趣味の電気工作
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NationalヘッドライトBF-198のLED換装
このヘッドライトは砲弾型の5mmLEDが3灯、電源はCR123Aの3V、HI-LOの明るさ二段切り替えスイッチ付。
小型で使い勝手がよく、デザインもお気に入りの逸品。
明るさ二段切り替えのLOモードではやっと手元が見えるくらいの暗さ、しかしこのモードは実は役に立った。
確かにヘッドライトは明るいほど前がよく見える(当たり前だ)のだが、実際の屋外での使用では常に前ばかり見ているというわけではない。
必要以上に明るいと、何気に人の方を向いたときに目潰しになりかねない。
手元がやっと見える程度で、なおかつ周りの人にもやさしく、真っ暗にならない程度に常に点灯しておくモードとして、この暗さは使いやすかった。
その代わりと言っては何だが、いかんせんHIモードも暗かった。
日亜の5mmLED500GSを入手してその威力を見せつけられると、なにかと換装してしまいたくなる衝動に駆られてくる。
この3灯のLED(500BS?)を換装してみようと試みたが・・・。
手順としては簡単、分解して半田を外し、極性に気をつけながら再び半田付けをするだけ、という電気工作に慣れた人なら朝飯前の技のはず。
本体を見渡すとねじがどこにも見当たらない。どうやらはめ込み式らしい。
隙間からマイナスドライバーを差し込んでこじると分解は思いのほか簡単にできた。
ということは防水性なんぞないということか・・・。
(一応ゴムパッキンはありました。防滴程度と考えられます。)
半田を外してついていたLEDを外し、一つ目のLEDをつけようとした時・・・。
この時、基板上に残っている古い半田はすっかり取り除いておくのは基本中の基本。
でないと、パターン上に残った半田が穴を塞ぎ、リードが通らない。
半田吸収線などを使ってほとんど残っていない程度に取り除いておくことが望ましい。
と、こんな基本的なことすら守らずに横着をやった結果、
悲劇は起こった。
LEDを半田付けしている基板の銅箔が剥がれてしまった!
横着をして除去しなかった半田を熱しながらLEDの足を押し込んでいったのだが、こてが外れた時に半田が固まり、無理な力がかかって銅箔が基板から剥がれてちょん切れてしまった。
何とか修復を試みるがくっつかず・・・。
ちょん切れたパターンのすぐ横には小さなチップ抵抗があり、狭い部分なので半田を盛っての修復も困難。
辛うじて接触すると点灯するのだが、少しの衝撃で離れると消えてしまう。
通電使用中に外れてLEDとコンバータが離れてしまえばコンバータが破壊されることい請け合い!
これでは全く信頼性がない。屋外で使用するのは無理と言うもの。
BF-198死亡
(ちーん)
ごめんよごめんよ・・・。
さて・・・
気を落としてばかりいられない。
こうなってしまった以上、ここから先に何らかの手を考えるしかあるまい。
この基板を使うのはあきらめ、この筐体を使って新たな基板を組み込むか・・・?
例えばベークライト版を削ってぴったりの基盤を作り、回路を組み込んで見てはどうだろう・・・。
こんな風に・・・
作ってみてはどうか・・・(想像図)
光源に使うのは日亜の誇る新型LEDの500GS、もしかしたらCR123A(3V)のダイレクトドライブで結構明るいかもしれない!?
下手をするとダイレクトドライブで、もうすでに無加工のBF-198より明るいのではないだろうか?
(想像図)
しかし電池が消耗してゆくに従って明るさはダラ下がりになってゆくはずである・・・。
(想像図)
しかしDD(ダイレクトドライブ)でこれほどの明るさなら、もう何の昇圧回路も必要ないのではないか?
だとすれば2段スイッチを使って抵抗制御でいけるのでは・・・?
例えばLEDのマイナス極側に抵抗をつないで、本体のLO・HI切り替えスイッチを使って直結と抵抗経由との回路にすれば明るさ二段切り替えが容易にできるはずである。
いやまてよ、本体をよく観察すると・・・
なんと2段スイッチがついているのはプラス側ではないか!
やはりコンバータを仕込むことにしてはどうか・・・。
LOモードでは3Vのダイレクトドライブ(直結)、HIモードはコンバータを経由して電池が減っても明るく点灯。
LOモードは電池の減りと共に明るさもダラ下がりになってしまうが、回路を経由しないので故障の心配もなく信頼性が高い。
使うのはサイキット株式会社のコンバータなんかどうだろう?
超小型で非常に優秀だ。
本来ならこのコンバータはLEDが1〜2個用なのだが、少々無理をさせて3LEDつないでしまいましょうか!
(想像図)
たぶんこのコンバータで500GS3灯を3V駆動すると、驚くほど明るくなるに違いない!
(想像図)
よし!これで行こう!
いやまてよ、本体をよく観察すると・・・
このスイッチ、ダイヤル式でLOCK・OFF・LO・HIの4段階になっていて、プラス側から2本の線が出ています。
LOCKはともかく(安全装置?)LOとHIでは普通のスイッチのようにどちらかに導通がくればもう片一方は絶縁されると思いましたが、なんとHIモードの時にはLOとHIの両方の線が生きているようです。
ということはLOでダイレクトドライブ、HIでコンバータを経由という切り替えが効かなくなってしまう。
だめじゃん。
なるほど、このように作業にかかる前によく観察して綿密に計画を立てると無駄な努力をせずに済むといういい見本。
いい見本・・・
というわけで結局事態は振り出しに戻ってしまった。
二段スイッチを生かさなければ、DDでもコンバータ仕込みでもいけるのだが、
この二段スイッチのLOモードがあるからこそ気に入っていたので、そこは何としても生かしたい・・・。
途方にくれて、改めてやってまった(やってしまった)基板を眺める。
電気に詳しい人ならこんな配線朝飯前なんだろうな・・・
光を当てて、銅はくがどのようなパターンになっているのか観察してみた。裏から照らすとパターンが判る。
よく観察することが大事・・・。
ん?もしかして、LEDが直列?
ということはこの小さなチップ抵抗の下を通っているパターンは隣り同士のLEDの足をつないでいるだけか?
だとすればヂャンパーでいけるのでは?
冷静に考えれば3LEDが並列ならば1灯配線が外れても他2灯が点灯するはず。
一つ外れれば消えるということは、それらは直列なのだとすぐに判るはずだが・・・。
テスト配線してみました。
あっさり点灯しました。
リード線でジャンパーすれば、何事もなかったのように治ってしまいました。
途中LEDの極性を間違えたりして、何度も付け外しした結果すっかり松脂が焦げてしまった・・・。
というわけで無事?500GSに換装しました。
LOモードは相変わらず暗く、換装前とあまり変わらない気がします。HIモードは明らかに明るくなりました。
サイキットのコンバータよりも暗いような気がするのが微妙に悔しい気もしますが・・・。