楽譜の電子化計画


楽譜が電子化されたらどんなにいいだろう?
音楽家の間では昔から囁かれていた。


譜面台は液晶パネル、画面の片隅には指揮者が映り、譜めくりもトップがめくれば全員がシンクロしているなんて夢のようでもある。
画面の見易さなど研究の必要はあるが、今の技術では可能だと思う。
ただその需要とコストのバランスがつり合わないだけだろう。

しかし世の中には先進的な人々はいるもんで、なんとかpad(?)なるものを使って譜面を表示させて、バンド内で共有できるソフトを使って譜めくりのタイミングなどもシンクロさせている人々もいるらしい。

実際の演奏には書き込みなどの必要から紙の楽譜が不可欠だが、印刷前の楽譜を画像として保存しておくという方法はゆくゆく一般化してゆくかもしれない。
たぶんもうすでに行われているが、完全複製が可能な版元の画像は「大人の事情」で存在しないことになっているはず。


かくいうしぶーのも、楽譜編集ソフトで書き溜めた教材やレパートリーの曲は膨大な数にのぼる。
これらをパソコンではなく持ち歩き可能な何かで一括管理できないだろうか?と常々考えていた。

かつては律儀に手書きで楽譜を書いてコピーをしていたが、出来上がってからの編曲や修正が難しい。
その一方、データ化してしまえば後々で編集が思いのまま、実に便利である。



なるべくコンパクトに持ち歩く、となればB6サイズに縮小して両面印刷、ウクレレケースに入れてみた。



レパートリーを厳選したつもりだったが、これだけでも結構な厚みになってしまった。

一枚一枚は薄い紙といえども侮れない。
集まれば結構な重量である。

この先、この楽譜は減ることはなく増える一方なのは確実である。
同じ曲でもKeyが違ったり、歌詞の入ったものと実際のライブで使うパート譜では異なる。
それらすべてを紙で印刷をしていたらとてもではないが膨大な量になり持ち歩くことは出来ない。
仮にすべて紙で印刷した楽譜を持ち歩くとして、その使用頻度と労力は釣り合わない。
そして印刷コストもなかなか馬鹿にならない。



つまり正確には「紙の楽譜→電子化」ではなく、すでに電子化されている楽譜データを「電子的に持ち歩く」という意味。





とりあえずデータのまま今ある携帯電話に入れてみた。

この携帯電話はJPEGは表示できるのだが、通常ならばメール添付やインターネット経由で画像を表示させて携帯電話に取り込む。

カードスロットはついているが、パソコンで画像をメモリーカードに移しても読み込んでくださらない。
どうも携帯電話内部では「自社の頭文字+数列」という番号で画像管理しているらしい。

というわけで、パソコン内でファイルサイズをし調整してファイル名を書き換え(適当な数列を割り当て)れば表示できることがわかった。



大きさ的には画面を見ながらの演奏は不可能ではあるが、暗譜の確認程度にはなんとか見れなくもない。

 横画面にして拡大してなんとか読めるレベル。  


しかし、ファイル名をいちいちすべて変更するのもかなりの手間な上、数列では整理や検索が出来ない。

今流行のすまほ(?)などあればいいのだが、最近ようやく携帯を新しくした情弱っぷり、何か専用のものがないかと考えたが・・・。
要は画像を表示できて、充電式でポータブルで画質はそこそこよくて画面が大きくて薄型のもの・・・。




画像を表示させるだけならばデジタルフォトフレームというのがある。
探してみると電池式もしくは充電式で大画面軽量ポータブルなものは少ない。
まあ当たり前だ、そもそもデジタルフォトフレームの目的は机の上などで写真を表示させるためのものだから、インテリア風に立てるようになっていて厚みがあり電源コードもあってなんら不自然ではない。

実際に机の上にこれがある人はあまり見たことがない。
むしろお店で広告動画を再生するのに重宝しているようだが・・・。

タブレットパソコンが主流になりつつある今、需要も少なく時代に逆行するものなのかもしれない。
しかしながら閲覧だけならばよいが、データを持ち歩くということを考えると、出先でプリントアウトやコピーが出来ないタブレットパソコンは少々不便である。

専用のマシーンが欲しい。
充電式または電池式であること。
記録メディアが使え出先で出力できること。
画面は大きく、高画質であること。
薄型、軽量でかさばらないこと。
当然ながらリーズナブルで。

といういくらなんでも贅沢すぎじゃないか?といような要望を掲げ探してみると・・・。




「バッテリー内蔵、大型画面、高画質、薄型、軽量」のものがありました。


【広告】

サイト内で「DPF-A8」検索推奨!

(広告は2012年2月現在。)


楽譜を見るだけという行為にイカズチの力を使うのはどうなのか?
紙の楽譜を何時間眺めても只である。
正確には電力はタダではない。
しかし今日日メールを読むのも電話をするのもすべて電力の恩恵であり、文明人としてそのくらいはよしとしよう。
原発は反対だが。




とうとう入手しました。
店頭で見てから購入したかったのですが、いくつも店を回ったけど店頭になく、通販を利用しました。
しぶーのは少々高くても店頭購入派。

こんなPOPな箱に入っています。

期待通りの薄型、軽量でした。

 

まずは満足。



ピアノの譜面台に置いても違和感なし。

大抵の人は「アイなんとか買ったの?」と聞く。
いえいえ、譜めくりがボタンなのと拡大表示が二本指で出来ないやつです。




楽譜編集ソフトで作成した楽譜はTIFなので、JPGに変換した楽譜を表示させてみました。


保護シールそのまま

ううむむむ・・・なのか。

デジタルフォトフレームというのは写真を表示させるためにあり、画像がスライドショーになっていてほっとくと勝手に次のページに移ってしまう。
この機種は再生時間が設定でき、1時間とかに設定しておけばまず大丈夫。



画面表示は横、楽譜は縦、したがって表示させると小さくて見にくい。
画質は今ある携帯電話よりもやや劣る。
(最近の携帯電話ってすごいんだな・・・。)

もちろん横の画面を縦にすることも出来る。
しかし次の画像に移ると設定はクリアされて横に戻ってしまう。
つまり2ページに渡る楽譜を譜めくりした場合、もとの表示になってしまうのだ。

そして更に困ったことに、縦の画像を横にした場合、若干画像が荒くなる。
これは楽譜という細い線を表示させるのには致命的であった。




ううむむむ・・・。
ちょっと困った。




予想よりも画質が悪い。
表示が小さいのは構わないが、画質が荒れて五線が読めなくなるのはいただけん。
(デジタルフォトフレームとしては最高クラスの画質を誇る。)



これは失敗か?



せっかく買ったので何とかして生かしたい。

こんなものは使ったもの勝ちで、機能以上に活用してこそ価値がある。

なんとか上手く使い倒す方法はないものか?



普通の写真は横長なので横に表示されるのが当然であり・・・。
そうか!
楽譜を横にしておけばよいのでは?

最初の段階で90°回転させておいて横長の画像として読み込ませておけばよかったのである。

90°にしようか270°(天と地をどっちにしようか)にしようか迷ったが、ページ送りの順が右になる90°にしました。


最終的にはこの逆になりました。ボタン類が上になります。

解決。




おおっ!そうなるとこれはなかなかよいマシーンではないか!


取り扱いはさして難しくはないが、それでも取り扱いマニュアルを見る必要がでてくる。
そのたびにいちいち引っ張り出してくるのが面倒なので、重要そうなページを写真にとって画像として取り込んでおいた。
これで出先でも取り説の確認が出来る。
我ながら悪知恵に感心。



スキャナーを使えば今ある楽譜もすべてJPEGとして読み込んで管理することが出来る(いわゆる自炊ってやつ)が、いちいちスキャナーを引っ張り出してセッティングするのも大変だし、現行楽譜の複製は○%△□#$※☆@なので今のところ予定はない。



楽譜はメモリーカード内に格納することにしたが、この機種には内蔵メモリもあり、そこにはMP3の音源を入れておくことにしました。
音源も聞ければ楽譜も確認できる。
TXTも表示できるので、歌詞とコードだけのデータも表示できる。

SDカードはマイクロSDとアダプターとセットにしました。
接触端子が多いのは不利なのは判るが、選択肢が多いほうが汎用性が上がるかも?という目論見。



満充電でおよそ3時間のスライドショーが可能らしいが、正直もう少し長いとありがたい。
画面も楽譜が確認できればいいので輝度を落とし省電力に努めた結果もう少し長く使えそうだ。




白黒反転させて表示を出来るだけ暗くしたらもっと省電力になるのでは?と思いやってみた。
(本当に省電力になるのかは不明)

読みづらいので却下。




データというのは形がないので、運が悪いと跡形もなく吹っ飛ぶ危険をはらんでいるので過信は禁物
実際に演奏する時には譜面台の上に載せるのはやはり紙の楽譜である。
書き込みをすることもあり、停電でも消えない、原始的アナログなままである。



このデジタルフォトフレームによる電子化計画はなんとか実用できるところまでいけた気がする。
リモコンもついているので活用次第ではかなり便利かもしれない。
しいていえばUSBポートが小さいので普通のフラッシュメモリーが挿せないのが不満か。


せっかく専用マシーンを手に入れたので、あとは壊れるまで便利に使い倒す!

表示だけならばタブレットパソコンのほうがはるかに扱いやすいはず。
壊れたら今度こそなんとかpadでも買おうかな。


趣味の部屋に戻る

TOP

inserted by FC2 system