菊水の滝


滝を見るのが好きだ。

休日にぶらりと出かけることが出来るような近場の滝はないだろうか?
と探していると奇妙な場所にある滝が見つかった。

世の中には熱心な方がいて、全国の滝を巡っては写真を撮り、集めてサイトを公開していたりするので、調べるのに非常に助かる。

菊水の滝。

同名の滝があるのは珍しいことではなく、この名前の滝は静岡県掛川市にも存在するらしい。
しかし愛知県日進市にあるというこの滝、実はこの近辺はよく通ったことのある場所であったが、そんな滝の存在は聞いたこともなかった。

本当にこんな所にあるのか?どうやらそこにある滝の存在を全く気がつかずにニアミスしていたことになる。
まさに青い鳥はすぐそばにいたようだ。

Yahoo地図より
日進市岩崎町付近

インターネットで調べても、いくつかの情報が出てくるが、あまり多くはない。
マイナーな滝でも実際に行って見ると結構見ごたえがあったりするので、天気のいい休日、マイナスイオンを浴びに出かけてみますか。





愛知県は日進市に弁天池という池があります。

確かこの近辺は15年ほど前には曲がりくねった細道で、その後整備されて大きな道になった。
長久手町と日進市を結ぶ重要な道、その交通量は多い。

 

車がビュンビュン走る通りから一本逸れた道、よく見るとここは旧道、かつて細く曲がりくねっていた道路の面影を残す道。
道路整備によって出来た三日月湖のような道路。


すぐ左側には日進御嶽山の森が迫っている。

あるところにあり。



当たり前だ。



左の山の斜面の下を覗き込むと、何やら水が流れている。


これはいわゆるドブというやつではないか?

いやな予感がする。



どうやらここが入り口らしい。
バリケードがあって道がふさがれている。
車は入れないが、立ち入り禁止ではなさそうなので徒歩で入ってみましょう。



すでにヤバい雰囲気が満々。

 



不法投棄を禁ずる看板があるということは、不法投棄されたことがあるということ。

人がほとんど来る気配がなさそうだ。



そして現れたこの光景。

ここは来ていいのか?



なんかある。

不動明王?が祭ってある。
夜に見たらかなりビビる。



 

左は振り返って見たところ。右の用水路はかなり奥まで続いていました。
Yahoo地図の航空写真で確認すると、暗渠となって道の横を通り、岩崎川まで続いているのがわかります。


菊水の滝全景。

手前にあるのが用水路。
そして森のひときわ暗〜い部分に滝があります。



滝の入り口。



薄暗い中を覗き込むとすぐ奥に細い一筋の滝が見えます。



立入禁止の文字の右に青く手書きで菊水の滝。
どうやらここで間違いないらしい。
この他に案内の看板とかは何もなかった。

親切な人が書き込んでくれたようだが、瞳をよーーーく凝らすと、立入禁止の左側、「岩崎区長」の上にも赤い字で菊水の滝と書いてある。

実はこの滝、男滝と女滝があるらしいのだが、女滝の方は枯れているのか確認できなかった。


訪れたこの日、前日までの雨できちんと滝の姿をしていたが、晴天が続いた日だとほんのわずかに岩を濡らす程度、ほとんど干上がっていることもある。

恐らくこの滝の水源である弁天池は農業用か、道路の整備に伴っての人工の池と思われます。
水の清浄さも疑問なところで、夏に来ると蚊が凄い。

高さ12m。

どう考えても自然の地形から出来た滝ではなさそうなことは見て判る。
(左のほうの下ってきた道のほうが低い。)


この滝のすぐ南にある岩崎城の石垣を切り出した際に出来たという説もある。
この滝のすぐ裏にある日進御嶽山は山全域が霊山で、かつて信者らがここで滝に打たれ身を清めてから登ったという。


にしても、そんな由緒ある滝がこの有様というのはちょっといただけない。


かつて、この場所に細々ながら川が流れ、水路を引いて滝を作った。
しかしやがて宅地開発や道路整備に押され、周りをすべて固められてしまった。
そんな不運な滝なのかもしれない。


整備次第ではもっと見どころある滝になるだろうに、ちょっと残念な気がする。


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