深夜の愉しみ(特別編)
「懐中電灯の集い」昭和の森オフ
某月某日、その集会は行われた。
都会の喧騒を離れ、街の明かりをはるか遠方に望む郊外の山中、街灯一つない真っ暗な森の中、懐中電灯のマニアが集結した。
その森は公園として整備されており、休日ともなれば家族連れが多くにぎわう自然公園なのだが、時は深夜、あまりの暗さと薄気味悪さにアベックすら近づかず、人の気配はない。
小高い丘を登ってくる複数の怪しいライトの光。知らない人が見たらまるで山狩りのような光景。
森を見下ろす小高い丘の上に、東屋があったのでここで集う。
街の明かりが遥か彼方に見える。
ランタンを消せば誰がどこに座っているのかわからないほど暗い。
瞬く間にテーブルの上はライトだらけになった。
しかしここは駐車場から少し離れているので、一度に運べるだけの量。これでもまだまだほんの一部。
ライト談義に花が咲く。
これだけライトと人が集まれば当然話題が尽きず、ネタも次から次へ出るわ出るわ・・・。
誰のライトかわからなくなりそうなくらいたくさんある。
趣味の電気工作で作ったスタンドライト、活躍しています。
・・・ん?
晩飯を済ませていなかったしぶーの夫婦はこんな所で弁当を楽しむ。(おいおい!)
大自然の中でコーヒーなんぞ楽しみながら半分行楽気分。
気になるライトがあれば即、手にとって、森に向かって照射!
「お〜、すげ〜!」
心行くまで遠射ができる。
超小型のわりに超明るい、フルパワーでランタイム7分という凄まじいライト。
ネタとして、眺めるのにもいいほどの造りのよさ。
ペットボトルで遊んでるし。
森に向かって照射!
森の中にアベックが潜んでいたらさぞ驚くだろう・・・
途中雨が降ってきたけど、屋根があるのでなんのその。
雨の中でレーザーを照射すると雨粒に反射してキラキラと輝く。
「サソリはUVライトで光るらしい」こんな情報を元に、たまたまそこにいたダンゴ虫で試してみたが光らなかった。
より強力なHIDライトを集めてみた。もはや懐中電灯とは呼べない大きさ。どれも小型サーチライトというほどのパワーがある。
せっかくなので並べて一斉に照射してみるというが・・・・
だ、大丈夫か?
この一つ一つが車のヘッドライト並みに明るいのだ。
これだけぶっ放せば下界からも目立ちまくりのこと必至、「今日は山で一体何が行われている日なんだ?」
やってもうた・・・
ま、眩しい!
前に回るととても直視できないほどの明るさ!
なんかとんでもないことになっていませんか?
あまりの凄まじい光景に全員大はしゃぎ。もうみんな目が少年だし。
遊んでるし。
普段見ることができないような珍しいライト、自分の持っているライトと他の人のライトを比べてみたり、怪しげな改造を行ったライトや、ライトのお買い得情報まで、インターネットではできない体験をたくさんすることができました。
道具としての懐中電灯も、ここまで来るとなかなか活躍の場が訪れない。フィールドでは単純に明るい暗いという他に、役に立つライト、役に立たないライト、色々あることがわかった。
しぶーのは残念ながら翌日(当日とも言う)仕事だったので早々と帰宅しました。
それでも帰る途中には空が白み始めていた。
おそらく他のみんなは朝まで照射を楽しみまくったことだろう。