江ノ電沿いを歩く
前回までのあらすじ
冬のある日、一日という限られた時間内に出来るだけたくさんの場所を回りたい・・・。
いよいよ残り時間は少なくなってきた。
時刻は14:00をまわったところ。
江の島を後にして、次なる目的は江ノ島電鉄に乗る。
スズメがべべ着とる
湘南に来たからには、やはりこれに乗らなければ。
今日残りの時間は江ノ島電鉄沿線をめぐる旅。
冬の日没は早い。
これから3時間、出来るだけ多くの場所を回るには時間との戦いだ。
江ノ島駅から次の腰越駅までの区間は路面電車となる。
まったく色々な景色があって飽きない路線だ。
それにしても腰越って名前は過去に何があったのか微妙に想像できて怖い。
もとは「子死恋」など諸説あるようです。
腰越駅はホームが短いので4両のうち後ろの3両しかドアが開かない。
電車に乗ってみているとホームをオーバーランしたような状態になる。
まったく色々な景色があって飽きない路線だ。
(参考図)
藤沢・・・//・・・江ノ島---腰越---鎌倉高校前---七里ヶ浜---稲村ヶ崎---極楽寺---長谷---由比ガ浜---和田塚---鎌倉
海沿いにある鎌倉高校前駅で降りるとそこには・・・
日本一有名な?踏み切りがある。
海と江ノ電の絶好のシチュエーションはアニメやドラマの撮影に使われたりする有名な場所。
結婚式のPVの撮影だろうか?ウエディングドレス姿の人がいた。
今日もたくさんの人たちが写真を撮りに来ていた。
アニメが外国で放送されていることもあり、外国人観光客に人気だとか。
江ノ電は車両のバリエーションも多く、狙った色の電車が来るのを待っている人も多い。
せっかくなので海沿いを歩いてゆくと、行き違いポイントに来た。
そうだ、ここは駅でもないのに電車がすれ違うためだけの場所がある。
正しくは峰ヶ原信号所というらしい。
単線なのに結構本数がある江ノ電ならではの線路かもしれない。
かつてはここが七里ヶ浜の駅だったという。
ここでの見所はスプリングポイントが使われている。
通常線路の分岐は手動または自動でトングレールを切り替える。
しかし必ず決まった方向へしか進まない場合にはバネで固定されているスプリングポイントが採用されていることがある。
上の写真では手前から奥へ進む場合には必ず左の線路へ進むようになっている。
では右の線路を奥から手前へ進んできた場合にはどうなるか?切り替えポイントはそのままだ。
その場合、トングレールを車輪の力でぐわっと押しの広げながら進むという仕組みになっている。
電車が向こうからやってきて止まった。
手前から奥へ進む車両は左へ。
電車は手が届くほど近い。
双方の電車が止まって安全が確認されると電車は動き出す。
今まさに目の前でぐわっと車輪が押しのける!
電車が通りぬけたあと数秒経ったのちバコンという音を立ててスプリングの力で元の位置に戻る。
「バコン!」
「ん?」
「なんか動いた?」
さらに七里ヶ浜駅に向かって線路沿いを歩く。
線路と道路が柵もなく隣接している。
一応縁石がある。
七里ヶ浜駅をちょっと通り過ぎたところの踏み切り。
カーブした線路、橋、踏み切りと萌え要素に満ちている。
(参考図)
藤沢・・・//・・・江ノ島---腰越---鎌倉高校前---七里ヶ浜---稲村ヶ崎---極楽寺---長谷---由比ガ浜---和田塚---鎌倉
七里ヶ浜駅から稲村ヶ崎駅まで1駅だが電車に乗る。
本数も多いので安心して気軽に使いまくれる。
稲村ヶ崎駅。
駅を降りて少し歩くと稲村ヶ崎が見えてくる。
平日の夕方だったこともあり、人はほとんどいなかった。
条件が整えば夕日と富士山と江の島のフルコンボが見られる最高のスポットか。
稲村ヶ崎から線路沿いに歩くと、静かな山間の素敵なふんいき(なぜか変換できない)の住宅街。
もうこのまま歩いてまえということで極楽寺駅へ向かって歩く。
(参考図)
藤沢・・・//・・・江ノ島---腰越---鎌倉高校前---七里ヶ浜---稲村ヶ崎---極楽寺---長谷---由比ガ浜---和田塚---鎌倉
道路と線路に隔たりのない道、ハンドルを切ったら即線路へダイブ。
都会では何かと安全安全で柵やフェンスでガチガチだ。
目の前を電車が通る、家に入るのに歩いて線路を渡る。
そんなおおらかな風景をいつまでも残しておきたい気がした。
景色を眺めながら歩いていると苦もなく極楽寺駅に到着。
極楽寺駅から再び電車に乗り、江ノ電唯一のトンネルを通り次の長谷駅まで行く。
(参考図)
藤沢・・・//・・・江ノ島---腰越---鎌倉高校前---七里ヶ浜---稲村ヶ崎---極楽寺---長谷---由比ガ浜---和田塚---鎌倉
長谷駅から住宅街の中を極楽寺駅方向へ少し戻ったところにある御霊神社へ。
参道の鳥居のすぐ前に踏切がある印象的な神社。
例によって人々は電車が来るたびにカメラを構えていた。
時刻は16時を回ったところ、ここから極楽寺駅まで徒歩で戻る。
(参考図)
藤沢・・・・・・・江ノ島---腰越---鎌倉高校前---七里ヶ浜---稲村ヶ崎---極楽寺---長谷---由比ガ浜---和田塚---鎌倉
成就院の石段は16時半までだったはず。
できるだけギリギリの時間なら由比ガ浜の夜景に近い景色が見れるだろうか?
って工事中かい!
残念ながら石段の工事中。
覆いの隙間から狙った由比ガ浜の風景。
やはりいい景色だ。
極楽寺駅の上の橋のすぐ横にある地蔵堂。
ここに腰掛けて語らう光景はいくつものアニメにある。
日もだいぶ暮れてきた。
そろそろ歩いて写真を撮ってまわるには難しい時間になってきた。
よし、夕暮れの江の島でも見に行くとしようか。
(参考図)
藤沢・・・//・・・江ノ島---腰越---鎌倉高校前---七里ヶ浜---稲村ヶ崎---極楽寺---長谷---由比ガ浜---和田塚---鎌倉
極楽寺駅から再び鎌倉高校前駅まで行く。
ホームから見る夕暮れ時の江ノ島を堪能する。
やはり有名なようで、ホームから写真を撮っている人が多数いた。
時刻は16:30。
まだライトアップの時間には早いが、徐々に暮れてゆく江ノ島の夕景を目に焼き付ける。
だいぶ暗くなったので写真を撮るのはそろそろ限界に近い。
いよいよ最後の訪問先へ、ここではホームからは出ずにそのまま電車に乗り長谷駅まで。
旅の最後を締めくくるのは夜の由比ガ浜を歩くこと。
時刻は17:00を回ったところ。
冬の日没は早い。
波の穏やかな海は町の明かりを映し、波打ち際に歩くカップルのシルエットを浮かび上がらせる。
今日一日、鬼のように歩き回ったことが嘘のように、静かな浜辺は癒される。
さて、夜の幻想的な由比ガ浜をあっというほどの短さで堪能すると、由比ガ浜駅まで歩き、目指すは鎌倉駅。
(参考図)
藤沢・・・//・・・江ノ島---腰越---鎌倉高校前---七里ヶ浜---稲村ヶ崎---極楽寺---長谷---由比ガ浜---和田塚---鎌倉
ここで鳩サブレーを買う。
時刻は17:30。
最後にもう一度湘南モノレールに乗りたかった(相当気に入った)ので再び江ノ島駅を目指す。
江ノ電の車内からライトアップされた江の島タワーを見届け(あー光ってるねーって感じ)、湘南江ノ島駅からモノレールに乗る。
モノレールは3両編成で、夕方なのに乗客は数人だけだった。
大丈夫かこの路線。
今回の旅は正確な距離は定かではないが地図上でたどって推測するに総歩行距離11.7kmだった。
一所の滞在時間は10分以下、行っては写真を撮りすぐに移動という修学旅行並みのスケジュール。
つくづく同行者がいなくて良かった。
もしこの無茶な旅に引きずられまくっていたらきっと帰りには大喧嘩になっていたことだろう。
(2017.1.17)