猫ヶ洞池のダム穴





ダム穴というものをご存知でしょうか?




数年前からネット上で話題になっているもので、ダム湖の水面にぽっかり口を開けた不気味な穴のこと。









怖っ!





(画像はダム穴画像集より)

一体どれだけ深さがあるのか想像もつかない中に吸い込まれてゆく様子は、画像を見ただけでぞくぞくと恐怖感が襲ってくる。



ダムの水が一定量以上になったらここから自動的に溢れてゆくいわゆる「洪水吐き」の一種で、上向きの朝顔のような形状でグローリーホールと名づけられている。

グローリーホールの紹介サイト






この恐ろしいダム穴の写真は海外のダムなのだが、ぜひとも実物を見てみたい
日本国内のダムにもないだろうか?

まさに怖いもの見たさ


日本のダムにも特徴的なゲートや洪水吐きを持つダムはいくつもあるが、さすがに安全面も含めてなかなか(恐怖を感じさせる)いいダム穴は少ない。
ということで、全国のダムマニアが探したところ、いくつかが見つかった。








その中で、名古屋の千種区の平和公園にある猫ヶ洞池にある洪水吐きもダム穴として数えられていた。










航空写真で見ると・・・

 

池の左下が堤体、そして右上には・・・おうっ?

なかなか、でかいではないか?












と、いうわけでやってまいりました、猫ヶ洞池。
平和公園内にあり、動物愛護センターのすぐ横。
堤体のすぐ下流には住宅街が広がっています。

天端から見た堤体の様子。





元々はアースダムのようだが、池側は幅広くコンクリートで階段状に固められていて、釣りを楽しむ人に向けて開放されている。
濁った池を覗き込んだら鯉が泳いでいた。



この堤体には明確な洪水吐きがない。
ダム穴という洪水吐きがあるので当たり前の話なのだが。




画像を見ても判るように、




今日は雨。




毎度のことながら雨男と言いたいが、わざわざ雨の日に来たのには理由がある。







 → 水位が上がる → ダム穴稼動!







堤体から見た猫ヶ洞池。
奥に見えるフェンスに囲まれた怪しげなサークルは・・・



あれこそがこの猫ヶ洞池にあるダム穴!




猫ヶ洞池周辺は平和公園として整備されていて大きな芝生広場もあり、休日は家族連れで賑わう。

 

平日のこの日、近所の犬達(飼い主さん達)の社交場になっていた。
(糞は持ち帰ってくれよ)



注意書き看板は標的にされた多数の凹みが。

 

球形の樹脂製の何かがぶつかった形跡。
昼と夜では違った人々が集っているようです。





池のほとりの遊歩道をたどって近づいてゆく。

遠くからザーと音がする。
越流している模様。



なんか見えてきた。

フェンスで丸く柵で囲んである。



岸から近いので、さすがに海外のダムのグローリーホールのようにノーガードというわけにはいかないだろう。
どう誤っても転落し得ない構造になっている。

形はあの恐ろしいダム穴と同じ朝顔形ではなく、外壁があってから二段になって流れる仕組み。



コンクリート製ではあるが、あまり稼動していないのか結構雑草が生えている



穴の中へ降りる階段と手すりが見える。
保守点検の際には人が入るのだろか?

遊歩道からは木が茂っているので全貌を写真に収めることの出来る場所がない。

ここ猫ヶ洞池のダム穴は堤体から最も遠い位置にあり、ダム湖では最も浅い部分にある。
実はこの穴の周りは水深1mくらいで、恐怖感はほとんどない
(渇水期には干上がっていることもある)

万一穴に落ちても、なんとか自力で這い上がることが出来そうなのも恐怖感が少ない一因でもある。




穴の中がどうなっているのか?
どのくらいの深さなのか?

背を伸ばしても石垣に登っても、残念ながら覗き込むことが出来ない。
中から草が生えているのが見え、長年かけて溜まった砂や土で少々埋まった状態なのだろうか?


背伸びして手を伸ばして撮った画像。これが限界。

航空写真で確認しても穴の中は真っ暗で見ることが出来ない。



もしかしてすごい深かったりして・・・
そうだとすればかなり恐怖だ。





一体ここから流れた水はどこへ行くのか?
どこへつながっているのか?

 この猫ヶ洞池は山崎川の源流となっているそうだが、地図を見ても堰堤から下流には明確な川はない。恐らく暗渠となって本山交差点まで見えないところを流れていると思われます。

Yahoo地図より名古屋市千種区平和公園2丁目付近

 しかし堤体から遠く離れたこの位置に洪水吐きがあるということは、溢れた水を導く水路がダム湖である猫ヶ洞池の地下を通り抜けているということなのか?
 なんともスケールのでかい仕組みではないか。



 歴史を調べてみると、この猫ヶ洞池は江戸時代からある農業用の溜池で、当時はここから猫ヶ洞用水が作られて周囲に水を供給していたようである。
現在は周りを見渡しても水田はなく、名古屋の水源は愛知用水を使った木曽川でまかなっているため灌漑としての機能はしていないと思われる。



猫ヶ洞の地名の由来とは関係ないとは思うが、この池の周りには猫がうじゃうじゃいた。

結構人に馴れている様子だったが、餌をやってはいけませんぜ。



あなたのそばにもきっとある、日本のダム穴まとめサイト


趣味の部屋に戻る

TOP

inserted by FC2 system