おせん淵をさがす
曽木公園を訪れ、幻の日暮し乃瀧をさがし、さらに気になる場が・・・。
「おせん淵」
おせん・・・。
恐らく昔話によくあるような女の人の名前か。
おせんと名のつくものは全国にある。
この曽木町以外にも同名の「おせん淵」はある。
おせんが淵
お仙が淵
おせんさ淵
おせんころがし
などなどなどなど。
どうもおせんさん、昔からろくな目にあってないようだ。
おせんの昔話数多くあれど、この曽木町のおせん淵の情報は驚くほど見つからない。
場所がどこなのかも、やはりこの地図だけが頼りだ。
曽木町史跡観光案内パンフレット発行先
曽木まちづくり協会
(パンフレットへのリンクあり)
日暮し乃瀧を上流へ、鶏のトサカのように曲がりくねった川がぐいっと曲がるあたり(流れは逆だが)か。
画像はYahoo地図より引用
通ずる道は恐らく東側の林道が最も近くをかすめている。
というわけでやってまいりました。
林道入り口です。
このくそ暑い中、長袖長ズボンなのは場合にっては藪漕ぎするかもしれないので虫対策。
犬の散歩をしている人(恐らくこのあたりに住む人なのだろう)に遠くからものすごく怪訝そうな顔で見られた。
林道を奥へと進んでいきます。
どうやら一般車は進入禁止のようだ。
今日は曇りとあって、森の中は暗い。
人気のない産廃チックな森は微妙に不気味だ。
しばらく行くとゲートが出てきた。
迷い込んだり無理やり突破してきた車両もここで完全にシャットアウト。
車両は通行禁止。
かち(徒歩)ならよかよね?
動植物や鉱物も採取しません。
ちょっと川を拝むだけでい。
もちろん何があっても自己責任です。
森はさらに深くなる。
川は道のすぐ横を流れている。
少しづつではあるが道は標高を上げ、奥へ進むほど水面から離れてゆく。
違和感があるといえば、山の奥へ進むのと同じ方向へ水が流れているということだ。
淵といえば水の淀んで深くなった場所。
(パンフレットの図では何故か川の中ではなく脇に印があるのがちょっと気になるが。)
地形から予測するに2タイプ。
ひとつは滝などの急流によって深くなった場所。
いわゆる滝つば。
もうひとつは流れがカーブしていたり天然のダムによって湖状になった場所。
おせん淵と思われる場所の拡大。
画像はGoogleマップより引用
北が下流になる。
画像はGoogleマップより引用
流れが北向きに変わってから等高線をまたいでいることから、この先は少し急流ではないか。
やはりこの川が90度カーブしているあたりが最も怪しい。
林道ではもっとも近いのがこの地点か。
ここから先、林道は右方向へカーブして川から離れていってしまう。
そしてその道沿いに奥から流れる川があり、今までの流れと合流して道から離れてゆく。
道から川を覗きこむと「ザー」とは音がするが、川が深くなっている様子はない。
この地点を境に左右から水が流れ、合流したあと道から離れるように流れてゆく。
右から来る川は地図にはなく、恐らく雨上がり時のみの川だろう。
道から水面までは多少高さがあり、簡単に下るのは困難、対岸へ渡る道らしきものも見当たらない。
おせん淵へ続く道は見つからず。
この先森が開け川が淀む場所があるようには見えない。
川には砂防ダムなどの治水の形跡は見つからないことから、昔と流れが変わってしまったということもなさそうである。
さて、もうひとつの可能性ルート。
画像はYahoo地図より引用
念のためこちらの林道もたどってみることにしましょうか。
ううむむむ・・・
道はどんどん標高を上げてゆく。
ヘヤピンカーブで標高も上がり、随分と川から離れてしまった。
これは違うな。
幻の日暮し乃瀧の上部でも拝めると思ったが、川から離れていて見えなかった。
念のためバーパソに寄ったついでに、地元の幾人かにパンフレットを見せて聞いてみたが、誰もがその存在すら知らないようだった。
ネットで土岐市の昔話を少し探してみたが、それらしき話は見つけられず。
しかし地図を作成した人がわざわざ描いたということは、それなりに知名度のある場所なのだろう。
おせん淵
知る人ぞ知る郷土史の中に名前だけは出てくる、恐らく古くから伝説の淵があった。
昔はたどり着くことが出来たが、いつしか人々に忘れられ、植林などにより見る影もなくなってしまった。
(推測)
そんな淵の名残のような沼が、今もひっそりと森の中に眠っているのかもしれない。
そうだ、航空写真。
画像はGoogleマップより引用
画像はGoogleマップより引用
だっはっはっ!
見事に森。
こらあかんわ。
(2017.7.3)