地下鉄東山線 地下と地上の境目で


名古屋市営団地下鉄東山線は、藤が丘〜高畑間を結ぶ名古屋で最も歴史のある地下鉄。

途中名古屋駅を通り、名古屋の街を東西に横切る形になるため、多くの利用者で賑わう重要な路線となっている。



かつて愛知万博では、多くの利用客が

名古屋駅→→地下鉄東山線→→リニモ(東部丘陵線)→→万博会場

の経路をたどったと思われるので、全国的に知名度のある路線といってもよいでしょう。





この地下鉄東山線は、東の果てにある終着駅「藤が丘」に近づくと地下鉄でなくなる。
それまでは基本的に道路の下を走っていたが、一社(いっしゃ)駅を過ぎてしばらくすると地上へと登ってくる。

・・・東山線はかつて池下駅が終着駅だった歴史もあり、そこからさらに東に路線が延びた祭に再び道路(広小路通り)の下に戻るため民家の下を通る。
そのため池下駅から覚王山駅にかけては、その区間だけトンネルの断面が丸い。

地上を走るおかげで、強風の時にはよく止まるんだぜ。







長いトンネルを抜けると・・・



ゴーーーー!



突如として広がる眩しい世界。


この路線が地上へ出ることを知らないと驚く。

トンネル内に響く走行音が地上へ出ると静かになる。

雨が降っていたり、雪が降っていたり、日が暮れていたり、地下にいると判らなかった外の状況が判る。
地上へ出るや否や携帯電話をチェックする人々もいる。
まもなく終点が近い、一つの節目。






この名古屋市営団地下鉄東山線は、営業運転中に地表を走ることがない。
なぜなら、地下を走っていた電車は地上へ出とそのまま高架線となってしまうのだ。


この勾配が結構きつい。
建物が垂直なのでよくわかる。



地上へと出た地下鉄は、そのまま上社(かみやしろ)駅、本郷駅と進むにつれ、地形に合わせてぐんぐん高度を上げてゆく。

架線がないので電車に見えないような妙な景観。

パンタグラフの替わりに、線路横の集電レールから電気を取る第三軌条方式。



本郷駅を出るとさらに高度を上げ東名高速道路の上を通り、その高さで終点藤が丘駅に到着する。

この藤が丘駅周辺の高架の下には数件の飲食店が営業している。
「地下鉄の下にある店」
この店のことを説明する時に、この奇妙な状況を知らない人は大抵怪訝そうな顔をする。




地下鉄藤が丘駅は地上にある。

藤が丘駅からはリニモ(東部丘陵線)の始発駅となっているが、このリニモのホームが地下にある。
リニモも高架線になっているが、藤ヶ丘駅周辺だけは地下にもぐっている。


この藤ヶ丘駅の向こうには、地下鉄藤が丘車庫があり、そこは東山線の車輌整備を担う工場。


右側に延びる線路が見える。





地下鉄が地上を走る。

調べてみると日本全国に数多くあり、そんなに珍しいことではない。

車輌を運び込んだり整備のための引込み線や、地面に起伏があって線路を水平に保つために一時的に地上に出ることもある。

地下鉄はどこから入れるのだ?という漫才があったほどだ。





藤が丘から乗ると、最初は眺めのいい高架から、本郷駅→上社駅と過ぎたあたりで地下へと突入する。




見えてきました。










トンネルは、電車好きの少年にとってある種の特別興味の対象になる。




今風に言うと「萌え」




昔はNゲージなどというリアルな模型は一般的ではなかったので、子供達はプラレールで想像力を働かせながら遊んだものだ。
百科事典などを置いてトンネルやホームををこしらえたが、大抵は途中で電車が引っかかったりして上手くいかないことが多い。
しかし必要以上に大きく作ってはリアルさに欠けて面白くない。
本物のようにギリギリのところで通過する様子に脳汁を出していたものだ。









出た!巨大な鼻の穴!



吸い込まれる!

ん?
上が駐車場になっている?



運転士や信号の状況にもよると思うが、トンネルには速度を上げて突入する人もいれば、ゆっくりと進入してゆく人もいる。

しかし、この電車の最前列の窓にへばり付いているのはなかなか勇気がいる・・・。





この地上へ出る(入る)場所は上が駐車場のようだが、一体どうなっているのか?




行ってみましょうか!









例のごとく、やってまいりました。

地下に一社駅がある一社の交差点から東へ進むこと、それまでお行儀よく道路の下を通っていた線路は道を外れて出てくる。



地下鉄が通ってきた道は、県道名古屋長久手線。
街中では広小路通りと呼ばれ、街外れではグリーンロードと呼ばれる。





大通りから一本脇に入り、さらに道を曲がる。
周りにはマンションや住宅が立ち並ぶ。




なにやら見えてまいりました。




これは間違いなくあの場所!

 

東山線の、地上と地下の境目は、本当に住宅街の中にあります。
しばらく見ていると、足元から地響きがしたかと思うと、勢いよく電車が飛び出してくる。




東山線は結構過密ダイヤなので、見ている数分の間にも通過してゆく。

なかなか壮観な場所だが周りが人気の少ない住宅街な上、電車なんぞ眺めていたらいろんな意味で不審者、写真を撮ったらそそくさとこの場を離れた。






このすぐ近くには名古屋インターがあり、さらに上社ジャンクションがある。
この上社ジャンクションは、複雑立体的に入り組んだ道路を鑑賞するジャンクションマニア、通称「ジャンキー」達の間でも有名な場所らしい。



高所で複雑に入り組んだ道路。


ジャンクションの真下で一般道も交差していて、立派な歩道橋から眺めることが出来るのがまたいいらしい。


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