趣味の電気工作

怪しげな改造、改良と称しての破壊など、気まぐれに電気工作で遊ぶページ

マウスの修理

嫁が使っているコンピューターのマウスが壊れたのこと。


そんなに高価ものでもないし買えば済むのだが、もし直るのならば捨てるのももったいない。



なんと今時コロマウス!

実は我が家のパソコンを使うテーブルが艶出し塗装の為、家にあるマウスはすべて未だにボール式。
たびたび毛やごみが挟まって空回りするが、そのたびに掃除をしたりして愛用している。



所詮機械オンチの嫁の言うこと、どうせボール部分にゴミなんぞ詰まって動かなくなっているのだろう。
ちょっと掃除をすればすぐに何事もなかったように復活するに違いない。



と思ったら、真ん中のホイールが全く効かなくなってしまったようだ。







世の中の故障には大きく分けて2種類ある。(←いつもの勝手分類)



一つは物理故障
パーツが折れていたり、ばねが外れていたり、その故障を取り除いたり直すことによって復活する。
汚れが溜まっていて動きが悪くなっていたり半田が外れているのは物理故障に分類する。


もう一つは電子故障
回路の中の細かい部品のどれかが、熱や疲労により正常に働かなくなっている。
正確には電子パーツの内部で物理故障が起こっているに過ぎないのだが、パーツが封印されていたり小さすぎて一度分解したら組み立てが困難だったり、外から一見しただけではどこが故障か全くわからない場合を指す。
正直この手の故障は難しい。



分解組み立てが可能なもので故障箇所が特定でき、破損したパーツの修復もしくは交換が出来れば直すことが可能である。

(この分類はしぶーの自身が脳内で行っているもので、分類、用語が正しい保障は何一つありません。ちょっと調べてみたら他に論理故障という言葉もあった。)




 電気機器を修理に出すと、想像以上の修理代をとられることが多い。例えば部品代210円(税込み)技術料9800円(税別)などとは珍しいことでもない。部品自体はたいした価格ではないが、人件費(技術料)が高いのだ。まともに修理を依頼すると買ったほうが安い場合も多い。

 また、一見しただけでは判らない電子機器は故障箇所を特定するのは困難らしく、すべての回路をチェックするので膨大な手間がかかるらしい。よって故障箇所を特定して見積もり金額を出すだけでも「見積り料」をとられる場合も多い。技術料と言うよりも手間賃、つまり作業にかかった時間が最も高価なのだ。


 昔学生時代、ある店でバイトをしていた時、そこの店のレジが壊れてメーカーのリペアマンを呼んだことがある。
 トラブル的にはレシートを印字する部分のあるパーツの一部が動かなくなったのだが、見たところバネが外れていてそれが何かが引っかかっていると思われ、分解して清掃して正しく組みなおせば元通り動くような簡単な故障と思われた。(原因はそこまでは判ったが、さすがに無理に分解して壊すといけないので修理を依頼した)

 やってきたメーカーのリペアマンは店レジのふたを開けると印字機能のユニットごと交換し、修理はあっという間に終わった。

 分解して組みなおせば部品を替えずとも直るのではないか?と聞いてみたら、「現地で時間をかけて分解して原因を特定するよりも確実に直る上、効率がよい」のだそうだ。中の細かい故障の原因は会社に持ち帰ってから追求すればいい、という仕組み。

 なるほど、パーツ代よりも技術料よりも人件費(時間当たり)が最も高いと言うのも頷ける。





マウスの故障など、通常の感覚から言えば修理するよりも買ったほうが安い。
技術のあるなしは別として、その人件費が自分でまかなえればいいのだ。

どうせ直らなければあきらめて買うわけで、だめで元々という感覚で分解修理に挑みます。


注意!

正規の取り扱い説明外の分解修理メンテナンスは、メーカーの保障が受けられなくなるばかりでなく、場合によっては高電圧や有害物質やけがなどの危険が伴うこともあります。
作業はすべて自己責任で行います。




分解は慎重に行います。

ねじの上に張っているすべりをよくするシール。
実はこのようなさもないパーツの有無が使いやすさのカギを握っていたりする。

隙間に細いドライバーを差込みながら、はめ込みの爪の向きを確かめ予測つつこじ開けてゆく。
最近の電子機器は分解することを想定していない場合があり難しい。



パカンと開きました。


先に玉はずせよ。

こーゆーメカというのは何故かかっこいい。
抵抗だのダイオードだのコンデンサーだの、アリンコみたいなパーツか並んでいて訳わからんがそれがまたそそる。



うわっ
きったねぇの!

長年積もった埃がグリスと混ざってプチえらいことに・・・。



ホイールが効かないということは、回転を感知するセンサー部分の故障なのか、回転の伝達系が故障なのか?

はたまた、汚れや埃などによる接触不良が原因か?
ホイールがまったく効かなくなっているので少なくとも接点の清掃だけでは直りそうもない。




どうもホイールの軸が折れているようです。

落としたのか、猛烈な圧力でホイールクリックをしたのか?
原因は定かではないがとりあえずこれを接着しなければ直りません。



ホイールの軸は直径1mmほどの細さで、センサーに回転を伝えるため断面が6角形になっている。
材料はプラスチックだが、プラスチックにも種類がある。しかしこの場合不明。
モノによっては接着困難。



手元が暗いので作業灯を用意しました。

接着には瞬間接着剤。
ダメモトでチャレンジ。
要は折れてない状態よりも強度が保てればいいわけなので・・・。



何とかくっついたようです。



せっかく分解したので組み立てる前にお掃除。

隙間から入り込んだ埃のはずだが、予想以上に多い。
静電気とかの関係で呼びやすいのだろうか?

埃というものは電気の傘の中のような、どこから入るのか?という所まで積もっている。



玉コロのセンサーは赤外線か紫外線?を歯車で遮る方式のようです。
ここも汚れやすいので掃除して復元。



無事に組みました。

軸につけた接着剤によってホイールのセンターが微妙にズレたので少しだけ回転が重くなりましたがまだまだ充分使えます。

接着した軸はまた折れるかもしれませんが、その時は本当にあきらめましょうか。
ゴミ箱ではなくパーツぶん取り用ジャンクBOX行きになります。




世の中エコロジーという言葉があちこちで見受けられるが、個人的には嫌いである。
例えばこの製品を使うことによって森林の何パーセントが守られるとか、どの位CO2が削減されるとか、あまりに壮大すぎて実感が沸かない。


それよりも、直せばまだ使えるものは使う。


ただそれだけのこと。


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