日本一暑い町、岐阜県多治見市



みわわわわわわ・・・・



暑いっ!


夏だから当たり前。


それはもちろん判っている。

しかしこの日差しの強さ、日中浴びるのに身の危険すら感じるほどの強さは一体何なんだ?



地球温暖化の影響か、ここ10年から15年の間に夏の暑さは過酷さを増していっている。
このまま行けば日本もいよいよ亜熱帯



あまりの暑さに街のスズメもカラスも口をあけている。
気がつけば昼間にセミが鳴いていない。
朝の涼しいうちは鳴いているのだが、真昼の炎天下は静かだ。
その替わりといっては何だが、夜にけたたましく鳴いている。
昆虫達も昼はあまりの暑さにどこかに避難しているのだろうか?
それとも暑さに脳がやられて、セミが鳴いていることすら聞こえなくなってしまっているのだろうか?


みぎぎぎぎーーーーー!

セミもひっくり返るこの暑さ(んなアホな)




名古屋は暑い。




いやいや、京都は暑いとか甲府は暑いとか色々聞くけれども、きっとどこでも、日本全国暑いに違いない。






岐阜県多治見市。



Yahoo地図より引用


人口約11万5千人、岐阜県の南部、愛知県との県境に位置し、周囲を山に囲まれた町。

全国の焼き物のシェア50%を誇る、美濃焼きの産地として知られている。



2006年には37℃以上を記録した日数が全国で最多だった。


2007年8月16日、日本の観測史上最高の40.9℃を記録。



ということで、多治見市は「日本一暑い町」として観光誘致活動を行っているという。
なんかもうヤケクソになっていませんか?



40.9℃っちゃあ、まるで風呂の温度。
高気圧の中心付近が上空にあり、さらに名古屋のヒートアイランド現象による熱風とフェーン現象による熱風が重なって起きたといわれています。

ヒートアイランド現象・・・都市部の気温が異常な高温になる現象。排気ガス、電力熱、アスファルトの蓄熱、ビルなどの建造物による照り返しなど様々な原因がある。
フェーン現象・・・湿った空気が山を越え、下降気流となって熱風が吹く現象。山を越えた空気は乾燥し、標高が下がるにつれ圧縮された空気の温度は上昇する。

この恐ろしい気温を記録したこの日この時分、湿度26%だったという。
空気は極めて乾燥していたらしい。
乾燥しているので焼き物に適している気候なのだろうか?






確かに、最高気温のニュースを聞く限り、名古屋よりも暑いらしい。

例えば2008年7月26日15時10分、最高気温39.0℃を記録。
この日現在、今年一番の猛暑のニュースとなって、多治見市の名は全国に轟いた。
もちろん夏はこれから、まだまだ上を行く記録は出そうな気配だ。

しかし、そんな時分に名古屋では36℃程度。
(36℃っちゃあこれでもかなりの高温なのだが・・・。)



調べてみると、気温と風向きの関係があるようだ。

アメダスのデータによると、この日夜明け前にはよりの風(風力1)が吹いていた。
日の出と共に気温はぐんぐん上昇をしていった。
正午辺りから南西の風にかわり、風力をやや増し(風力2)、そして最高気温をマーク。
日の入り辺りから風は穏やか(風力1)になり、からの風に変わった。気温も徐々に下がった。



この日名古屋では午前中はよりの穏やかな風(風力1)が吹き、
気温の上昇と共に南西の風に変わり、風力を増した(風力3〜5)。
日が暮れると共に南東の風に変わった。



どうもキーワードは南西の風
多治見から見て南西は、山を越えて名古屋の方角になる。

風向きは地形の他に気圧配置にも大きく左右されるので、高温の原因のすべてではないとは思うが、風向きと気温の関係は大いにありそうである。











この輝かしい記録アメダスによって観測されました。





「雨だす」

AMeDAS・・・・Autometed Meteorological Data Acquisition System
日本全国約1300箇所に設置されている、気象庁の「地域気象観測システム」。







多治見市のアメダスの設置場所は中央道多治見インターのすぐそば、北消防署内にあります。




こんな話を耳にした。

「多治見に在住だが、多治見だけそれほど暑いという印象はない。」
「都市部の地表近くはさらに高温になる。」
「多治見がそんなに暑いわけではなく、観測する温度計の設置されている場所に問題がある。」





確かに、名古屋の都市熱が遠く離れた多治見まで影響するというのなら、名古屋はもっともーーーーっと暑いのではないか?


実は名古屋地方気象台は名古屋市千種区日和町という場所、都心からずいぶん離れた平和公園近くにある。
都会の喧騒を離れ、郊外の涼しい場所というイメージさえする場所。

名古屋市千種区日和町の場所。
アメダスの装置は名古屋地方気象台の敷地内にあります。










やってまいりました、多治見市北消防署。




アメダスはどこだす?





消防署の方にお願いして、実際のアメダス測定器を見せてもらいました。


消防署の駐車場の片隅。

 
おう?なんかあるぞ。





これが2007年8月16日14時20分、日本の観測史上最高の40.9℃を記録したアメダス。
埼玉県の熊谷市と並ぶ記録的な高温。


奥の白い壁は隣の敷地の店舗の壁。
下は芝生ではなく芝生色のビニールシート。
古典的な百葉箱のイメージとはかけ離れている。



狭く囲われた低い金網の中に、怪しげな測定機器や通信機器などが設置されていました。

 



このアメダスでは気温、風向、風速、雨量、日照時間が測定されています。


ただいま西南西の風。





消防署のすぐ前は大きな国道、すぐ裏手の土手の上は中央道多治見インター。
 

消防署前から見渡すだけでも、アスファルトが多い。
観測機器の設置されたすぐ近くをビュンビュンと車が走る。



観測条件としては、あまりよろしいとは言い難い。
もしかすると悪条件が重なって、異常な高温が観測されているのでは・・・?





このことに関して疑問に思われた方は多いようで、過去に地元のボランティア団体が調査をしたところ、市内中心部も山間部も同じように暑かったとの結果が出たらしい。
(同じようなことを考える人はいるもんですねぇ・・・)
これにより、晴れて多治見市は本当に暑い町と認定されたわけだが、市民としては複雑な思いだったに違いない。



一部では、アメダスの記録が公式か否か?という論争が起こっています。
相手は同じく最高記録をマークした埼玉県熊谷市。
「わが町こそ日本一暑い町である」

どちらも譲らない。

はたしてこの記録は名誉なのか不名誉なのか・・・。



ただし2008年7月26日、最高気温39.0℃を記録したこの日の最低気温は名古屋で27.7℃、多治見で25.0℃だった。


多治見市は「日中は暑いが夜は涼しい」という、名古屋よりも過ごしやすい町なのだ。


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