折々のお料理
飽くなき食欲が生んだ料理や食の研究 |
湯豆腐
こういうシンプルなのもいいね
もうすぐ冬も終わりという季節。
冬の大好きなしぶーのは去り行く冬を惜しみつつ、暖かい鍋料理でも楽しむとしよう。
簡単でヘルシー、たんぱく質もしっかり摂れる湯豆腐など最高ではないか。
土鍋に水を張り、切った豆腐をそーっと並べる。
欠けているのを修復した土鍋。
今回は二種類の豆腐を入れて比べてみました。
しかし食べる際にはもうどっちでもよくなって、結局区別がなくなったことをあらかじめ報告しておきます。
ほんの少しだけ具も入れてみました。
白菜少々、しめじも少々。
だしは昆布ダシの素をさらさら・・・。
ああ手軽。
昆布の用意も必要なし。
かつて湯豆腐なんぞ、昔のしぶーのには腹の足しにもならない食物だった。
いわゆるこんなものでメシが食えるか!つまみになるか!というシロモノだ。
淡白な豆腐料理は数あるおかずの一品に過ぎず、決してメインにはなりえない位置づけだった。
学生時代、行きつけの定食屋で何を思ったか「やっこ定食」というのを頼んでしまったことがある。
いつもなら味噌カツ定食とか唐揚げ定食とか、若者らしくがっつりと脂の多いものが定番だったが、その日は何を思ったのかいつもメニューの片隅にあって気になっていたやっこ定食を頼んでしまった。(まあ安かったというのもあるが)
メインのおかずは本当に冷奴。
冷奴に小さなサラダの小鉢、漬物、味噌汁という組みあわせ。
血気盛んな大学生にとって信じられないような定食である。
こんな豆腐でメシが食えるか!
などとは言わずにあっという間に平らげ、その日は夕食に加え夜食も存在することになった。
あれから二十数年・・・。
豆腐がこんなに美味くなる日が来ようとは思いもしなかった。
今なら声を大にしていえる。
風呂上りに冷たいビールを煽りながらのやっこ定食、
最高だぁーーーー!
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本来湯豆腐には豆腐の下に昆布を敷くのが定番なのだが、これで代用してしまいましょう!
もしあるのなら必ず入れたい。
コレを入れると味が引き立つ!
長ネギも仲間に加わりました。
ふたをして中火でゆっくり暖めます。
ぐらぐらと煮立たせると豆腐にすが入ったり昆布の渋みがでてしまってよろしくないので、沸騰させずに暖めます。
豆腐の中まで暖かくなるのにはちょっと時間がかかるが、ながい冬の夜にのんびりと待ちたい。
と、言いたいところだが、構わずゴンゴン煮ちまいました。
そもそも昆布敷いてないし、少々のことではそんなに不味くもならないので問題なし!
今宵は湯豆腐で熱々の日本酒と冷たいビールのステレオ晩酌。
たれはさっぱりとポン酢、刻みねぎを乗っけて一味唐辛子、ゆずコショウ、もみじおろしをかけていただきましょう!
手軽で美味なので湯豆腐が食卓に上るのもすっかり冬の風物詩になってきた。
こうして歳をとってゆくのも悪くはないと思えてきた。
(2016.2.21)