江の島を歩く 1
前回までのあらすじ
湘南モノレールの終着、湘南江の島駅を出ていよいよ江の島へと向かう。
弁天橋の直前のアンダーパストンネル。
湘南江の島の駅から江の島までは意外と距離がある。
江ノ島の入り口までおよそ800m。
踏み切りを渡り、江ノ島電鉄江ノ島駅横を通り商店街を抜ける。
平日の朝なのでほとんど人はおらず。
(詳しい人によると、今回のこの人の少なさはかなりレアケースらしい)
右を向けば橋の向こうに小田急線片瀬江ノ島駅が見える。
まるで竜宮城。
江の島へ向かうにはこの江の島弁天橋389mを歩いて渡ってゆく。
青銅の鳥居が見えてきた。
江の島の顔とも言える玄関口。
朝に訪れると帰りの客がいない(みんな背中を向けている)ので写真の修整が楽だ。
両側に並ぶみやげ物屋の緩やかな上り坂を登ると・・・。
この道は地元の人も使う生活道路。
噂どおりたこせんの店とかには人が並んでいた。
他にも魅力的な香りを発する店が並ぶがぐっとこらえる。
江島神社がある。
日本三大弁財天のひとつ、化身であった竜を祭っている。
江ノ島はここから多くの階段があることでも有名。
有料エスカレーター「エスカー」もあるが、今日は徹底的に歩くことを覚悟してきたので迷わず階段を行くことにします。
あえて気にするのならば・・・。
仕事着でねぇか!
観光地にこの格好は浮きまくり、見た目がアレだが気にしない気にしない。
そうよ我々にとっては普段着、普通の人が滅多に着ないような礼服を着て汗だくになって仕事をするのさ。
この日は鎌倉江の島付近に喪黒福造がうろうろしていたわけだ。
江の島の標高は約60m。
だから多くの階段を登る必要がある。
60mと言えば20階分のビルの高さに匹敵するとか。
数えた方がいるようで、入り口から最奥の江の島岩屋までの片道662段、往復1324段あるらしい。
竜宮城を思わせる端心門(ずいしんもん)をくぐる。
なにやらお祭りの準備らしく提灯が吊られていた。
さらに階段を登るといわゆる江の島神社辺津宮に到着。
奉安殿に祭られた弁財天様も拝観。
音楽・芸能の神様なのでしっかり参っておきました。
少し階段を下り表参道へと合流。
行く先には長い階段とその左に坂道が見える。
エスカレーターの乗り口があるが今日は徹底的に歩くつもりなのでスルーする。
ここはヨットハーバーが見下ろせるビュースポット。
江の島は標高が高いので基本的にどの方角も絶景が広がる。
階段を登ると江の島神社中津宮がある。
ここにもしっかりお参り。
境内には水琴窟もあり、数人の若者が「この音色はよろしくない」とか言い合っていた。
江の島は決して大きな島ではないが見所は満載だ。
入り口から順番に見ていてはその日のうちに最後までたどり着ける保証はない。
参道の両脇には魅力的な食堂や土産物屋が並ぶが、吸い込まれそうになるのをこらえる。
まずは神社や景色を巡りつつ、一番最深部の江の島岩屋へと向かおう。
参道を奥の奥までゆくと最後は長い長い下り階段になる。
ここから一気に海岸線まで下るのでかなり急な階段が続く。
階段を下りきると稚児が淵という磯に出る。
関東大震災時に隆起した岩場で磯釣りのメッカでもある。
この日天気もよくて波も穏やかだったので釣り人たちがたくさんいた。
この先には海蝕洞である江の島岩屋への桟橋がある。
江の島岩屋は古くから信仰の対象となっていたとのことで、江の島神社の発祥の地とされている。
見上げるととんびが悠然と輪をかいていた。
第1岩屋と第2岩屋の二つが公開されており、入り口で入場料500円を払うと蝋燭を手渡される。
一応洞内はライトアップされており、何もなくても見ることが出来る。
第1岩屋は奥行き152m、中には古い石象がたくさん祭られていた。
所々天井が低くなったところはあるが、足元はしっかりと固められており安全にめぐることが出来る。
一応ポケットやカバンには5つの懐中電灯が入っていたが、ここでそれを取り出すのは野暮というもの。
ここは神聖な場所、フラッシュ撮影や近代的なLEDで照らす行為はKSなので慎む。
KYか・・・。
岩屋を出て、さらに桟橋を進み第2岩屋へと向かう。
外がまぶしい。
第2岩屋入り口から振り返って第1岩屋の出口。
何じゃぁこりゃ!?
ライトアップしすぎではないか?
イルミネーションでライトアップされた第2岩屋内は昼間のように明るかった。
奥行き56m、洞窟の最深部には竜神が祭られて??いる。
この前で手を大きくたたくと音に反応して竜の背後にフラッシュが光るという謎演出。
ううむ、厳かというか神秘さというか微塵もなくなってしまっているのがちょっと残念。
第2洞は中で二本に分かれており並行しているので行きと帰りの道に分かれている。
ガラガラだったのであまり関係ありませんでしたが。
この海蝕洞は古くから修行の場だった。
いまでこそ整備されているが、その昔はたどり着くことすら困難な場所だったに違いない。
ひとたび自然が荒れれば帰ることも助けを呼ぶこともできない。
完全に俗世間から離れた命がけの修行の場だったことだろう。
今日は風も波も穏やか、磯からはかすかに富士山も見えました。
夕日が沈むロマンチックな時間には多くの人も訪れることだろう。
さて、長い階段を下ってここまで来たが、帰るには当然また登らなければならない。
今回の江の島訪問は階段を歩くのが目的、臨むところよ!
高低差約50mを一気に登る。
この日のために徐々に鍛えたカモシカのような足は、80sを越える巨体をものともせずに持ち上げる。
ゼイゼイ・・・。
江の島を歩く 2に続く
(2017.1.12)