折々のお料理

飽くなき食欲が生んだ料理や食の研究

おにぎりのあり得ない具を考える


おにぎりにはどんな具があるか?

 コンビニに売られているおにぎりのバージョンをざっと見渡すだけでも、梅・シャケ・昆布のようなトラディショナルなものは言わずもがな、焼肉・キムチ・唐揚げからカレーまでそのバリエーションは果てしない。


 かつて大手コンビニでツナマヨネーズのおにぎりが販売された時、その意表をつく具に驚いたのと同時に、パッケージに「おふくろの味」と書かれているのを見て「どこの世界に握り飯にシーチキン詰めるかーちゃんがいるんだよ!」と皆でツッコミを入れていた記憶がある。
 近代までなかった新しい味ではあるが、それが今ではすっかり定番となっている。



そう考えると、おにぎりの可能性は非常に大きい。
下手をすると、中に入れて握ってしまえば、なんでもありになってしまうのではないか?

かつで大福イチゴをぶち込むという破天荒な組み合わせが市民権を得たように、これは今までなかった、全く新しい組み合わせという発見があるかもしれない。




と、いうわけで・・・


ルールの説明。

今まであり得なかったような斬新な具を試してみる。
ただし具材は、食えないようなとんでもないものでは意味がない。
具の単体でも美味というもの。



塩味も効かせていつものように作りました。
具材が少々変わっていようとも、手加減はしません。
まさにおにぎりロシアンルーレット


手前の五つが今回の試作品、奥の三つは普通のこんぶ(嫁用)。
いつものおにぎりより微妙に小さいのは気のせいか?


なあに、恐れることはない。
中身はみんな自分の大好物のものばかりなのだから。




さて、せっかく作ったのだから、自宅でそのままいただくというのも味気ない。



瀬戸市の高台、窯神神社にやってまいりました。

昼に家を出て来たのに、何だかんだ寄り道するうちに夕方だがね。



瀬戸市街を見下ろす展望台で超遅い昼飯を楽しみましょうか。

実食

さて、何が出るかな♪何が出るかな♪




これは・・・



厚焼き玉子
 


ふむ、美味い。

しかしよく考えたら寿司にもある具なので合わないはずがない。
ご飯が酢飯ではなく、だし巻き自体に若干塩気が少なくて物足らないものの、具材としてはなんら問題がない。

それにしても卵という食材は甘くても辛くても美味い。
栄養は豊富、おかずにもなればお菓子にもなる。

つまり、人のDNAの中には卵を見つけたら「とにかく食っておけ」とインプットされているに違いない。





続いては・・・


海草サラダ

酢の利いたドレッシングでいただくと美味。
そういえば子供の頃は嫌いだったな・・・。
 

おにぎりだけでは食物繊維が足りない。
そんな悩みを一気に解決してしまう合理的な組み合わせ。

塩気のきいたごはんと海苔の香りのおにぎり、海草サラダは特にこれといって主張がないので同時に食してもなんら問題はないが、何もそんなところに居なくてもいい気がする。

よく考えたらおにぎりに巻いてある黒いヤツも海草の一種だったっけ。





続いての食材は・・・。

・・・・。





バナナ。
 

バナナはおやつに入るのか?
という永遠の命題に堂々と終止符を打つ画期的な組み合わせ。
これによりバナナはおやつではなく、どう考えてもおかず以外にあり得ない。

かぶりつく前からバナナのかぐわしい香りが漂っている。
具材としては意外と強く存在感があるが、甘くて美味い
しかし、とってもいい香りなのだが、発せられているものが黄色いアレではなくおにぎりとは。
頭が混乱してきた。

強烈な力を発揮するバナナゆえに、おにぎり全体がおやつに変貌してしまうのではいか?と恐れていた。
しかし、おにぎりのベースとなるご飯と海苔の部分が意外なほど強く、具によっては全く融合を許さない。

ご飯が終わる前に、なぜかおやつに手を出してしまったような違和感。
どうして一緒に口に放り込んでしまったのだろう・・・?


さて、行きましょ次!




・・・・。







カマンベールチーズ。
 

チーズという具材はクセが強いようなイメージがあるが、その中でもカマンベールはおとなしい。
とろけるような食感、一瞬何が入っているかわからないが、次第にその存在を主張してくる。



おにぎりと新たな具材のフュージョンとして新たなものが完成するのか?



いや、全く分離している。
これはチーズのおにぎりではなく、おにぎりとチーズである。




固まった。





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次なる具材は・・・

















チョコレート(マカダミアナッツ入り)。
 



改めてチョコレートは油脂だということを再認識させられる味だ。

そういえば握っている端からチョコが溶ける溶ける。
そしてチョコレートが溶けるとココアの味になる。 
いや、チョコレートもココアも同じもののはずだが、チョコレートはあの油脂分が合わさって口の中で溶け、あの食感になっているのだ。

すっかり溶けたチョコレートはご飯と混じり、ココアのチャーハンとでもいえる、世にも恐ろしい物にになっていた。

そして追い討ちをかけるかのごとく、忘れてはいけないマカダミアナッツの歯ごたえ。

チョコレートは口の中の体温で溶けて滑らかな舌触りとなるはずだが、おにぎりは冷えている。
これによりチョコは溶けないのだが、ここではおにぎりを握った段階ですでに一度溶けている。



舌の上に残るの食感。
同じ舌の上で、塩味と甘みの感じる部分が違うのがわかる。

正直、もう少しましな結果になると思っていたが、まさかここまで破壊力があるものが完成するとは・・・。

ご飯が甘いとは不思議な食感。
餅やおはぎなどのように、あんこが入った甘いものも珍しいわけではなく、外国ではライスを使ったプリンもある。

しかし、海苔の香りとご飯という組み合わせが口に入った瞬間、脳は即座におにぎりと認識し、次は塩味の具が来ると信じてやまない。
その期待が裏切られた時の衝撃はかなりのものだと判った。


しかし食い物を粗末にするなんざぁ言語道断、たとえどんな味になろうとも、責任持っておんちくいただきましょう!






嫁から奪還したこんぶのおにぎり。

基本中の基本。

やっぱり塩っけの効いたのが最高。


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