折々のお料理
飽くなき食欲が生んだ料理や食の研究 |
どて煮
名古屋地方では、赤味噌を使った料理が多い。
代表的なものは味噌カツ、味噌おでん、味噌煮込みうどん、どて煮など。
どれもよその地域にはない個性あふれる地方料理である。
特に赤味噌を使った煮込み系は、繊細な味付けとは無縁なほど容赦なくゴンゴンに煮込み、その茶色一色に染め上った料理には恐れをなす人も多いとか。
見た目のインパクトもさることながら、そのクセの強さは賛否両論、しかしひとたびこの味に親しんでしまうと他の味付けでは物足りなくなるほど中毒性が強い。
中部地方の人なら誰もが知るどて煮。
どこの飲み屋にも必ずあるほど人気のあるメニューだ。
大阪名物のどて煮(どて焼)きは牛すじ肉の串を煮込んだものだが、ここ中部地方では牛すじ肉の他に豚モツが使われることも多い。
大きく違うのはやはり名古屋のどて煮には赤味噌が使われているということだ。
冬の風物詩でもある鶏の味噌鍋に続き、味噌の鍋つながりで豚モツの味噌煮(どて煮)でも作ってみましょうか。
豚モツはボイルされたものが売られてたのでこれを使います。
凍っています。
いわゆるホルモン(ほるもん=捨てるもの)というヤツだ。
パッケージに書かれていた作り方では、一度茹でこぼすと書いてあったが面倒なので省略。
臭み消しなのだろうけど、味噌でゴンゴンに煮込んでしまうのでそのくらいクセがあったほうが美味い。
臭み=クセ=旨味
香り付けにしょうがを少々、みりんと砂糖をぶち込みます。
この辺りは豚の角煮に通ずるものがある。
調味料は、味の甘いものから順番に入れてゆくという料理の鉄則がある。
塩気のものを先に入れると浸透圧で身がしまり、その後の味が入りにくいといわれているが、家庭で適当に料理するレベルではさほど順番を気にするほどでもないらしい。
普段はザラメを使うことがほとんどだが、カルメ焼きに挑戦した際に買ったのが大量にあったので上白糖を使いました。
さらに中火でゴンゴン煮てしまいます。
何といいましょうか、家中獣の匂い。
正直、美味そうとはいえない。
いや、逆に不味そうだ。
味噌を入れると、ようやくそれらしくなります。
そのまま中火で煮込むこと20分。
だいぶ水気が飛んで色づいてきました。
ようやく食い物らしくなった。
試食すると砂糖が多すぎて甘みが強かったので味噌を足し、まだ少々硬かったのでさらに水を足して煮込むこと30分。
すっかり色づきました。
見た目は恐ろしいが赤味噌の香りがいい。
これぞ名古屋の味。
よその地域の人々が何と言おうとも、これが美味なのだ。
一味とうがらしを振って、ねぎを載せて完成です♪
臭み消しに煮こぼしたりせず、酒も入れずに煮込んだため、かなりワイルドな匂いですが、そのクセがなんともいえず美味。