折々のお料理
飽くなき食欲が生んだ料理や食の研究 |
迷走する缶飲料
以前、みそ汁缶に魅了されて以来、見つけるたびに購入するようにしている。
相変わらず街中の自販機にはほとんどなく、施設などの中のロビーのような場所が多いが、コーヒーならばありえるシュチュエーションにみそ汁を飲んでいるという背徳感がなんとも心地よい(別にみそ汁が悪いわけではないが)。
どうもそこそこには売れているようで、このままいけば更なるバージョンアップやバリエーションが増えるのも夢ではない?
自販機というのは偉大である。
夏はしっかりと冷やしてくれるこのマシーン、冬になるとちゃんとあったかい飲み物も用意されている。
今ではすっかり市民権を得たしることコーンポタージュ。
大抵の自販機に入っている。
しかし、缶ホット飲料がコーヒー以外に考えられなかった時代に登場したしるこ缶、当時の驚きは克明に覚えている。
そう、登場時には誰もが「何じゃこりゃあ!」と思ったに違いない。
「なんじゃこりゃあ!」
そして色々な自販機を注意深く観察してみると更なる物が・・・。
どうも缶飲料業界はいま重大な転換期が来ているらしい。
おでん缶のような特殊なものではなく、街中の自販機で気軽に買えるスープが市民権を得ようとしている。
これは飲料というよりも食品である。
早速検証してみましょうか。
買って帰ったので湯煎鍋で暖めなおしています。
よく振って容器に開けると、粘りはなくさらさらしている。
このシリーズにはこのトマトバジルの他にコーンポタージュとポテト・アンド・チーズというシリーズがあるようだ。
美味そうじゃねえか!
具は特に確認できず。
メーカーサイトで確認したところ種類・分類的には「清涼飲料」になるらしい。
トマトジュースがベースになっていることはすぐにわかる。
温かいトマトジュースだがバジルや香辛料のスパイシーな香りが効いている。
なかなか、スープとしても完成度が高い。
若干薄いような気がするのは、飲料としてのポジションとコストのバランスだろうか?
実によくできている。
トマトジュースに香草や香辛料を上手い具合に追加すれば立派なスープが出来るということがわかった。
このアイデア、使える。
続いてカレーリゾット。
リゾット、しかも缶入りとなれば、想像するや開けたときにぼちょぼちょとオジヤのような状態を想像したがそうではなかった。
トマトバジル同様、さらさらしている。
ここに入っているのは米ではなく米に似せたこんにゃくの粒。
このこんにゃくの粒は、見た目、食感共に米を語るには少々無理がある気がする。
かといってタピオカのようなポストとも違う。
カレースープとしては面白いが、リゾットと呼ぶには微妙に残念である。
カレー部分は、カップ○ードルのカレーの様な匂い、これはなかなか美味い。
そして味は妙に甘い。
果物か野菜の甘みだろうか?にしてはもう少しドロドロの濃いほうがいい気がする。
総合評価ではもう少し頑張って欲しい気がしたが、自販機でカレーが楽しめるという斬新な発想は評価できる。
今後応援したくなるジャンルの商品だ。
考えれ見れば、色々なスープの缶詰というのはある。カレーの缶もある。ツナ缶もあればコンビーフや焼き鳥缶もある。
自販機用のスープというのもそんなに珍しいものではないのかもしれない。
品質管理やコストの面ではなかなか厳しいのかもしれないが、こうして試行錯誤してゆくうちに市民権を得て、洗練された商品が生まれてゆくと考えると、この新たなチャレンジにはエールを贈らずにはおれない。