庄内緑地公園
名古屋市は庄内川のほとり、西区山田町上小田井にある庄内緑地公園にやってまいりました。
地下鉄鶴舞線、庄内緑地公園駅下車出口を出てすぐ。
かつて鶴舞線はこの先の上小田井まで延びておらず、終点がこの庄内緑地公園駅だった。
その記憶がある世代には、何となく果てにある公園といったイメージが残る。
1986年に「水と緑と太陽」をテーマに開園された面積約44haという広大な緑地公園。
約44haといってもピンと来ない。
バチカン市国とほぼ同じ、東京ドーム8個分、畳で言うと266640畳、琵琶湖の1523分の1の面積。
園内にはこの公園の名物ともいえる?大噴水がある。
下が池ではなくドーム状の地面から断続的に噴出す仕組み。
立ち入り禁止かも知れないが余裕で入ることが出来る。
夏ともなれば水遊びに興じる子供たちや犬が多く見受けられる。
広大な芝生広場、色とりどりの花が咲くバラ園。
教訓、
植物には季節がある。
広いグラウンド(有料施設)もあり地元の部活だろうか、ホッケーの練習をする若者達が多数いた。
その他ゲートボール場、バーベキューの出来る広場、ボート池、温室、室内運動場など様々な施設がある総合公園となっている。
鬱蒼と茂る野鳥の森。
平日の昼間には人もまばらな静かな公園。
カラスが悠然とたむろしているあたりが都市部の公園らしい風景だ。
庄内川沿いの堤防まで来ました。
川の向こうには名古屋の中心地が見えます。
この堤防上は車も通らないのでのんびりと散策できます。
さらに先に行くと長さ200mにわたって堤防がコンクリートで固められた不自然な場所がある。
数メートル低くなった堤防、なにやらハイテクじみた怪しげな塔と、向こうには大きな水門。
なんだここは?
庄内緑地公園、またの名を小田井遊水地。
小田井(おたい)というのはこのあたりの地名。
名古屋の周りの河川を見てみると、外側をぐるっと囲むように大きな庄内川が流れる。
そして下(南)側からやや小さな矢田川が合流する
画像はYahoo地図より引用
画像のほぼ中央下にあるのが名古屋城、昔はこの街の中心だった。
大雨の時、二つの河川の合流により水かさが増し、甚大な被害が起こる可能性がある。
そこで城の外側に水を溢れさせ、被害を最小限に食い止めるという仕組みが作られた。
下部の丸は名古屋城、上部左の丸が庄内緑地公園、別名小田井遊水地である。
もうひとつ、中央上部の丸は洗堰緑地、これは後述。
ちなみに過去に行った地蔵川と八田川の立体交差はココ。
小田井遊水地で画像検索するとそれはそれは恐ろしい画像がヒットする。
(ライブカメラの映像)
あの立っていた堤防を見事に越流している。
きちんと機能しているということか。
この画像は国土交通省中部地方整備局庄内川河川事務所のライブカメラ映像。
小田井水門。
ゲートの高さは8mあるそうです。
この塔の上にライブカメラがある。
(下流方向を向いていて越流が見られない時もある)
池の向こうの堤防が低くなっているのが判る。
あそこを乗り越えて水が入ってくると、おそらく写真を撮っているこの場所も水没することだろう。
大水時にはあの水門が閉じられ、堤防から溢れた水を貯め置いて、水位が下がったら水門を開けて庄内川に戻す。
公園内にはこんな看板があちこちに立っている。
っつうかこの看板、BB弾で狙われまくってボコボコだがね。
しかも穴まであいてるし。
夜中に人気のない公園などの看板にはよく1cmくらいの穴があいている。
(実弾だろうなぁ)
もうひとつ洪水を防ぐ仕組みは洗堰緑地。
合流して増した水を溢れさせ、北側にある新川に逃がす壮大な仕組みだ。
ここにもライブカメラが設置されている。
平常時の様子
(ライブカメラの映像)
2016年9月20日深夜、台風16号と秋雨前線の影響で大雨となり増水した庄内川は洗堰を越えた。
(ライブカメラの映像)
その数時間後、雨足も弱まり水位も下がった時の様子。
(ライブカメラの映像)
ここは一般の車も通れる堤防道路なので、流木などの撤去作業などをしているのだろう。
真夜中だというのに、ご苦労様です。
名古屋には「小田井人足」という言葉があるらしい。
らしいというのは実際には使ったことも聞いたこともない。
江戸時代に庄内川の水かさが増すと、城下町を守るために役人が小田井側の堤防を切るように命じた。
小田井村の人々は自分達の村を守るために、へえへえと働くふりをして時間を稼ぎ水が引くのを待った。
このことからいわゆる「サボり」とか「役立たず」といった意味で使われたという。
参考までに、2000年9月の東海豪雨時の庄内緑地(左)と洗堰緑地(右)。
画像は、2015国土交通省 庄内川河川事務所 「東海豪雨15年 災害の記憶を未来へ」より引用
その機能をも上回る雨量により、その外にも被害が出た記録的豪雨だった。
(2016.10.11)