趣味の電気工作
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ムーンレンズの実験
理想の懐中電灯とはどんなものだろう?
明るいのはもちろんのことだが、明るさが自由自在で電池の消費もコントロール可能、すなわち調光機能が付いていれば申し分ない。
そんなライトは一時代昔には夢のような話だったが、今や調光機能付きのライトも珍しくなくなった。
もう一つ、理想的な機能としてスポット調節。
手元や近場をワイドに照らしたり、スポットにして遠くまで光を届かせたり自由自在だと、一つのライトであらゆるシーンでも活躍する。
スポット調節できるライトなら現に存在するのだが、なかなか強烈なスポットとまんべんなくワイドな配光の両立は難しいとみえ、残念ながらダークスポットができてしまったりします。
マ○ライトのスポット調節。ワイドだと真ん中が暗くなってしまう。
まるで皆既日食。
まるでステージのスポットライトのようにまん丸で均一な光で、さらにその大きさまで自由に変えられるライトはできないものか?
実際のステージ照明の灯体では絞りによってスポットが調節されています。
もともとの光源が500Wとか、充分すぎるほどの明るさを持っているので可能なのでしょう。
NationalのBF-925というライト。CR123A一本の3Vで5mmLED1灯を駆動するライト。
レンズによってスポットな配光になっています。
ヘッドを回すことによってLEDとレンズとの距離が変化して焦点を調節、ワイドからスポットまで可能と言うのだが・・・。
ここが回ります。
ヘッドを最も締めこんだ状態から少しづつ緩めてゆきます(LEDとレンズの距離が遠くなってゆきます)。
最初はぼやーっと、やがて焦点が合ってまん丸のパターンになりました。
いわゆるムーンレンズ仕様というやつ。
照射範囲が狭すぎて使いづらいと言う意見が多いが、個人的には結構気に入ったパターン。
さらに緩めると・・・
なんか汚い・・・。LED表面の汚れがくっきり。
さらに緩めると全体がぼやけて少しだけワイドになりました。
ワイド・・・?
これをワイドと言うか?
た、確かに焦点調節は可能ですが、期待していたほどの変化は見られず残念。
正直期待していませんでした。(レンズの実験用に買いました)・・・。
無加工のBF-925 ではヘッドを完全に締めこんだ状態でも、レンズとLEDの間にはある程度の距離があります。
焦点調節はそこから徐々にヘッドを緩めて調節してゆく仕組みです。
では逆にもっとレンズとLEDを近づけたらどうなるか?
BF-925のヘッドとミニマグ(もどき)を使って実験してみます。
ソケットにLEDをぶっ差しました。
ここにBF-925のヘッドをかぶせて(ユルユルなので手で持ちながら)焦点調節の実験をしてみます。
焦点が合った状態からLEDを徐々にレンズに近づけてゆくと・・・。
→
→
う〜ん・・・ダメじゃん。
電極にワイヤーが映し出され、照射パターンは大して変わらす。
光学系に詳しくないのでよく判りませんが、レンズに近くなるということはレンズの効果が薄れてゆくということ。
5mm砲弾型はLED自体がレンズになっていてすでに集光されているので、それ以上ワイドになるはずはない。
冷静に考えれば判ることだが、実際にやってみてあらため理解しました・・・。
次に砲弾型の頭を落としたLEDで試してみます。
頭を落とすとレンズ効果がなくなり指向角は広く、光源がほぼ点になります。
まず、焦点が合った状態。光源が小さいので本来の5mmLEDと比べ物にならないほど強烈なスポットになります。
およそ1mの距離から壁に照射するとスポットは5cmくらいになります。
ワイヤーがはっきり映し出されるので美しくないですが。
レンズに近づけるにつれてスポットはみるみる広がり、やがてレンズと接触する頃にはレンズの効果がなくなるほどの超ワイドになります。
短いストロークで大きく変化します。
まあ当然と言えば当然か・・・。
ということは、点発光の明るいLEDを使えば、均一でまん丸パターンの超スポット〜超ワイド可変スポットライトが可能ということになります。
しかし今現在そのようなライトはあまり製品化されていないところを見ると、実現したとしても暗かったり使いづらかったりなのかもしれない。
実験でも残念なことにあんまり明るくありませんでした。
さらに光の色が悪く、スポットの周りが薄っすらと黄色く縁どりされて見えます。
しかしフラットで丸い光が自在に大きさを変えられるとなったら、明るいとか暗いとか以前に楽しいライトになりそうだ・・・。
FENIXのL0Pのヘッドを外して実験してみました。LuxeonT搭載、5mm玉に比べ遥かに明るい。
確かに明るいがスポットが四角〜!
発光体が点に近く、なおかつ強烈に明るいLEDが開発されれば、実用的なライトが実現できそうな予感がする。
5mmLEDも500GSの出現で、近い将来可能になるような予感・・・。