看板の電話コレクション



昔の電話はかった。


そして丸いダイヤルがついていて指を突っ込んでじーころじーころとまわして電話をかけたものだ。
かかってきた時にはけたたましい音でジリリリン!と物理的なベルの音が鳴った。
つい2〜30年前のことなのだが、今やそのダイヤル式の電話は現役で見かけることのほうが少なくなった。


昔の歌謡曲でも「電話をかける=ダイヤルする(まわす)」であった。
プッシュ式が主流の今、回線はダイヤル回線があるもの、ダイヤルのついた電話を探すほうが大変だ。

今だに祖母の家で現役の黒電話。

黒電話→携帯電話、ちゃんとかかりました。


もしかすると今の子供達は実際に見たことがないのではないだろうか?



いやいやところが、インターネット主流の現代、一人一台は電話機を携帯する現代でも、まだまだ黒電話は生き続けている。




パソコン、携帯電話そして・・・で、電話?

駅や街中にある看板、IQコードまである現代、最近新しくなった看板ですらこのレトロな電話機が使われている。



かつては電話機の絵を簡略化したものであったが、時代と共に記号的意味合いに変化していったのだろう。
道路標識で「踏切あり」が蒸気機関車のシルエットのようなものだろうか?

もちろん単純に文字だけというのもある。

しかし、看板として視覚アピールする世界では、一目で判る絵文字として生き続けている。






こちらはよく見かけるタイプ。

上の看板のものと全く同じデザインのもの。


看板なので数字にあわせて上下左右に引き伸ばされていることもあるが、基本的な形は同じである。

こちらは横長タイプ。

本体下部が膨らんでいて安定感がある。



ストンと下がっているものと、下部が丸みを帯びたもの。

 

よくよく見れば受話器の形状も微妙に違う。



これらのオーソドックスな絵は、恐らく看板用の数字のフォントと共に広まっている記号なのだろう。






これはなかなかたくましい電話機だ。

数字にあわせてシルエット加工もされているが、それ以上に角ばって太い受話器は筋骨隆々の男性を思わせる。




この電話は妙に色っぽい。

レトロな手書きの歪みがなんとも言えぬ味わいを出している。
ツンと佇む貴婦人のような気品が感じられる。




中央のダイヤル部分にワンポイントがおしゃれなこの電話。

黒と黄色の縁取りは数字とセットのフォントなのだろう。




角ばって重心が低いこの電話機、まるで台所にあるはかりの様に安定感がある。

中央の丸ぽちもはかり感を強めている。




なんとも脱力系の電話。
ちび○る子ちゃんを連想させるようなデザインだ。

全体に丸みを帯びて平和的な外観、それでいて接地面はしっかりと平らで安定感がある。




きゅっと締まった電話は真面目さとストイックさが感じられる。

まるでボトルの上に載った受話器のような状態だ。
そういえば昔、ウイスキーボトルの上に受話器を乗せる保留オルゴールがあった(友人のうちで見かけた)。




全体的に曲線で構成されたふくよかな電話機。
マッシュルームのような受話器。

底に置くための足ポチがあるのもポイント高い。
有名な耳の垂れた犬・・・なんとかーピーを髣髴させる。




特に特徴はなさそうだがよく見れば受話器にふたがある。

たしかここを回せばスピーカが外せるんだよなあ・・・(遠い目)。




まるでパンタグラフかというほど受話器がまっ平ら。

手書きの看板には活字にはない味わいがある。
記号的意味合いとリアルな絵とのバランス、職人のセンスが生きる。




こちらは上手い具合にとろけちゃってます。

他の字体との関係か、全体がにじんでゆくような柔らかさが見事に表現されている。
看板職人の数だけオリジナリティがある。




これはまた随分と記号化された電話機。

デフォルメどころか、円弧と三角というシンプルな組み合わせ。
数字と並ぶことで、ここまで簡略化されていてもなおダイヤル式の電話機だということがわかる。




しかし、電話機が大きな本体受話器という構造は、今の電子的な物と違いベルやダイヤルを内蔵した機械だということがわかる。




と思ったらプッシュ式あるしー!

それでも下に本体、上に受話器という形状が生きている。
今思えばこの辺り発展の境目だったのかもしれない。
長年0系で支えられた新幹線に、ついに100系が登場した時のように(なんのこっちゃ)。




リアル志向でこんなのもあった。

ダイヤルではなくボタンになり、電話機は3次元から2次元に近づいた。
机に上に平置きか壁掛けの時代を迎える。

確かにものすごくリアルだが、遠目には電話だということがわかりにくい。




その近代的なプッシュ式を図案化したものがこちら。

受話器とボタンつき本体、という基本を押さえてあれば人は電話機と認識するのだろうか?




いやいや、これは受話器しかないし。

今の電話機はこの受話器の中にすべての機能が入ってしまうほど小型化されている。


その受話器が記号化されたもの。

一瞬コーヒー豆に見えた。
まあハイフン(−)の入った数字の列を見たら何となく電話番号と判りますけどね。




フリーダイヤルというのも忘れてはならない。

受話器と本体をつなぐカールコードをデザイン化したものだと思うが、このカールコードももしかしたらこの先絶滅の運命にあるかもしれない。




こんなFree Callも見かけた。

オリジナルデザインなのか、海外で使われているデザインなのか?




受話器はスピーカーとマイクが一体になったもの。
人間が使うものだけに、必ず耳から口までの距離が必要。

技術的には小型化は可能だが、公衆電話のように万人が使用するものは使いやすさのの他にある程度の頑丈さもなければならない。

ヘッドホンからアームが口まで伸びたものや腕時計のような画面に向かって会話する装置のように、SFの世界では未来の通信機器が描かれてきた。
携帯電話もその一つで、すでに実用化され広まっている。

この先どのように発達してゆくのだろう?








新種だと思ったら誰かがイタズラでシールを貼っただけだった。


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