世界一のこま犬
岐阜県瑞浪(みずなみ)市。
あの日本一暑い町として有名な多治見市よりも少し山に入った所で、このあたりは多治見市、土岐市をひっくるめて美濃焼きの産地として有名な場所。
なぜか何度も行きたくなるあのどんぶり会館もこの近くである。
南から北上する国道419号と363号がT字に交わる場所。
ここに世界一のこま犬がある。
この国道363号と419号は、豊田市や瀬戸市から内陸を通り恵那や中津川方面に抜ける道で、山間に暮らす人々にはなくてはならない重要な道である。
風光明媚な景色が続くので快適に走れる道。
南から419号を北上するとたまご村がある。
珍しい烏骨鶏(うこっけい)という鶏の卵を売っている。
以前は鶏と触れ合う場所があったのだが、鶏インフルエンザが世間で騒がれて以来いなくなってしまった。
かわりにウサギ牧場になっている。
微妙に著作権が心配な絵。
現在は合併して豊田市の一部である藤岡町や和紙の里として有名な小原村を快適に抜けると、そのこま犬が出現する。
こま犬・・・【狛犬】
獅子や犬に似た想像上の獣で、一般的に神社や寺院の入口の両脇、あるいは本殿・本堂の正面左右などに一対で向き合う形、または守るべき寺社に背を向け、参拝者と正対する形で置かれる。
つまり犬とは言うものの実際の犬ではなく、竜や麒麟や一角獣のような想像上の獣の仲間なのである。
付近は畑の広がる山間の風光明媚な農村。
ここの道の交点には八王子神社があり、そこのこま犬なのであるが・・・。
よく見ると鳥居の脇にこま犬がいるが、それでははない。
しかもこの大きさならば車で走っていて気がつかないかもしれない。
こま犬駐車場というインパクト大の看板があるので見落とすはずはない。
しかもここの狛犬は、世界一の大きさを誇る。
世界一ですよ!?
どーーーーん!
単体で見ても比較するものがないので大きさがよく判らない?
そうでしょうそうでしょう。
このレトロな携帯電話(2011年3月現在しぶーのの現役ケータイ)を置いて比較してみましょう。
ふたたび
どーーーーん!
↑ケータイ
高さ3.3m、幅1.56m、奥行き2.4m、総重量15トン。
なんとギネスブックにも認定されているのだとか。
まあ狛犬というのは世界にあまりありませんけどね・・・。
一体どうやって作ったのか?どこで作ったのか?どうやって運んだのか?
実はこのこま犬、古くからあるものではない。
平成元年に製作をすることが決定、「世界一のこま犬を作る会」が発足。
平成二年より製作を開始、延べ人数1000人、183日をかけて作られた。
この場所で作業され、周りに窯を作り約12日間かけて焼成され、平成2年11月11日、世界一の美濃焼きこま犬が完成した。
こま犬の横から裏へ回りことが出来、窯の跡を見ることが出来る。
こま犬の裏側の様子。
作成過程も陶器で作られて展示されている。
さすが焼き物の町。
このように道の脇にあるので南や西方向から来た場合には絶大なインパクトを誇る。
夜間にはライトアップしていることもある。
一度通ったことのある人ならば「こま犬の角を曲がって・・・」と説明すれば必ず通じる。
隣接する八王子神社には地元の子供達が作った小さなこま犬が並んでいる。
微妙に犬ではないが、「想像上の生き物」という意味ではアリなのだろう。
この立派な神社、ちょっとした広場や集会場などがあり、昔から地域の人々の暮らしの中心にあったことが伺える。
建物の瓦も銘入りで特別製、さすが陶器の町。
ん?
そのすぐ裏山にこんな看板が。
「うさぎ岩登山道入口」
はて、確か数年前に来た時にはなかったはずだ。
尾根を登ればすぐあるに違いない、そう信じて登り出す。
あららら?民家出現。
ほとんど人の家の庭先といった所を抜けると再び「うさぎ岩登山道入口」という看板が。
つまりここが本当の「登山道入口」で、さっきの看板は「登山道入口はあちら」という意味だったのか。
ここからさらに山に登る必要があるようなので今回はこれ以上断念。
付近の地元の人に聞いたところ、近年になってスポットを浴びた名所であり、山の中腹にある巨岩のことだそうな。
現在回りの木々が駆り払われているので下界からもよく見えるとのこと。
たしかに、山の中腹に見える巨岩。
うずくまり、空を見上げたうさぎのような格好をした岩。
標高537mの地点にある。