折々のお料理

飽くなき食欲が生んだ料理や食の研究

味噌おでん

冬の風物詩といえばおでんを忘れてはならない。

冷え込みの厳しい夕方、大抵スーパーには鍋物と並んでおでん特設コーナーが設けられている。
その夜は、付近に住むどれくらいの世帯の夕食がおでんなのだろう?


おでんといえば関東煮(かんとだき)とも呼ばれ(広東説もあるらしいが)、関東地方では日常よくみられるポピュラーな食品だった。
昔東京に住んでいた頃、昼間の公園の脇に屋台のおでんやが来て、子供たちがおやつとして買っていたのを見たことがある。

とある漫画に三角四角丸の串刺しになったおでんを持った子供が良く登場したが、それほど浸透したものなのだろう。か?

正直そんな子供は見たことがない。
作者の赤塚不二夫大先生はおでんが好きだったのだろうか?




スーパーには個別のネタも売られているが、ある程度の具が一まとめになっているお手ごろな袋もある。
少人数の家族には便利だ。

鍋で煮る時間を惜しまなければ、コンビニで買うよりも経済的にたくさん食うことが出来る。




まな板の上にぶちまけてみました。

この量でちょうど二人分。
よく見れば、さつま揚げと角はんぺんとイカ天とねずみ色の玉が一つしかありません。

この具の呼び方、地方によって差があるようです。
関東ではポピュラーなちくわぶもあまりみかけません。
味噌おでんに入れても美味ですね。







奪い合って喧嘩にならないように、さらに味が染みやすいようにすべての具を半分に切っておきました。
そのまま煮るほうが煮崩れないけど、多少の変形は構うこたぁありません。




油抜きとか固いことは言わずに、そのまま鍋に直行します。





附属のだしがついているが、今回はあえて味噌おでんにしてしまいましょう!




名古屋風のおでんといえば味噌おでん。
全国的には味噌おでんといったらこんにゃくに味噌たれをかけたものが有名なのだが、名古屋風の味噌おでんはすべての具を赤味噌で煮ちまいます

これでもかというほど有名な赤味噌を使います。

このパッケージ、この地方の人ならこの色合いを見ただけでなんだか判ります。



名古屋では「料理の味付けは味噌と砂糖で決まる」と断言出来る(誰も断言していませんが)ほど馴染みが深い赤味噌は、たとえ「他府県へ転勤しても味噌だけは実家から送らせる」ほど恐るべき中毒性がある。
一度この味に親しんでしまうと、他の味噌には戻ることが出来なくなる。



驚くことに、冬場全国のコンビニのレジにあるおでん、名古屋でも他の地方と同じ澄んだだしだが、希望者の為に別の小袋に入れられた味噌ダレが用意されている。
もう味噌なしでは生きられない体になっている。

そういえば何でおでんだけ特等席なのだろう・・・?




味噌とさとうをぶち込んだ鍋。
味は甘い味噌汁。

土鍋のほうが風情があって時間をかけて煮るには適していますが・・・。

このままガンガン煮てゆきます。
色がとか煮崩れるとかそんな繊細なことは考えません。

煮れば煮るほど味がしみこんで美味なのですから!





強火で(本当は時間をかけて煮るべきでしょうけども早く食いたいので)30分ほど煮込みました。

調理中のおでんはふたを取ると具が膨らんでいる。

練り物の中に含まれる空気の層が膨張している。
火を止めるとしぼんでゆきます。


しぼんだ時に味噌吸って美味くなるんじゃね?

そんなことを考えてしまいます。



かなり色がついていますが、

まだまだっす!



水を足してさらにゴンゴンにいってしまいましょう!





さらに煮込むこと20分。



念には念を入れて、さらに10分。

フラッシュ撮影でだいぶ明るい色に見えますが、もはやどれが何だかわからないほどの色合い。
すべて茶色一色です。

見た目は恐ろしい名古屋風の味噌おでんの完成!



煮ても風味の落ちない赤みそのコクと香り、
色が黒いので塩辛そうですがそうでもない、
甘みと赤みその苦味が効いたクセのあるおでん。





一味唐辛子か和からしをつけていただきましょう!


趣味の部屋に戻る

TOP

inserted by FC2 system