趣味の電気工作
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譜面灯を改造する
夜本番の仕事で、終演後に楽器を車に積み込む際、ちょっとした明かりが欲しい。
車内を明々と照らし出す必要はないが、真っ暗な駐車場だった場合にほんの少しだけ照明があるとありがたい。
車内灯はどうしたと突っ込まれそうだが、かつてオンボロ車に乗っていた経験から、停車中バッテリーに負担をかけるものは極力使わない主義。
ポケットには必ずライトが入っているが、大きな楽器と荷物を出し入れするには両手がふさがっている。
片手で簡単にスイッチ操作が出来て、固定されたライトがあると便利だ。
注意!
本文中に危険を伴う間違った改造が含まれます。チャレンジされる方は必ず最後までご覧ください。
尚、改造はすべて自己責任でお願いします。
今回の餌食はこの譜面灯。
いくつかバリエーションがあり、これは発光部分が2本のもの。
電源は単4乾電池が3本、光源は謎のLEDがそれぞれ1灯、レンズによってムラのない均一な照射パターンになっている。
電池ボックス部分はクリップになっており、譜面台に挟んで固定することが出来る。
少々暗いのと若干色が青いのが気になるが、近距離から譜面を照らすには充分な明るさなのだろう。
このライトの優秀なところは、スイッチが発光部のすぐ上部にあり、2つの発光部を独立して点灯させることが出来る。
今回このライトを生贄に選んだのも、フレキシブルなアームが欲しかったのもあるが、さらにこの手元スイッチが便利だったからである。
実はアームが1本のタイプもある。
アームが2本のほうがパーツが2つ取れてお得だった。
入手するや否や早速破壊工作。
保証期間もへったくれもありません。
この電池部分には電子部品は何一つ使われておらず、昇圧や降圧もなく4.5V直結ということが判る。
ねじ式で順調に分解したが、最後のフレキシブルアームの固定には接着剤が使われていたので仕方なくペンチで破壊。
これによりもう後には引けなくなりました。
あーあ、やってまった。
光源部分の分解。
結構分厚いレンズが使われている。
やはりここに抵抗器が入っていました。
カラーコードでは赤茶黒金なので21Ωの抵抗器がついているようです。
テスターで測ったら27Ωだった。
足がトリッキーな曲げ方だったので何か重要な意図があるのかと思ったら、特に意味はないらしい。
この抵抗器ははずしました。
今回の改造にはオリジナルの電源ボックスは使いません。
基本的に電池3本仕様は好きではないので電池1本仕様に改造します。
手元にスイッチがあると電源部分は露出している必要がなく、発光アーム部分だけが出ていればいい。
電源部分は見えないところに収納が可能になる。
使用状況から長時間照らすわけでもなく、光源も高出力LEDではないので単4電池仕様でもいけそうだが、電池交換の手間が減るのでランタイムの長い単3電池仕様にしました。
お馴染みIN○VAもどき。
砲弾型5mmLED5灯、廉価で単3電池一本でそこそこ明るく、なかなか電池の持ちもよい。
壊れても惜しくないライトとして、過酷な条件で活躍する優秀なライトである。
砲弾型のLEDの効率アップに伴って、改造すれば手元を照らすには充分すぎる明るさを誇る。
左が日亜500csに換装したもの。右がオリジナル。
どうやら世間ではさまざまな名前で売られているようだが、よく見ると微妙に仕様が違う。
べゼルがアルミだったりプラスチックだったり、チェッカリングが違っていたり・・・。
このIN○VAもどきを電池ボックス&コンバータとして使用します。
LED5灯の基盤を外し、アームに配線。
穴の開いたベゼルは基盤を押さえる役目があるためそのまま使用します。
セロテープで止めて仮組み立て。
横にして置いても転がり、バランスが悪く自立するのは困難。
車の中に設置することが前提なのでこれでよしとします。
スイッチはIN○VAもどきのテールスイッチと発光部にあるスイッチとのダブル仕様。
テールを緩めればロックアウトも可能。
まあ使うときには締めっぱなしにしてあるのだが。
見た目もシルバーと黒とでチグハグですが、車内に設置する時にはアームだけ露出するので問題なし。
いくら見えなくなるのでとはいえ、ベゼルがセロテープのままというのはあまりにも悲しいのでパテで加工。
余ったパテで何作ってんだ(子供かよ!)。
ヤスリで削って形を整えた後、真ん中に穴を開けて銀色のスプレーでブジーっと着色。
まずまずのメタリック感になりました。
後は再び配線して、ベゼルを叩き込んで完成!
と、この時、致命的な配線ミスを犯していることには気付かなかった。
電気に詳しい方ならば、この配線がかなり危険なことがお分かりになるはず。
翌日、再び点灯してみると、なんだか光が弱々しい。
あれ?
昨日確かに消したはずなのに、何故か電池が減っている。
テスターで電池を測ると随分と電圧が下がっている。
もしかすると配線ミスでコードが回路に触れて短絡しているのかもしれない。
(まだ気付いていない。)
もう一度回路をチェックして組みなおす。
しかし翌日再び同じ様な現象が起こり、何故か電池が消耗している。
ここでようやく気が付つき、あわてて電池を取り出す。
コンバーターはLEDをつながずに電気を流すと破壊の恐れがある。
典型的なダメポ回路。
最初の設計でのスイッチは、LEDを遮断していたことになる。
これではLEDをつながずに電源を入れた状態であり、非常に危険。
とりあえず何も起こらなくて本当によかった・・・。
というわけで再びすべて分解、配線の見直し。
発光部のスイッチでは電源を遮断するようにしなければならない。
先端まで電源を持ってこなければならないということは、この細い中に4本のリード線を通さなければならないということになる。
あまり細いリード線では抵抗が増えてロスが大きいし、既に2本通っている中にさらに2本も通すのは困難。
スイッチの金具はプラスチックのピンを溶かして固定されていたので無傷で分解組み立てが困難、配線されたリード線はそのまま使うことにした。
さて、あと2本のリード線をどうやって通すか?
既に通っている赤黒のリード線のうち、両端が固定されていない線(黒のリード線)に新たに3本の線を半田付けし、引き抜きながら何とか通しました。
せっかく分解したのだから光源を替えてみました。
日亜の誇る500CS。
5mm玉の中では最も明るかった玉。
500GSの出現によりお役御免になっていたが、個人的には青白い500GSよりも好み。
グラインダーで丸い頭を落としてバフで磨いてあります。
下がオリジナルのLED。
直径はほぼ同じだが、黄色い発光部が少し大きい。
さらに複雑になった配線。
電源の片方の極を先端に送りスイッチを経由、戻ってきてコンバータに接続。
本来の接触部分のバネは絶縁しました。
光源を替えたことによってオリジナルの謎のLEDに比べて明るくなったかは微妙なところだが、500CSの光は若干黄色実を帯びていて視認性がよい。
効率はよいと思われるので恐らくランタイムも伸びたに違いない。
レンズとの位置関係が微妙に違うので照射パターンは少々汚くなりましたが。
アームはもう一本あるので何を作って遊ぼうか・・・。