加子母防災ダムに行ってみた
そのダムは中津川市から北に約30km、下呂温泉に近い街道沿いにある。
○の辺りね
そのダムは加子母防災ダム。
取り立てて大きなダムではない。
地図を拡大しても現れない。
最大にしてようやく川を横切る道が表示された。
このダムは天端の通行が可能なダムなので道という扱い。
しかし渡った先はどこにつながっているわけでもなく道は消えうせている。
まさか本当に道がなくなっているとは思わないが、たぶんその先は地元の生活道路か私有地となっているのだろう。
防災ダムと言うのは発電や農業用水など水を使うための目的ではなく、普段は貯水せずに大水の時に洪水を調節するのが目的のダム。
そしてこの加子母防災ダムは水の美しさで有名でもある。
Yahoo地図より航空写真
うおおおっ!
なんという美しいエメラルドグリーン!
航空写真でもその美しさが確認できる!
と言うことは本当に水が美しいのだ!
疑っていたのか?
いやいや、光の加減で美しく見えるとか、一定が条件が揃わなければ見えないのであれば行く日やタイミングを計らなければならない。
しかしどうやら色々なダム紹介のサイトを見ても共通していることから年中こんな色をしているらしい。
この日は中津川にて恒例のキャンプ合宿&ライブがあったのでその帰りに寄ってみることにした。
雨男のパワーに屈することなく、心配された天気の崩れもなく驚くほど晴れた。
5月の強い日差しの中、窓全開で涼しい風を浴びながら快適に走る。
中津川から国道257号線の景色は右も左も山。
眺めがいいので長い道のりも飽きることなく快適に走れる。
途中、道の駅付知で休憩、山を眺める。
ふと山の上のほうを見ると、どうやってそこまで行くのだというような場所で何やら建造物がある。
あれは砂防工事だろうか?
砂防どころか、あんな場所にたどり着くこと自体困難ではないか?
人間の執念は恐ろしいものだ。
あまりに快適に走っていたので苦にならないほど順調に加子母村まで来たが、肝心の表示がない。
ダムあるからには川がある。
当たり前の話ではあるが、このまま行けば通り過ぎるのではないかという不安から、それらしい川を見つけて街道から横道に入った。
道の入口には「乙女渓谷」の案内があった。
山に囲まれた田園風景。
もともと国道257号も車は少なかったが、一本道を入るとさらに少なくなる。
だーれもおれーせん。
いくらなんでも何らかの案内くらいあるだろうと思い、詳しい地図を持って来なかったのは甘かった。
そして本当に何の案内もない。
こうなったら野生の勘が頼りだ。
恐る恐る川のほうを様子見しつつ、山に向かって進む。
こりゃ道を間違えたかな?と思いかけたその時、何かが見えた。
ん?
あれは・・・橋?
いや、橋にしては立派すぎる。
そこに続く道は細く、そう交通量も多くなさそうな橋にしてはわざわざ街路灯が設置されている。
これはもしや・・・。
!!
↑小躍り
♪堤体の出現!
これこそ加子母防災ダム!
ということは水は?
おおっ!本当に美しい!
うわーうわーうわーっ!
すげー
すげー
すげー
本当にこんな色なんだぁーーーー!
ダムからすぐ下流の川はほぼ直角に曲がり、その手前の減勢池がプール状になっている。
特に水は鉱物を含んでいる様子はなく、それでいてこの色ということは相当深いと思っていいのだろう。
上流のほうからはザーと音がする。
普段の水量時にはそのままスルーなので水は貯まっていない。
ええ、ええ、上流側がどうなっているかも知っていますとも。
滝になっていて、半円形の洪水吐が二つあるんでっしゃろ?
散々ダム紹介のWebサイトで写真は見てきている。
うわっでかっ!
なんか想像していたものよりも遥かにでかい。
数々の写真を見てきたが、この加子母防災ダムは比較的小さなダムではあるがさすがダム、その大きさは侮れない。
上流側の滝は実際には高さ5mはあるだろうか?
右のほうに倒れている木はああ見えても結構な大木だ。
写真では音は伝わらない。
この滝は結構な高さがある上に、川幅一杯なのでザーッと大きな音が谷間に響き渡る。
このダムの高さは35.6m。
この洪水吐は目測でダムのほぼ半分ほどの高さがある。
流木が引っかかっていることからそこまで水が迫ってきた証拠ともいえる。
さぞかし恐ろしい光景だったことだろう。
水がないせいか、かなりの高さに感じる。
それに輪をかけて怖さを感じるのはここの手すりが低い。
大人の腰くらいの高さしかなく、下手に前のめりになると落ちそうなほど低い。
しぶーのは高い所と深い所が苦手なのでこの光景はトラウマ物かもしれない。
なのにダムが好きなのは怖いもの見たさか?
炎天下、ゆうに30分を超える間走り回る奇妙な男。
遠くに農作業をしている人影があったが、果たして何を思ったのだろうか?
数台の車が通り過ぎていったが、こちらを見てかなり怪訝そうな表情だった。
ヒビが入っている。
大丈夫だろうか?
それにしてもこの天端、やけに犬のフンが多い。
恐らく地元の人の犬の散歩コースとなっているのだろう。
せめて土の上なら分解も早いが、アスファルトの上にいつまでも残る。
飼い主さん何とかしてくれよ・・・。
おまけ
せっかく来たのだから、表示があった乙女渓谷でも見てみようと思い、さらに上流へと向かう。
げ。
クマー出るのかよ!
向かう雑木林の中、道の側溝には勢いよく水が流れていた。
用水路だろうか?
一体何がどうしてしまったというくらいすごい勢い。
しばらく走ると着きました。
駐車場があったので車を止めて散策。
どうやらここはキャンプ場のようだ。
水はとてもきれいだった。
さすがあのダムの上流だけのことはある。
げげっ!
ててて、撤収ーーーーー!