えびせんべいの里
名古屋高速大高線から知多半島道路に入り、そのまま走ること数十分、景色はすっかり田舎情緒。
その昔、不毛の台地だった知多半島は愛知用水のおかげで渥美半島と並ぶ愛知県屈指の農業地帯に生まれ変わりました。
見渡す限りの田園地帯が広がっています。
三河湾、伊勢湾の豊富な水産資源もあり、愛知県の食材が凝縮された美味なる半島。
山間にある美浜インターを降りると、
激しく逆光ですがな。
その建物は見えてくる。
見落とそうったって見落とせない、そのくらいインパクトと存在感がある建物だ。
ばーん!
世間で「えびせんべい」と言えばまず浮かぶのが河に棲む妖怪。きゅうりが好きなあいつだ。
やめられないとまらない。
しかしここではそんな常識は通用しない。誰が何と言おうと、ここはえびせんべいの里だ。
ザ・ホーム・ノブ・エビセンベイ!
(興奮してかなりおかしくなっています)
いきなりでっかい彫刻がお出迎え。エビだよエビ!
平日の夕方に関わらず人が一杯いるではないか。
インターすぐ横の立地もあり、ちょうど帰りに寄っていくのだろう、観光バスも来るほどの人気だ。
中はえびせん、
えびせん、
えびせーん!!
えびせーーーん!!
試食用のケースが置いてあり、どれも心ゆくまで食うことができる。
観光客誰もが食いまくり。
奥の方では工場見学ができるようになっていた。
お?わくわく!
とは言え工場の中に直接入れるわけではなく、
一旦外に出て、工場のガラス窓の外から中の様子を見ることができる。
中では忙しそうにせんべいをチェックする人々がいた。えびせんべいなる日々。
なるほど、割れたりチェックではねられたせんべいは試食に回してしまえばいいのか・・・。
せんべいはベルトコンベアで自動で焼きあがってくる。
ざらざらざらざら・・・どこかで見たような光景・・・。
あ、ゲーセンのコイン落とし!
せんべい売り場の横には、だだっ広い休憩コーナーもある。
せんべい売り場から見下ろせて、やけに天井が高い所を見ると、恐らくかつてここがせんべい工場だったのかもしれない。
コーヒーやお茶などが無料で振舞われている。どこまでサービスがいいのか・・・。
その代わりと言っては何だが、どの人も取り憑かれた様にえびせんべいを買い漁っていた。
なんか飾ってある・・・。
どうやら子供たちの描いた塗り絵のようだが・・・
・・・・・。
電話番号まで入れんでもいいだろ・・・(しかもフリーダイヤル)。
昔のせんべい焼きの道具などの資料も展示してあった。
昔は一枚一枚手焼きだったんですねぇ・・・。
知多半島の対岸は三重県の伊勢方面だが、遠く離れているのでまるで海に夕日が沈む。
天気のいい夜なら対岸の明かりがかすかに見える。
この日、せっかく知多に来たので、ついでに見ておきたいものがあった。
事前に調べたネット情報と地図を頼りに、細い道を進み、問題の分岐点に到着。
そこから右を見ると・・・
うわっ!
不気味に黒々と口を開けたトンネルが!
これが、かの有名な?内海トンネル。
とある方面では心霊スポットとして有名らしいが、要はただの廃トンネル。
内部は大きく崩落していて、以前は辛うじて通り抜けられたそうだが、
いつ再び崩落の危険があるかわからず、現在は金網が張られていて中には入れない。
金網の隙間から内部の写真を撮ってみたが、どう工夫しても画面に写る怪しい白い線が・・・。
霊現象ではなく、ただの蜘蛛の巣だらけ。
手持ちのライトで照らしたら、奥は土砂が積もり15mほどで閉塞しているように見える。
そこをよじ登るとわずかな隙間から反対側へ出られたらしい。
肝試しにはかなりいい雰囲気だけど、すぐ横には旅館もあるので夜はお静かに・・・。
トンネルの横から先は峠越えの旧道らしい。
ものすごく狭くて不安になるが、ネットや地図で事前確認した所、通り抜けは可能だとか。
それにしても狭い。一応車の通った形跡があるが、両側から雑草や木の枝がビシバシ当たってくる。
対向車が来たら離合は不可能。
夕方の薄明時、ライトをハイビームにしてゆっくり進みます。
峠は見事な切通し。廃道マニアにはたまらない場所かも(一応現役の道ですよ)。
この辺りの地層はもろいらしく、切通しの両サイドからもかなりの土砂が崩落していた。
速めに通り抜けてしまおう・・・。
ただでさえ狭い道が、両サイドから侵略してきた植物によってさらに狭められている。
色んな植物が「べろん」ってなってゆく。
車のキズに神経質な人はまず通れまい。
峠越えの道なので結構標高があると見えて、下界に町の様子が見える。
ガードも縁石もない路肩の下は数十メートルの谷。
タイヤ幅ギリギリ!
こここ、こえーよ!
すっかり日が落ちて、帰りは有名な食堂でエビフライを食する。
今日はえび尽くし。実にでかい。
中までしっかりぶっといえび!
他にも新鮮なはまちの刺身や鯛の煮つけが美味かった。
その食堂(食堂と名が付くが旅館でもある)は調理場のすぐ横に生け簀があって自由に入って覗けるようになっていた。
そこには何も知らない魚たちがのうのうと泳いでいた。
あんた達、次に注文が来るまでの命だよ。
こここ、これは処刑台!
注文があるとここで・・・。
そのための木槌。
精一杯美味しく頂いてあげることがせめてもの供養・・・。
今日の収穫。
梅小花
ごま小花
わさび小花
ソースせんべい
チーズサンド
えびせんばっかりこんなにどうすんのよ!
いえいえ、このくらい、あっという間ですよ。