失敗しないウクレレ選び

Myウクレレを買うための基礎知識


ウクレレには色々な種類があります

 ウクレレと一口に言っても細かく分ければたくさんの種類があります。いわゆる普通のウクレレは正式には「ソプラノウクレレ」です。
 このほかボディが一回り大きくなった「コンサートウクレレ」、さらに大きな「テナーウクレレ」、「バリトンウクレレ」があります。
 本場ハワイでは、手の大きい男性は「テナーウクレレ」が主流、体の小さな女性でも「コンサートウクレレ」が主流ですが、とりあえず「ソプラノウクレレ」(いわゆる普通の)がおすすめ。形はギター型かパイナップル型が無難でしょう。

 ボディが大きくなると共鳴箱の容積が増え、弦も長くなるので音量、余韻、音色共に豊かになりますが、大きくなった分だけ押さえるのに指の力を要し、手を大きく開く必要があります。。

 ソプラノ、コンサート、テナーまでは同じチューニングで弾くことが多い。この他に6弦ウクレレ8弦ウクレレなど特殊な物もあります。


Low−Gチューニングとは?

 ウクレレの調弦は4弦から「ソ、ド、ミ、ラ」ですが、普通の調弦では最低音は3弦の「ド」。コード弾き主体の場合はこのノーマルチューニングがバランスもよく、ウクレレらしい軽快な響きですが、メロディーラインを弾こうとすると、どうしてももう少し下の音まで欲しい。そんな時に4弦を専用の弦に張り替えて1オクターブ低いソに合わせ、「Low-Gチューニング」にします。

Low-Gチューニングは通常よりも低い音が鳴りますので、重厚な和音の響きになります。

・ノーマルチューニングに対して最低音が低くなるので、和音の配列も変わってきます。つまりルート、3th、5thが転回形になることがあり、バランスを考えて弾く必要があります。
・専用の弦が売られていますが、クラシックギターの4弦(D線)でも代用できます。このほうが種類も豊富で選択肢が多い。ギター弦は長いのでうまくいけば1本で2回分とれることも。

 お店では最初からLow-G弦が張られて売られているものもありますが、購入してから張り替えることもOK、どの楽器も同じように交換できます


増えることを考えて

 ウクレレは小さくて手頃なので、海へ行く時もキャンプに行くと時お花見に行く時も、どこへでも気軽に持って行けるのが魅力。とはいえ15万円の楽器を浜辺宴会に持っていくのは危険すぎます。そうなると宴会用に手ごろな値段のウクレレがもう一本くらい欲しくもなるもんです。またウクレレには色々な材質でできた楽器があり、音色や見た目がそれぞれ違って魅力があります。

 最初の一本を手に入れてから、ある程度弾けるようになると、つい他のタイプの楽器も欲しくなり、手ごろな大きさということもあって2本3本と増殖してゆきます。少なくとも高い楽器と安い楽器の2本を所有しているという人は圧倒的に多いのではないだろうか。


続くかどうか判らないから・・・

 初心者方の多くが「続くかどうか判らないから・・・」という理由で投資を恐れてしまいます。
 やめた時に「高い楽器を買わなかったから損が少なくて済んだと」思うのでしょうか?手元に高い楽器が残るか安い楽器が残るかの違いだけです。最も損なのは投資した額ではなくやめてしまったことでしょう。

 「続くかどうか判らないもの」に投資してはいけません。それではすでに腰が引けていて、やめる気満々です。もっとやる気が沸いたら始めましょう。何が何でも続けるつもりでなければ続きません。


まずはお店選び

 お店選びと言うものの、実際にはお店だけで選んではいけません。余裕があれば何件かまわって見るのをおすすめします。比べるのは楽器であり、実際に弾いてみて、純粋にものの良し悪しで選びます。お店によっては値引きして売っていたりもしますが、いかに安く買うことが目的ではありません。同じメーカーの同じ品番の楽器でも個体差があるので、よりよい物を選ぶべきでしょう。もし気に入った物があれば多少の価格差は気にするべきではないと思います。

 お店によっては交渉次第で値引きなどのサービスがある場合がありますが、それぞれ事情があるので無理は禁物です。他店を引き合いに出して「あそこはいくらで売っていた」とケンカを挑むのも避けましょう。お店とはなるべく仲良くしておいた方が、今後何かとサービスがあったりして得なことが多い。

 ハワイ製の楽器の場合、どうしても現地で直接買ってくるよりも割高になってしまいますが、何かあった場合の保証や修理の面で、安心代だと思って割り切るべきでしょう。


価格の違いは何か?

値段の違いはズバリ材料代と手間代です。輸入品になると輸送代などの中間コストも加わります。


単板か合板か

 ボディの素材が単版か合板かで大きな違いがあります。合板はいわゆるベニヤ板、数枚の薄板を張り合わせて接着した物。今はその技術も進歩して、同じ薄板の間にサンドイッチした合板は木目が表裏で同じなので横から見なければ区別が難しい。合板の楽器は3万円以下の入門機に多く、丈夫で取り扱いが易しいというメリットがありますが、音色の面では単板にはかないません。

 一方単板の楽器でも、どんな材料を使っているかで値段もずいぶん変わります。材料の種類ではハワイアンコア、マホガニー、メイプル、スプルース、ハカランダなどがよく使われますが、値段も音色も大きく違います。
 近年ハワイアンコアやハカランダは希少な木材として値段も高騰しています。同じ種類の材木でも質の良し悪しの幅は広い。


いかにも高級そうなトラ目のコア材


構造(造り)による違い

 高価な楽器は見た目でわからない部分でも手が込んでいます。サウンドホールから覗いて、端の部分のライニングや力木がしっかりしているかということも、長年使うことを考えれば重要なことです。
 縁のバインディング(縁の部分や穴の周りに入れる縁取り)が入ると当然高価になります。飾りの目的もありますが縁の部分の保護にもなります。


どんなパーツが使われているか

 指板が長いか短いか(フレットがいくつまであるか)も重要。通常ウクレレは12フレットまでが標準ですが、ギターのように17フレットや20フレットまである楽器も珍しくなくなってきました。実際の演奏ではそんなにハイフレットまで使うことは少ないですが長い指板は見た目にかっこいい。
 この指板も黒檀か紫檀かでも値段はずいぶん違います。黒檀も最高級になると「マグロ」と呼ばれ、碁石のように真っ黒、磨くと輝くほど密度が高い。質が低くなるほど着色が必要になります。

 
指板が長いか短いかで1万円くらい違います

 糸巻きひとつとってもグローバーやシャーラーやゴトーのような一流メーカーの物は単価が高く、サドルやナットも牛骨か黒檀かでも差が出ます。

 縁の飾りが貝かセルロイドかの違いは品質に直接的な関係はありませんが、構造の違いは音色に大きな影響があり、パーツの良し悪しは長年使う上で確実に差が出てきます。どの部分でどのように値段がついているのか知っておくのは、楽器を選ぶ上で重要な知識になります。


新品の楽器は鳴らない

 出来立ての新しい楽器は驚くほど鳴りません。木もまだ振動していないし、塗装も馴染んでいません。新しい楽器は音色も詰まったように鈍く、反応もよくありません。こんな楽器はまず叩き起こしてやる必要があります。

 まず調弦をします。弦が新しいので合わせても合わせても下がってきます。何度も合わせます。

 開放弦を鳴らします。親指でダウンストローク、音が割れるくらいかなり強めにびゃんびゃんと弾きます。

 当然弦が延びるので音は下がってきます。再び調弦をしてびゃんびゃんと鳴らします。
 調弦しては鳴らし調弦しては鳴らしを繰り返します。

 ものの数分でみるみる楽器が鳴るようになってきます。音量が増し、音が軽やかに発音するようになります。

 この時、なるべくコードを押さえずに開放で弾きこみます。弦が新品の時にはあまり派手に押さえて弾かないほうがいいでしょう。弦を押さえるとフレットの跡がつき、調弦により位置がずれるので弦が不均一になって音程が狂う恐れがあります。本気で演奏するのは調弦が安定してからほうがいいでしょう。

 このことをよく知っておかないと、新品の状態で選ぶと満足のゆく鳴りの楽器は永久にありません。どのくらい弾き込んでどのくらい変わるのか、今後の予想をして選びます。


楽器店での試奏の注意

 楽器店というところには、色々な人が訪れます。当然その道のプロの方もよく訪れます。そんな様子を日々見ている店員は、試奏している人を一目見て、その人がどのくらい弾けるのか瞬時に判ってしまいます。
 えてして上手な人は無駄なく的確に楽器を選んでゆきます。なにも店頭で難しい曲を披露する必要はありません。音階だけ、C・F・G7の3コードだけでもいいと思います。

1、きちんと調弦してから弾く。
2、色々な弾き方を試す。
3、楽器全体を見る。

 楽器はまずきちんと調弦してから機能を発揮します。きちんと調弦できるかどうかも重要なポイントです(新品の場合はすぐに音が下がってきます)。試し弾きも一つのパターンだけでなく実際によく弾くパターンで試してみます。強く弾いてみる、弱く弾いてみる、高音低音のバランスを見る。バランスや音程などにクセのある楽器なら、自分の演奏技術でカバーできるか確かめます。
 最後に仕上げや作りを確かめます。

 

 初心者だからといって恥ずかしがって弾くのをためらっていてはいつまでたってもいい楽器が選べません。簡単なコードや開放弦だけでも音の違いが判るはずです。調弦や判らないことは素直に店員に聞いて確認するべきでしょう。

 楽器の欠点を見つけても得意気に指摘する必要はありません。さりげなく「考えます、やめときます」でいいと思います。楽器店には罪はありませんので、そこで色々言われても困るのです。また気に入った楽器だったら無償で修理調整してもらえるか交渉してみましょう。

 有名な話ですが、海外の楽器店へ行くと試奏しているその人を見て奥から楽器を出してきます。専門店になるほど楽器のことはよく判っているので、掘り出し物がやすやすと店頭に並んでいることのほうが少ない。
 楽器店とは仲良くしておいたほうが何かと得なことが多い。

 今使っている楽器からさらに上の機種を探しているのなら、ぜひともその楽器を持って選びに行くべきです。
 楽器店の店頭では音の響き具合や条件が変わるので、今使っている楽器を同じ条件で弾いてみて比べるべきでしょう。


最初から完璧を求めてはいけません。

 音色、音程、木目、仕上げなど、すべてがパーフェクトに気に入る楽器はそうあるものではありません

 楽器店に並んでいる新品の状態がベストの状態とも限りません。弦の種類や弦高の調整、付いているパーツなどでも随分変わります。

 惜しくも気に入らない箇所があって、購入を考えてしまう場合でも、後々その箇所が修理や調整で何とかなる所ならば気にする必要はないでしょう。
 修理や調整は有料になりますが、そこは楽器店との交渉次第、場合によっては保証修理で対応してくれる場合もあります。
 ただし無理を言ってはいけません。

 些細な箇所は、使ううちに愛着が湧いて気にならなくなることも多い。細かいことにこだわっていては、いつまでたっても理想の楽器にめぐり合うことができません。


全体を見ることを忘れない

 信じられないかもしれませんが、ウクレレには歪んでいる物が実に多い。
 
 サウンドホールが真ん中にない、ネックが傾いている、ブリッジが斜めについている、糸巻き穴が左右不対称、弦の幅がまちまち、ボディ全体がいびつなどなど・・・。職人さんのお茶目な手加減一つで、個性豊かでアロハな造りなことがあります。

 木目や塗装、小傷やパーツなど細かい所にはチェックがいくのに、全体のゆがみは意外と見落とされがち。 そして、そんなことはさして気にしないのがアチラ流。
 板にひびが入っている、ネックがゆがんでいる、ネックの仕込み角が悪い、楽器のセンターがずれているなど、演奏に支障があったり、長年使っていて後々トラブルが出そうで、修理が困難な状態の場合は考えたほうがいいでしょう。
 逆にサウンドホールやペグ穴などの多少のセンターずれは、楽器全体の中心線が崩れていなければ問題なし。ウクレレは、バイオリンやギターのように弦の張力が大きくないので、少々のゆがみが即トラブルということにはなりにくい。


よく見れば指板のドット(白い点)と糸巻きの位置が微妙にずれている。

 長年使えばどんな楽器も多かれ少なかれ歪みがでてきます。治して使うには結構な修理代がかかりますが、そこまでしても弾きたい楽器なら、本人にとって価格以上の価値です。


先生の言うことを妄信しない

 先生の仰られることが間違っていると言うわけではありません。
 ただ、右も左もわからない初心者のうちは、「○○(メーカー名)なんかいいんじゃない?」という先生の気軽なアドバイスを「○○でなければだめだ!」と解釈しがちです。
 例えば楽器の調子が悪くて、先生の「一度、買った楽器屋さんで見てもらってらっしゃい。」との気軽なアドバイスに「不良品を買わされた!先生も認めた!」と怒鳴り込んでくるタイプです。

 先生とてすべてのメーカーの楽器を見た訳ではないので、お勧めする特定のメーカーだけがいい、というわけでもありません。演奏者にも楽器の好みはありますので、一つの参考としておくぐらいにしましょう。
 また先生と楽器店との結託も疑ってしまいがちですが、自分の弟子にわざわざ悪い楽器を買わそうとする先生はそういません。自分の名前とプライドにかけて、的確に楽器を選ぶはずです。

 先生が弾いているのと同じ楽器が欲しくなるのも当然ですが、先生の楽器はよく調整されて連日しっかり弾き込んであるので当然よく鳴ります。
 そして楽器は弾き手の腕前によって音が変わるということも肝に銘じておきましょう。


予算を決めない

 買い物をするのに予算を決めないというのもおかしな話ですが、予算が先に決まっているとそれだけ選択肢が狭まることになります。

 予算を決めてからではなく、まず気に入った楽器を先に探してから、それに見合った金額を用意するのが理想的です。予算内に気に入った楽器が見つかれば理想的ですが、多少の予算オーバーなら想定しておくほうがいいかもしれません。

 逆に、多少予算オーバーでも「何としても欲しい」と思うほど気に入った楽器にめぐり合った場合は考えるべきです。
 楽器は末永く使うものなので、少々の無理をしてでも手に入る物なら買って損はしません。


ハズレ弦が実に多い

 お店で張られている弦がベストの状態とも限りません。

 楽器に使われるナイロンやフロロカーボンの弦は、実は作っているのは釣り糸屋さん。元を辿れば世界でも数社しか作っていないのだそうな。楽器に張った場合、強い力で引張るわけですから真円を保って延びない事も多々あります。中には見るからに上と下で太さが違ういわゆる「ひじき弦」になっていることもあります。そうなるときれいに振動しなくなり、奇妙な雑音やフレットに当たってビビる原因にもなります。

 音がビビる原因のほとんどが弦の不良です。一本だけビビリが出て他の弦は問題ない場合はほとんど弦が原因でしょう。新しい弦に交換しても治らない場合、もう一度弦を交換します。3回替えてもだめならば楽器のほうに不具合がある疑いがあります。
 厳密にはそのくらいまともな弦は少ないのです。


きちんとチューニングできること・・・とは?


オー○さんと共に

 ウクレレの神様「ハーブ・オータ」さんのオススメの楽器は「きちんとチューニングできること。音程が合っていればどれでもOK。」と言われています。

 ウクレレという楽器は弦の長さも短く、長さのわりには太いナイロン弦を使っているので理論上音程が合いません。特に弦が太くなるほど押さえた音が高く出る傾向があるので、演奏にはそれなりの工夫が必要です。

 フレットが打たれているということはウクレレもピアノやギターと同じ平均率の楽器です。平均率ということはすべての調で同じように響きが得られる代わりにすべての音が狂っている事になります。調律したてのピアノのように、どの調にも属さない独特の響き、「すべての音が同じように狂っている状態」が非常に大事です。(厳密にはピアノの場合、ピアノ平均率というまた独特の合わせ方がありますが)

 よく、C・F・G7の基本的なコードを弾いて音程を確かめる場合がありますが、気をつけないといけないのがウクレレの調弦の真ん中に含まれているド−ミの3度。開放弦を正確に調弦した場合、Cコードを弾いてこの長3度がきれいに響くはずはありません。純正調のハーモニーを優先した場合、どうしても低めに合わせる必要があります。そして正しい開放調弦でFコードを弾いた場合、2弦で押さえた音はルート(根音)にあたりますが、正確な調弦された場合はやや高めに出ます(相対的に3音であるラの音が低くなります)。そしてG7コードの場合は2弦の音が第7音にあたり低めにとる必要がありますが、現実には高めになってしまいます。

 つまりウクレレの音程の特性をよく理解して、開放弦も含めすべての音が出来るだけ中立なハーモニーを得られるように調弦するのがもっともベストなチューニングと言えます。単純にチューナーで開放弦を合わせただけでは不十分なことがわかります。特にローポジションにおいては上ナットの高さ、フレットの高さや山の形状まで絶妙にチューンナップされている必要があります。、

 さすが神様だけあって、まさに「弘法筆を選ばず」と言いたい所ですが、これこそ最もいい筆を選んでいることになります。

とは言えそこまで正確な楽器は少ない上、絶妙なチューンナップが必要、演奏中に調弦が狂うことも考えればそこまで厳密に考えるのはナンセンスでしょう。
細かなことにこだわるよりも、腕を磨くほうがよっぽど早い解決になります。


ジェイク・シ○ブクロさんと共に


カスタマイズの薦め

 楽器は売られている状態から弾き込んで弾き込んで、ようやく本領を発揮します。楽器を手にしたら常にその状態に気を配り、ベストな状態で鳴らすようにしましょう。
 晴れて気に入った楽器が手に入ったら、自分仕様にカスタマイズしてしまうのも手です。かといってやみくもにあちこちいじってしまうと取り返しがつなくなりますので、まずは消耗パーツから手を加えてみます。

 まずは。これこそ消耗パーツだけに、何も考えずに最初についていた弦をそのまま使っているのなら、一度他の種類の弦を試してみる価値はあります。吉と出るか凶と出るかは、張ってみないとわかりません。中にはハズレ弦も多い上、色々な会社の弦をいくつも試したが実は中身は同じ弦だったりすることもあります。

 サドルの高さ。サドル(下駒)が高いと弦高が高くなり、ハイポジションでの音程が難しくなります。とは言えサドルの高さでトップにかかる圧力が著しく変化して音量や音色に大きく影響するので、やみくもに弾きやすさだけ追求して低くしすぎると音まで死んでしまいます。工作の腕に少々覚えがあってサドルが外せる楽器の場合は、新たにパーツを買ってきて色々な高さのサドルを立ててみるとよいでしょう。工房に依頼する場合でも、オリジナルは削らずに新たに作り直してもらいます。使う材質や頂上の角度によっても随分音が変わるので研究のしがいがあります。

 ペグ。糸巻きもメーカーや仕様によって随分重さが違います。ヘッドの部分の重さによって楽器全体のバランスや音の立ち上がり、余韻の長さが変わります。大型の重いものやアルミニウムの軽量のものに変えるだけでも随分変わります。一般的には軽いほど音の立ち上がりがよく、重くすると音量が犠牲になる代わりにサスティン(余韻)延びるといわれていますが、実際にどう変わるかはお楽しみ。ただし、6角ナット状のブッシングを表側から叩き込んであるペグの場合、無傷で抜くのが困難なことがあるので無理は禁物です。

 気をつけなければならないのは、楽器の状態はネックの反りや仕込み角、トップの膨らみや楽器全体のたわみが加わってバランスが取れるので、すべての様子を見ながら少しずつ調整する必要があります。一度に数箇所をいじると、どこでどう変わったのかが判らなくなってしまいます。
 また、見本となる楽器があって、その楽器と同じ条件で調整してもうまく行かないことも多い。楽器は一本一本条件が違って、それそれ楽器に合った調整が必要なのです。


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