趣味の木工

趣味と実益を兼ねた木工作業の数々

木製テーブルの塗装

いつも使っている台所のテーブルが随分と痛んでまいりました。

 

台所のテーブルといっても、飯のとき以外もそこでパソコンを見たり、何らかの作業をしたりと、基本的にそこにいるのでどうしても手のあたる場所や物を置いて傷がつくなどして塗装がはげてゆく。
マウスの場所もすっかりハゲちゃびん。

一度塗膜が浮き上がると、その隙間に水分や汚れが入り込んで剥離が広がっている。


以前にこのテーブルを塗装したのがおよそ10年前。
思えば10年間よく持ったものだ。



テーブルとしての機能は全く問題なく見た目だけなのだが、せっかくなのでこのくそ忙しい時期に修復してしまおうと思った。





わざわざ何故この忙しい時期なのか?



塗装は塗ってから乾燥の時間がかかる。
なので朝塗って仕事に行き、昼間の留守の時間に乾かし、帰ってきて夜塗って寝ている間に乾かし、を繰り返すためである。







さて、テーブルとして使っている以上、毎日の生活の場でもあるので、この場所が使えなくなるのは困る。
したがってキャンプ用の折りたたみテーブルをすぐ横に設置、暫くはこの場所を新しいステーションとして活用することにしました。

っていうか、キャンプ用のテーブルの方がでかいし。





テーブルの上をかたして(片付けるの方言)、縁の金属部分にはマスキングを施しいよいよ作業準備OK!

タバコの焦げ跡があるのは、こいつがかつて喫茶店のテーブルだった頃の名残。




塗装するには一度古い塗膜を取り除く必要がある。

このまま上から重ね塗りしても、最初の塗膜の下にスキマが出来ている以上効果が少ない。
上手く浸透させたとしても、結局は仕上がりの表面がでこぼこになってしまう。

剥離剤のような溶剤を使って溶かす方法もあるが、台所ゆえにあまり強力な溶剤は使用したくない。
留守番中のインコがヨイヨイになってしまっても困る。


地道な作業だが、サンドペーパーで少しずつ削ってゆくとしようか。









角材にコルクを貼ってきれいに仕上げたお手製サンディングブロックが、ちょっと見ないうちに悲惨な状況になっていた。

何故にコルクがボロボロ!?


台所の片隅に放置しておいたのが原因だが、家の中の怪現象は大抵この人の犯行である。


足をご賞味中のこの人





ペーパーの目詰まり防止のため耐水ペーパーで水をかけながら作業したところ・・・

塗装の膜はなかなか削れていかない。


木のような削りやすい材料ならば作業が楽だが、それでも結構な労力を要する。
たとえば表面にキズ(溝)がありその傷を消すためにサンドペーパーを使うとする。
大地に地割れがあるような状態で、傷がわからなくなるには地割れの底の深さまで地表を削らなければならず、大変な作業だ。


10分くらいゴシゴシやってようやくこのくらい。

テーブル全面を削るにはいったいどのくらい時間がかかるのだろうか?



以前の塗膜は結構な厚さの層になっていると見え、爪で丹念にこすればめくれることが判明。



結局スクレーパーで削るようにめくることに。

お好み焼き屋の鉄板掃除の感覚。


一通り塗膜がめくれたら全体を耐水ペーパーで磨き、塗装が乗りやすいように表面を荒らします。




表面を水拭きして汚れを落とし、よく乾燥させたらいよいよ塗装開始。

今回も前回と同じ、油性の塗料を使いました。
薄めるのも刷毛を洗うのも灯油なので楽です。



塗装は「薄く塗る→何度も重ねて塗る」が美しく仕上げる基本。

乾燥の遅い塗料を薄く塗り、時間をかけて乾かし、表面を磨いて再び薄く塗る。
それを数回繰り返すと深みのある艶と色合いが出てくる。


ラッカー塗料のようなシンナー系塗料は乾燥が速く、重ね塗りもしやすいが刷毛で塗るには難しい。
ラッカー系はスプレーで霧状に吹き付けるのに適している。




今回の油性塗料は乾燥が遅く、完全に乾くにはほぼ一昼夜かかる。
そして重ね塗りするにも最低半日は乾かす必要がある。

そのかわり刷毛で塗られた塗料がゆっくりと広がるため、濡れたような美しい光沢に仕上がる。


その間はホコリの無い場所で静かに乾燥させておく必要があるが、我が家は上空に粉を撒き散らしながら爆撃機が往復するので多少のよごれはあきらめた。




一度塗りの状態。
素晴らしい艶である。

今回は強固な塗膜にするために、やや粘度の高い状態で(塗料をあまり薄めずに)塗りました。
油性塗料は「飴のような」艶に仕上がります。



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一晩置くと乾燥して塗料が痩せるので、テーブル表面の微妙な凸凹やキズが浮かび上がってくる。

 

このまま完全に乾かしてから表面を600番くらいの耐水ペーパーで磨いて細かい凸凹を均して繰り返し塗装を繰り返すと鏡のような平面に仕上がるが、面倒なので磨きをせずにそのまま塗装続行。



刷毛で塗装した直後、乾燥する前に毛やゴミなどを取り除く。
油ニスの乾燥が遅いのでこの作業はゆっくりでも問題ない。
今回塗料の粘度が高かったせいか安物の刷毛を使ったせいか、やけに毛が多く抜けてくる。

 

一緒に塗りこめてしまった毛やゴミは、塗料が薄くて粘度が低いと乾燥したときに浮き上がってくるが、塗料が濃くて粘度が高いと中に取り込まれてしまう。
濃い塗料を塗った時には、ここでしっかりと取り除きたい。




今回は一回の塗装をちょっと厚めに、合計3回重ね塗りをしました。
一回の乾燥にはおよそ12時間、完全に乾いていはいませんが前の塗装としっかり癒着してくれるだろうと思い、見た目重視ではなく強度重視で仕上げました。

よく見れば細かい凸凹もかなり残っていますがこれで良し。
また十数年後に塗装しなおします。


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