曽木公園
岐阜県に曽木という所がある。
画像はYahoo地図より引用
木曽(きそ)ではなく曽木(そぎ)。
正確には岐阜県土岐市曽木町。
古くから中馬街道沿いの温泉地として名が知れていたようで、今でも曽木温泉として地図に載っている。
画像はYahoo地図より引用
山間の静かな集落だ。
中馬街道・・・江戸時代に発達した長野や山梨に続く陸路。
山岳路を馬で荷物を運んだことに由来されるとか。
塩を運んだ飯田街道、三州街道、伊那街道などが総称されることも。
ここに小さな公園がある。
○が曽木公園の場所。
画像はYahoo地図より引用
ちなみにこの周辺にはどんぶり会館、矢印の国道419号とのT字路には狛犬、そのそばには茶壷、うさぎ岩、足を伸ばせば小里川ダムがあり見所も多い。
過去記事
道の駅 土岐美濃焼街道「どんぶり会館」
世界一の狛犬
世界一大きな茶壷 豊穣の壷
うさぎ岩に登った
さて今、この曽木公園が非常に人気なのだ。
曽木公園で画像検索すると、その赤々っぷりに驚く。
画像はGoogleにて「曽木公園」画像検索より引用
そう、ここは紅葉の季節になると人が殺到するほどの有名な公園なのだ。
はて、ここにこんな公園などあったのかいな?
実は公園の向かいにはバーパソがあり、しぶーのは何度も訪れている。
目の前に公園があったことなど気にもしていなかった。
しかし裏を返せば、紅葉の季節に紅葉に用がない人々は決して近づいてはならない場所とも言える。
というわけで、あえて紅葉とは無縁の初夏に訪れてみよう。
やってまいりました。
梅雨の晴れ間の昼下がり。
まだまだ本格的な夏ではないので風が心地いい。
今年の梅雨はあまり雨が降らない。
かと思えばひとたび降ると災害が起こるほど集中して降る。
最近の気候はどうなっとるんだ。
向かいにはバーパソ。
ひっきりなしに車が出入りしている。
早速公園を、見たところ大きな公園ではない。
水路があり、庭園のようになって流れる水とこじんまりとした池。
もしかしてこの小さな池に写る紅葉を求めて人々が殺到するのか?とも思ったが、池はどうやら複数個あるようだ。
なるほど、波のない水面に映る紅葉はこの規模の池だからこそ成り立ったという感がある。
小川が整備され、非常にきれいな水が流れている。
池のほとりには水神が祭られている。
落ち葉もゴミもなく、非常にきれいな公園だ。
この日世間は休日ではあるが、紅葉の季節ではないのでだーれもおれーせん。
それにしても池の跡のようなものあり、整備されているのか遺棄されているのか微妙な光景もある。
公園自体はこじんまりとしていて、歩いてすぐに全部周れてしまうほどの規模だ。
広場のような場所に来ました。
広場の脇からは森の奥へと続く中馬街道。
ううむむ、ここは歴史的に古い場所なのだろうか・・・?
視界の右端に見えるのは穴?
早速照らして調査開始。
防空壕か、何らかの貯蔵庫跡かそれともこの山が古墳だった跡か・・・。
あまりきれいでないので入る気はしないが、入り口から覗く限り中はそんなに深くなくすぐに行き止まりのようだ。
壁はブロックで固められ、あまり古いものではなさそうだ。
レールのようなものが見えているのが若干気になるが、行政によって強固に塞がれていないところを見ると奥に恐ろしいものはなさそうである。
公園周囲の小山自体が古墳か城跡か何らかの遺跡なのか?
そんなことを髣髴させるような石垣や遺構のようなものがちらほらと見える。
一体ここはなんだったのか?
付近には説明板のようなものはなかったので謎である。
繁みを覗き込むと何かある。
古い電話機に・・・たぬき?
だれかのいたずらか、何かのまじないか・・・。
調べてみると、この曽木公園の紅葉ライトアップが始まったのは1999年のことらしい。
バーデンパークSOGIのパンフレットより
【曽木温泉の歴史】
約700年の入湯伝承があります。また松平秀雲の閑遊漫遊録によれば享保3年1717年)曽木温泉に入湯の記録があります。
1920年頃に、水野豊司氏により温泉宿が設けられましたが、1955年頃から徐々に客足が減り、宿としての営業は既に終えています。
この温泉宿がいつまで営業していたかは謎だが、公園が整備される前は温泉旅館廃墟か跡地だったということなのだろう。
にしても、池の数や大きさ、周囲の藪の中の謎の遺構は温泉宿の規模を超えているスケールで、もしかすると歴史的遺構に重ねて温泉があった可能性もある。
その曽木温泉、今はバーパソとしてパワーアップし、連日賑わいを見せている。
バーデンパークSOGIは、2006年にオープン、2014年にリニューアルした温泉施設。
曽木町は「逆さもみじの町」として売り出すとともに、町中のいたるところにある中馬街道の史跡をきちんとまとめて紹介も始めている。
ほとんどが道路沿いにあるので車で走っていてもちらりと横目で見える。
時間があればパンフレットを片手に色々と巡ってみるのもまた一興。
(2017.6.28)