折々のお料理
飽くなき食欲が生んだ料理や食の研究 |
味噌煮込みそば
名古屋ローカルの郷土料理に味噌煮込みうどんというものがある。
ご存知、赤味噌を使ってゴンゴンに煮立てたうどん鍋。
画像引用:wikipedia「味噌煮込みうどん」より
鍋を使うが鍋焼きうどんとも違う。
どちらかと言うと山梨県のほうとうに似ているか。
画像では伝わりにくいが、実際に出てくると湯気もうもう、ぶくぶくと沸騰した鬼のようにアチアチな味噌鍋。
焦げた赤味噌の香ばしさとこれでもかと言うほど強烈に効いたかつおだしの香りで中毒性が高い。
この味噌煮込みうどん、意外にも名古屋以外の人々にはあまりウケがよろしくないようだ。
いや、味的には世界に認められる実力はあると思うのだが(地元贔屓!)いかんせん、うどんに分類すると他の地方のうどんとの違いが際立ってくる。
讃岐や関西のようないわゆる典型的なうどんとは大きく異なり、煮込みに耐えるために異常なほど腰が強い。
正直、分類上はダンゴではないかと思えるほど固く、普通のうどんの感覚で挑戦するとえらい目(大変な目、ひどい目)にあう。
しかし馴れてしまえば驚くこともなく、わかった上で賞味すればなかなかの美味だ。
猫舌のしぶーのには少々過酷なメニューではあるが、名古屋のソウルフードの代表でもある赤味噌をふんだんに使ったこの鍋はもちろん大好物である。
うどんが美味ならばそばだっていいじゃないか!
そんなひねくれた根性でやってみた。
というより、ふと「味噌汁にそば入れたら美味いんかな?」と頭をよぎったのが発端だった。
一人用の小さな土鍋が標準。
なにはともあれこれがなければ始まらない。
本当の味噌煮込み用の土鍋にはフタに穴がなく、フタの上で冷ましながら食する。
湯が沸いたら、粉末かつおだしの元をサラサラ。
赤味噌投入!
味噌汁よりも若干濃い目にします。
ここでスライスしたにんにくを投入!
本来の味噌煮込みうどんにはにんにくなんぞ入りません。
にんにくそば以来すっかりにんにくの虜になってしまった。
今ではにんにくの入っていないそばは物足りなくすら感じる。(←中毒)
にんにくを入れたらしばらく煮立ててよく火を通す。
こんな時、煮立てても香りが飛ばない赤味噌は威力を発揮する。
具は山菜となめこ。
よくある味噌煮込みうどんはカマボコやかしわ(鶏肉)などが入っているが、単純に冷蔵庫になかったという理由でにんにく山菜なめこそばになりました。
そばは横着してゆで麺を使用。
火の通りを揃えるために、鍋に入れるのはできるだけ最後の方にしました。
味噌煮込みうどんは味噌の中に直接生めんを入れてゴンゴンに煮込む。
長ネギを加え、卵を落としてふたをしてひと煮立ちさせて完成。
この場合めんには火が通っているのであまり煮込みません。
卵はちょっと硬いのが好きなのでふたをして蒸らします。
寒い冬に最適の、鍋焼き味噌そばの出来上がり!
味噌とにんにくの香りのマッチ度(なんのこっちゃ)が素晴らしく、美味くないはずがない。
というより凄く美味い!
しかし・・・、
アリかナシかと言われれば
ナシだ。
えええええっ?
味噌の味が非常に濃くて、繊細なそばの香りがしない。
残念ながらこれではそばの良さがわからない。
わざわざそばにする必要がなく、やはり麺自体にクセのないうどんのほうが適している。
凄く美味いんだけどね・・・。
この味、一度食すると妙にクセになるのは確か。
2010.11.12