趣味の木工

趣味と実益を兼ねた木工作業の数々

電気スタンドを自作する〜木製筐体の製作


 デスクライト単3電池2本化計画で改造したデスクライトが、明るさやランタイムの面でやや不満な所があり、ボディからすべて自作することにしました。
 内部の回路は当然電気工作の部類ですが、外側ボディは木製にすることにしました。


 電気スタンドとなると、懐中電灯ほどの小型化の必要がない。逆にあまりに小型だったり軽かったりすると置いて使うのに安定性が悪く、大きくて重くてもいいという条件なので設計に余裕があってデザインも余裕を持って考えることが出来ます。
 個人的にはシンプルなのがベストという考え方なので、作りやすさなどを考慮して出来るだけシンプルにしてみました。





 材木を仕入れてきました。最初の計画では重量のある黒檀か紫檀で製作する予定だったが、重い分だけ値段も重かったのでパドックという木にしました。レンガ色で硬い割には軽量で加工がたやすく、叩くとカンカンとよく響き、シロフォン(木琴)の音盤にも使われる木。最終的にはステインで濃い茶色に染めてしまう予定なのでこれでよしとしました。
 銘木売り場コーナーを色々探してみて、黒檀、紫檀が高い割りに質が悪く、縞黒檀の白い部分が多くて染める必要があったというのも理由の一つ。良質の黒檀が減っていると言う事実も実感しました。



 図面にしたがってけがきをして、のこぎりその他で切断します。
しかし作業が出来るのがほぼ夜中、あまり大きな音を立てては近所迷惑です。




  

楽器部屋(アビテックスというやつ)内で作業しました。この中なら24時間楽器の音出しもOKなので外にほとんど音が漏れません。




材料を切りました。

作業したおがくずは例のこだわりの品々のマ○タの掃除機でお掃除。便利だ。

再び台所に戻ります。




 

のこぎりで切った部分は(私の腕では)不正確なのでやすりで微調整をします。




特に箱型のものを組み立てる場合、はみ出た部分は後から削ればいいとして、間にはさまれる板の寸法が不正確だと全体の形がいびつになってしまいます。
ここは全日本まっすぐ選手権、特に念入りに合わせます。




やすり、カンナ、ナイフで大まかな形を整えてゆきます。





極めて原始的な接着風景。クランプを引っ張り出すのが面倒だったので洗濯バサミで代用。




  

土台の部分と支柱の部分が大まかにできました。外側のはみ出た所はあとから削るのでお構いなし。






とりあえず眺め実習





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光源部分を組み立てました。



隙間が開いていますが失敗ではありません。光源のダイオードがかなり熱を持つことを考えて冷却のために開けてあります。

実はこの光源の部分はどのような形にしようか非常に迷いました。
土台部分は電池や配線の関係からあまり変更の余地はありませんでしたが、このヘッドの部分はデザイン的に工夫のしがいがある所。

組んでみて四角的土台に対して「丸にすればよかったかな?」とも脳裏をよぎりましたが、とりあえずヘッドだけ後からいくらでも付け替え可能なようにして、まずはこの四角いデザインで作ってみましょう。



カンナで大まかな面取りをします。最終的にはなだらかな丸にしますがその前に一度きちんと角を落としておきます。
弦楽器の弓に棹の断面が丸のものと八角のものがありますが、丸い弓も一旦面取りをして八角にしてから丸にするそうです。


カンナ、やすり、ノミ、ナイフ、あらゆる手段を使って角を落とします。台所が赤いおがくずだらけに。





支柱の接合は強度を持たせるために「ほぞ」にしました。まっすぐ隙間なく接合できるようにやすりで慎重に微調整。

 




ひとまず眺め実習。





完成イメージ図



土台部分の角をさらに落として丸みを出します。

使う道具は木工やすり一本。悲しいくらい原始的な手作業で行います。


流しにレンガ色のおがくずが積もります。
あとでよく見たら換気扇までうっすらとオレンジ色に染まっていました。


支柱部分も角を落としてゆきます。上部は全日本まん丸選手権です。

 




いよいよ内部のレイアウトを実際に組み込む準備をします。

電池ボックス、基盤を固定するための土台を並べてみます。
土台は固定のためのねじを打つためと高さを合わせるため、
さらに配線のための隙間をあけておきます。

 



メインスイッチは中の配線と干渉しない部分を選んで土台のほぼ中央にしました。
位置が確定したら下穴を開けたのちリーマーで穿ちます。



ところでこのヘッド部分、実際に組み立ててみて妙に厚さがあって不恰好に見える。

もう少し薄型にしてみてはどうか?



だめもとでちょん切ってみます。



薄型になるとデザイン的にましになった気がします。

角を落としてみるとそれなりにスタイリッシュ(用例あっているのか?)になったようなならないような・・・。



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ヒートシンクの製作

 光源にはLuxeonVという発光ダイオードを使います。このダイオードはかなり発熱するので、熱伝導のよい金属板に貼り付けて使用しないと、自らの熱で壊れてしまいます。ましてや電気スタンドとなると長時間の点灯が想定されるので充分な放熱対策が必要です。

 ボディが金属製ならば、そのボディに接触させて熱を逃がすという手もありますが、木製なので無理、ヘッドの部分にわざと隙間を多くして密閉せず、空気を循環させて冷やす空冷式にしました。




 放熱板にはアルミニウム板を使います。厚さは3mm。これでも充分な放熱には少々不安が残る。そのくらい発熱が凄い光源を使います。

 

不用意に他の部分を傷をつけないようにガードテープを貼った後、慎重に少しずつ切れ目を入れてゆきます。

 純度の高いアルミニウムなので比較的柔らかく、手作業でも切れなくもない。やすり、鉄ノコ、念力、あらゆる手段を駆使して溝を深くしてゆきます。

 柔らかい金属とはいえ、やはり金属。木のように簡単には切れない。鉄ノコやすりの一引きが滑るのでうっかりしていると素材の上をすべって他の所を傷つかせかねない。鉄ノコの正しい使い方は本来引き切りではなく押し切り。万力があれば固定して押し切りしたいところだが・・・。




大事なのは道具ではない、根性である!

(負け惜しみ)


真剣に格闘することおよそ45分

本当に45分間、汗だくになって切り続けていました。

サッカーなら前半が終わる頃、
ボクシングなら間もなく最終12ラウンド、
第九交響曲なら4楽章のそろそろバリトンのソリストが立ち上がろうとする頃、
カップめんなら15個(意味不明)。


人生もっと大事なことがあるような気がした。



ようやく切れました。

横も分断。鉄ノコの歯を直持ちで切りました。



流しを粉だらけにしてやすりで形を整えます。木工やすりで簡単に削れます。

 



穴を開けるのは、うちにある唯一の電動工具インパクトドライバーをドリルにして開けました。
さすがに文明の利器、早いし正確だし穴もきれいだ・・・。



スイッチ等、電気パーツを取り付けるベークライト板を切ります。

直線なら一工程で簡単だったが、凸型なので少々手間取りました。

内部のレイアウトが決まったら土台を固定します。

ちょうど時を同じくして、先端が固まった瞬間接着剤(開けるためには先端部分をちょん切る必要があった。この先長くの保存は難しい状態。)があったので盛大に使ってしまいましょう!

内側から接着の補強も兼ねて豪勢に染み込ませていきます。


ちょっと見てくれがよろしくありませんが、この上から電池ボックスが固定されて見えなくなるのでよしとしましょう。


パドックは加工が易しい反面欠けやすいので、調子に乗って作業を進めると縁の部分を欠いてしまうことがあります。
瞬間接着剤で補強、修復しつつ作業を進めます。

 



ボディの形はほぼ完成しました。



アーム部分を仮付けして眺め実習
まだ接着されていないので引っ張ると外れます。


なんでわざわざ台所なんだ?



全体の形、細かい所をやすりで最終調整、サンドペーパーで磨きをかけます。



ステインで着色しました。




着色すると艶が出て見事な擬似紫檀になりました。
あまりに出来がよかったので「ジャーマン・ローズ」とでも名付けようか・・・。


高級家具のような色合い。



外に出てラッカーを吹きました。

一日置いて2回、下地はステインの色だけだったので、艶出しラッカーを少し厚めに重ね吹きしました。

ちょっと安っぽい艶ですが、とりあえずOK(しばらく使ってみて艶消しにしたかったら後で艶消しを上から吹こう)。



これにてボディの部、完成しました!


いよいよ中の配線が組まれて、電気スタンドになります!


続き→電気スタンドを自作する


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