松平の郷
愛知県豊田市の山間に松平の郷(まつだいらのさと・まつだいらごう)というところがある。
少し前に開通した東海環状自動車道の豊田松平インターが最も近い。
松平の郷は江戸時代を治めた徳川家のルーツでもある松平家発祥の地。
歴史は苦手なしぶーのではあるが、せっかく近場にある由緒ある史跡なのでたまには歴史に触れるのも楽しかろう。
名古屋から名古屋から東に向かって猿投(さなげ)グリーンロードをひた走る。
そういえばしぶーのの出身大学の練習室の壁に「老猿グリーン」という落書きがあったな・・・。
この道は昔は対面通行だった、懐かしき思ひ出。
グリーンロードの終点力石(ちからいし)インターから南へ走ること十数分、国道301号線に入り山間部へと向かう入口にある。
その名も豊田市松平町。
松平郷への入口には案内看板があるので迷うこともなく国道から細道に入る。
山間にひっそりとあるというような環境。
駐車場に車をとめ車を降りると実に静かですがすがしい。
松平の郷の全体図
大体の見所はこの谷に集約されているが、広くは山の上に松平城址があるほど広範囲。
付近の山林も含め松平家の敷地だったのだろう。
あの白い建物は休憩所。
すぐ横にゲートボールのコートがあったので人が集まる時には賑わうのだろうか?
休憩所の窓からは堀と立派な石垣が見える。
隣にある松平東照宮のものだ。
松平東照宮。
松平家の跡地に建てられた徳川家康を祀った神社である。
作曲家松平信博氏の記念碑もあった。
昭和初期に主に映画音楽の作曲家として活躍したというが、正直なじみはなかった。
覚えておこう。
同じく神社の敷地内には資料館として松平郷館があった。
残念ながら中は撮影禁止。
鎧兜や弓矢、陶器などの日用品、松平信博氏の使用した蓄音機やアップライトピアノ(たしかスタインウェイ)などがあった。
本殿の横から少し奥へと道が続いている。
こんなところにもあの紋所が。
そこには産湯の井戸というのがある。
竹千代(家康)が生まれた時の産湯の水をこの井戸から汲んだという由緒ある井戸なのだが・・・。
今では立派な屋根に覆われて井戸の機能はしていないのだが、写真では少々わかりづらい。
階段を登った上から見下ろした産湯の井戸全景。
すぐ近くにはいくつも井戸がある。
本殿横の管理所ではお札やお守りやらの他に池の鯉のえさも売られていました。
餌マニアなので当然買いました。
過去に相当落ちたらしい。
堀の中の鯉は恐らくあまり観光客が多くないにもかかわらずあまりがっついてはおらず、どことなく品があった。
きっとよい教育を受けて育った鯉なのだろう。
天気のいい冬の昼下がり、日陰は少々寒いが風もないのでぶらりと散策するにはもってこい。
松平親氏の像がある。
この像は妙にきれいで新しい感じがした。
池や遊歩道があり、このあたりは新しく整備されたような場所と見た。
あやめ池と思われる跡地があった。
この季節には水もなくかれ池のような状態ではあるが、これは八橋ではないか?
「ボコッ」
ぼこ?
音の主は鹿威しでした。
水のないこの季節外れな時期では土手に鹿威しというシュールな光景。
この場所は山間なので一日中陽が翳っている。
(なんてったって地名が松平町日影前)
この寒さを逆に利用して氷を作っていたという池の跡もあった。
もしかして、ここは冬は寒いが夏は涼しくて超快適な所ではないか?
さらに川沿いの道を歩いて登ってゆくと高月院という寺がお出ます。
立派な山門と本堂は徳川家光の命により1641年に建てられたとされ、敷地内には松平親氏の墓や徳川家康が植えた桜の木があった。
それにしても静かな場所である。
若いカップルがデートに訪れるような場所としてもいいと思うが、長年連れ添った老夫婦がのんびりと散策する風景が似合う場所だと思った。
園内の川沿いにある天下茶屋。
なかなか風情がある茶店で、地元で取れた野菜も売られていた。
とろろそばを注文、なかなか美味でした。
松平郷は本当にのどかな山間にあります。
特にそれ以上何かがあるわけでもなく、都会の喧騒を離れてのんびりと散策するにもってこいの場所でした。
高月院から見下ろす松平の郷全景(見えてませんが)。
すぐ下には民家と会社(おそらく松平郷とは関係ない)があった。
この付近には王滝渓谷や少し足を伸ばせば香嵐渓も近い。
あわせて散策すれば自然を満喫できると思う。