折々のお料理
飽くなき食欲が生んだ料理や食の研究 |
やかん式
長年愛用のやかんが使用できなくなりました。
思えば学生時代に買ったこのやかんは、1リットルのこじんまりしたもので、コーヒーやカップめんのお湯を沸かす大切な役割を担ってきました。
純粋に湯を沸かすのみに使用、匂いが移るので茶の煮出しにも使っていなかった※。
極力凹まかさない(凹ませない)ように気を使い、嫁による空焚き攻撃にも耐え、フタのつまみの部分も壊れたら修理したりして大切に使ってきましたが、とうとう底の部分に穴が開き引退を余儀なくされた。
※その後の調査により嫁が茶を煮出すのに使用していたことが判明。
ただの消耗というやつなのだが、一見底を見ると特に消耗している感じはしない。
が、光にかざすとえらいことになっているというのがわかる。
何と穴だらけ!
満点の星空状態。
こんなに穴が開くまでよくも使っていられたものだ。
じわじわと水は漏れるだろうに、たまにじゅうという音がしても外面についた水滴が蒸発している程度にしか思っていなかった。
アルミニウムの腐食はヤバイという噂も小耳に挟む。
アルミニウムを大量に摂取し続けると痴呆症やアルツハイマーの原因になる恐れがあるとかないとか。
(真意のほどや危険な分量は定かではないが)
しかし、ここまで穴が開いていては使いようがない。
新しいやかんを買いに行かねばなるまい。
このやかん、実は大層お気に入りで、適度な大きさとこの形は見た目の安定感があり、できることなら同じ物が欲しいほどだ。
しかし購入した近所の金物屋は、とうの昔に廃業して跡形もなくなっている。
とりあえず近場のホームセンターを数件回ってみたものの、なかなか気に入った形のものがない。
こんな時にはインターネットで探すか?
もしかしたら「やかん屋.com」とか専門店があるかもしれない(ねーよ)。
(調べてみるとやかんの専門店は本当にあるからすごい!)
確かにインターネットで調べると、絢爛豪華なやかんがヒットする。
しかし探しているのはそんなセレブやかんではなくご覧のような庶民用のやかんである。
(あと、ピーと鳴くヤツは嫌い)
やかんなんざぁどれも一緒だろ!
と言われそうなのだが、
まあ確かにどれも一緒なんだろうけども、湯を沸かすだけなんで、形なんぞどうだったいいことであって・・・。
しぶーのの習性からすると、ひとたび買ったものは壊れるまで使い続ける。
毎日使うものだけに、気に入ったものがいい。
というわけで実際に手にとって、バランスや握り心地、溶接部分の処理など細部を確かめてから買いたい。
世間はすっかり年の暮れ、年末お正月用品セールで賑わうこの寒空の下、やかんを探して彷徨った。
少し離れたディスカウントストアにて発見。
我が家に来た新しいメンバー。
ステンレス製、容量は前と同じ1リットル。
小型だがずしりと重く高級感あふれる(実際には安物だが)。
これから就任と引退の式典を行う。
新旧並んで記念撮影。
ケトリーナよ今までの勤め、ご苦労であった。
(なんだそりゃぁ?)
シールをはがし、流水でよく洗ってからいよいよ就任式。
使う水はドイツ製ポット型濾過式浄水器による水。
最初の任務として不足はあるまい。
いよいよ初点火(でんか)!
なんとなく沸くまでの時間が長いような気がするが、ステンレス製なので致し方ない。
最初の任務はコーヒーを淹れること。
一人前のやかんとしてデビューする通過儀礼として不足はあるまい。
注ぎ口が前のやかんよりも狭いので少しずつ注ぐには使い勝手がいいかもしれない。
注ぎ口から出てくる角度が違うので、慣れるまで少々かかりそうだ。
うむ、初仕事、無事にこなせたので我が家の一員として認める。
安住の地を与えよう。
ステンレスとアルミニウムではかなり熱伝導率が違うようで、今までのやかんの時のようにストーブの端っこに置いて保温していたら冷めていた。
若干使い勝手が違うようです。