折々のお料理

飽くなき食欲が生んだ料理や食の研究

自力で精米してみよう!



なんすか?これは。

現在、しぶーの家では、知り合いの農家から直接玄米を買っている。
少しずつ小分けにしてコイン精米にでかけ、精米したての米を食うのが楽しみの一つにもなっている。


今でこそ精米(精白)は近代的なマシーンが行うというイメージが強いが、長い日本の歴史の中ではほんの最近のことである。

近代的マシーン。


当然、昔ながらの方法で精米することも可能なはずである。
有名な所では、広島を舞台にした戦時中及び戦後を描いた漫画、「はだしのゲン」の中で、一升瓶に入れた米を棒で搗いている場面があった。

この、いわゆるビン搗き(瓶突き?)という方法で、精米にチャレンジしてみます!





一升瓶ではなく、実験的に小型版の精米機(精米器?)を作成しました。
 


どのくらい搗けばいいのだろうか?

その量から推測することが出来る。
一升瓶で精米できる量はしれている。
家族で食する米の量から想定すると、ビンの中の米は一食もしくは二食分程度と思われる。
これから食する米を精米しているわけだから、恐らく数時間から半日程度で出来上がるのではないだろうか?


およそ一合弱ほどの玄米を入れました。

ここに玄米を入れてこの棒でひたすらズコズコと搗きまくる!
そういえば精米は5分搗き、8分搗きというように「搗く」といいますね。



しかし、この細い棒のせいか、せっかく搗いても米が逃げるので、ほとんど手応えがない。

本当にこれでいいのだろうか?

15分ほど手応えのないままやってみたが・・・。

おりょ?
よく見れば底の方にヌカの粉が溜まっている。


やはりこのやり方で合っているらしい。

このペースで行けば連日連夜搗きまくって10日目くらいには白い米が食える。
って、ちょっと効率が悪すぎる。





ビンの口ギリギリくらいの太い棒を用意しました。


なかなかいい手応え。
ひと搗きごとにギュッという抵抗感、しっかり搗けている気がする。
やはりやや太目の棒にして正解。


それにしても都合よくぴったりの棒があったもんだ。
しぶーの家のガラクタ資材置き場にあった棒だが、確かこの棒は・・・

何か使うことがあるだろうとゴミ捨て場から拾っておいた箒の柄!
(げーっ!)
まあいいか、精米した米はしっかり洗って食おう。


棒を変えたことにより精米の効率は格段にアップ。
しかしあまりに調子こいて力任せにビンの底まで搗いてしまうと、棒と底で米をつぶし割ってしまう恐れがある。
この作業、昔は子供が手伝ったというように、搗くのはそんなに力はいらないようだ。

 

ビンの中の米が徐々に粉をまぶしたようになってゆく。
確実に米とヌカが分離しているようである。



搗くのにだんだん抵抗感が増してきた。


椅子の上にあぐらをかいてビンをはさみ、パソコンを見ながら左手でズコズコ。
ビンが小さいせいか、棒が口ギリギリのせいか、米が多すぎるせいか、あまり勢いよく搗くと、口と棒の隙間からヌカの粉が舞い出てくる。

ゆっくり、2秒間に一回くらいのペースで搗きました。
意味はないが、なんとなく水車の回るイメージで。
(昔ならば水車で時間をかけて精米するシステムもあった。)


休み休み、暇を見つけては搗いてを繰り返し、通算して一時間くらいだろうか?
思ったよりペースが速い気がする。

皿の上で比較してみました。左は玄米、右は精白米。

少々写真のホワイトバランスがおかしいが、比較の為。

真ん中の精米中の米は、きな粉をまぶしたようになっている(だからそれがヌカだって)。


手の上ですり合わせてヌカを取り除くと、色こそまだ黄色いが見覚えのあるお姿が!

これはなかなか、いけるんでないかい?
このペースで行けばわりと早く白い飯にありつけそうだ。
いっそのこと上白米、大吟醸までいったろうか?



一粒残らずビンに戻し、再び精米スタート!
さらに搗きます。



ヌカが絡むせいか、さらにひと搗きごとの抵抗が増してきた。
棒を両手で持ってギュッギュッと押し下げて搗きます。
結構力が要る。

一秒間に2回のペースで20回搗いては休み、を繰り返す。

鶏小屋の匂いがする。

ビンの中はますます粉だらけになり、中の米にはまんべんなくヌカがまぶったような状態。

まるで粉ふき芋、正直きちんと精米できているのか見た目ではわからない。

手のひらですり合わせてぬかを落として見ると、

ヌカがまぶっているので色はまだ黄色いが、よくよく見ると見事な胚芽米!
炊く前にしっかり研げばイケるんでないの?

今回はどのくらいか見当がつかなかったので休み休み搗いたが、気合を入れて搗きまくれば通算一時間くらいで出来そうな気がする。




さて、いよいよ食ってみますか!





皿にまけてみました。


もう粉粉、なにがなにやら状態。



計量してみました。
搗く前は一合弱ほどの玄米だったが、精米後には当然目方が減っている。
いや、減っていない。

まだ米もヌカも一緒なので当然といえば当然。
ヌカを取り除けばその分減る



ボールに移して研いでみます。

うああああ!

ヌカの量が多いのでえらいことに。



米を研ぐ時に、最初の水はなるべく早く洗い流すのが基本だとか。
長く浸けておくとヌカ臭くなってしまうというのが理由。
妙に納得できました。




おお?




急いで3回くらい洗い流すと、そこには感動の光景が!

こここ、これは!?





米だ!

これはまさしく、あの見覚えのある米である!
最初から米なんですが・・・。





念入りによく研いで炊きました。
自分で時間をかけて搗いた米はいとおしく、一粒たりとも無駄には出来ませぬ。



水加減や浸け置き時間などは特にこだわりませんでした。
ごく普通に、同量の水加減で炊いてみます、


頼むぞ炊飯器!

へいへい、わかっております。
あたしゃいつものように炊きまっせ。
そんな期待されても・・・。




初めちょろちょろ中ぱっぱ、
赤子泣けども蓋取るな・・・




炊き上がるまでのしばらくの間、ハワイの映像をお楽しみください。



しぶーの   ↑



しぶーの   ↑



↑   しぶーの




どうやら無事、炊けたようです。





そもそも米の量が少ないので無理がありますが・・・
ジャー洗えよ。

写真の腕前が悪いせいか、あまり美味そうには見えません・・・




見事に炊きあがりましたが・・・


え〜、


なんと言いましょうか・・・



どこからどう見ても、ごく普通のご飯です。

いわゆる日本人が長年食してきた、昔ながらの原始的な姿、本来のご飯のあるべき姿。


それに比べればコイン精米や売っている米も実に見事に精米出来ているというのがわかる。
(なんか話が本末転倒になっているが・・・。)

うむ、味もごく普通のご飯である。
心なしかいつものよりも甘味が強いような気がするが、たぶん気のせいでしょう!

普段なら何気に精米された米を炊いてしまうが、この方法なら搗きたてなんてもんじゃないほど新鮮な米が食える!
そして5分搗き、7分搗きも思いのまま!
(どこまで搗けばいいのか見等がつかないのでテキトーですが・・・。)


この電力に頼らないサバイバルな精米、思ったよりも手軽でなかなかお勧めですよ!

(この方法で、籾からも精米が出来るらしい。)


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