お千代保稲荷神社に参る
岐阜県の海津市というところに、京都の伏見稲荷、豊川稲荷と並んで日本3大稲荷神社のひとつ、千代保稲荷神社がある。
このへん
(画像はYahoo地図より引用)
この3大稲荷に関してはさまざまな意見がある。
京都の伏見稲荷大社は間違いないとして、その他は自称他称様々だ。
とはいえこれといって決まりもなく、該当するしないで違いもないということだ。
この千代保稲荷も薄々は違うと感じていながら、「まあそういうことにしておけ」というふいんきは感じられる。
万物に神が宿る国、日本。
神社といえば大きく分類すると「大社」「八幡」「神宮」「天満宮」そして「稲荷」
日本全国どこにでも神社が、ありとあらゆる神様が祭られている。
普段は信仰など無縁のような日本人だが、大きな願い事がある時や年末年始には神社を詣でる。
お店や会社にはさりげなく神棚が祭ってある。
この千代保稲荷神社は商売の神様ということもあり、縁起担ぎを大切にする中部地方の人々はよく訪れる。
そしておちょぼさんと呼ばれ、とても親しまれているのだ。
岐阜羽島インターから農免道路を南下すること15分ほど。
見渡す限りの田園地帯をひた走る。
午前中まで快晴だったが微妙に雲広がるチンダルな昼下がり。
大きな橋を渡ってしばらく行くと、わりとすぐにたどり着く。
たしか参道の入り口に赤い大きな鳥居が立っているはずなのですぐに判るはずだが・・・。
ありゃま、真横からなので鳥居に見えーせんがな。
有料(300円)の駐車場に車を止め、いざ参るか。
ここからおよそ700mある歩行者天国の参道には両側に魅力的なお店が立ちならぶ。
果物屋、乾物屋、みやげ物屋、漬物屋、衣料品店・・・。
次々とやってくる大きな試練。
多大な誘惑を振り切って進むには鉄の意志が必要だ。
先に参拝を済まさないと、いつたどり着けるかという保証もない。
江の島の時もそうだったが、とにかく先に見るべきものを見ていかないと。
本当かどうか判らないが、あとで聞いた噂によるとこの参道でどれだけ散財したかで信仰心を表すのだとか。
なかなか上手い商売を考えたものだ。
この千代保稲荷、毎月末から翌月1日の明け方まで「月並祭」というオールナイト縁日になり大変な賑わいを見せるらしい。
商売繁盛、縁結び、合格祈願、宝くじが当たるパワースポットなどと言われ、年間250万人の参拝客が訪れる。
訪れたこの日は平日だったが、それでもそこそこの参拝客がいた。
誘惑になびく嫁を尻目に、ただひたすら千代保稲荷神社を目指す。
南側の参道からアプローチすると左手に見えてくる千代保稲荷神社。
正直、もっと大きな神社を想像していたが、その小ぢんまりさに驚く。
入り口付近でお供えの揚げとろうそくを50円で買う。
さすがに油がすごい。
なかなか油ギッシュな神様だ。
お狐様はしっかりとガードされていました。
奥の社務所の前にはお供えの揚げのおさがりが無料で配られている。
千代保稲荷のすぐ裏にある神明神社。
人の多い千代保稲荷とは対照的、打って変わって静かな神社。
個人的にはこの寂れ感が好きだったりする。
たまたま人がいなかっただけのようで、名刺が挟まっている所を見るとここも同じようにお参りされるようだ。
さてお参りも済んだのでお楽しみタイムと行きますか。
とにかくここは串カツが有名。
通りに面した出店のようなスタイルの串カツ屋があっちこっちにある。
串カツ屋には必ずどて煮(豚モツの赤味噌煮)の鍋がセットになっている。
料金は後払い制。
ひょいと手を伸ばしどて煮のなべにどぼんと漬けて食する。
串カツは大阪がメッカらしいのだが、このどて煮とセットになった味噌カツスタイルは中部地区独特といえる。
もちろんソースもある。
ソースも味噌も二度付け禁止。
最後に串を数えてお金を払う。
とても気軽でよいのだが、まー1本まー1本(もう1本の名古屋弁)とついつい手が伸びてしまう。
でらうみゃーでかんわ。
(訳:大変美味しいのでいけませんねぇ)
「かんわ」は名古屋弁で「いかんわ(いけませんね)と実によく聞く言葉だが一体なにがいけないのか?
若者言葉の「マジやばくね?」のようなものか?
どて煮もうみゃーでかんわ。
甘い味噌がたまらん。
空腹時なら10本くらいあっという間だ。
店の中には椅子もテーブルもあるので、ゆっくりと腰を据えて食することも可能だ。
しかしここに来たらこのスタンドバー式串カツは楽しんでおかねば・・・。
もちろんほかにも料理屋さんは多い。
あちこちの料理屋の軒先に見かける見本のなかでひときわ目を引くものはナマズ料理のようだ。
確か味はウナギの蒲焼に似ているんだっけ?
訪れたこの日は平日の夕方、15時半を回るといろいろな店は片付けに入ってしまう。
あちこち食べ歩きは早い時間に来るほうがいい。
さて、ゴットしてきたおさがりの揚げ。
一袋に結構な量が入っている。
御利益もありそうなので早速いただくとしようか。
というわけで、当分揚げ料理三昧になります。
(2018.11.30)