな味わいとフルーツ、個人的には一番好きな黒豆(実は大して甘くないんだぜ)、
そして上にのったこのあんこが・・・
味噌ーーーーー!?
ううむ・・・確かにしょっぱいが・・・
恐ろしいことに・・・
悪くない。
・・・・。
orz
完敗であった。
どんなものにも合う。
それは確かに認めよう。
なぜならばこの味噌のたれ自体が甘くもありしょっぱくもあり、どちらの味ともマッチする仕組みだからだ。
この味噌たれ、単体で味わっても美味い。
さて、
気になるのは、
美味なる物=高カロリー
この法則が成り立つはずである。
裏面に書かれた成分表では、100g辺り252Kcal。
大体一回で使う量は15gくらいか。
だとすると15gで37.8Kcal。
これは何気に恐ろしく高カロリー!
甘かろうがしょっぱかろうが、美味いわけである。
「100g辺り252Kcal」
そう言われてもピンと来ないという人のために、
イチゴジャムやメープルシロップに匹敵する!