折々のお料理

飽くなき食欲が生んだ料理や食の研究

にんにくそば


暦の上ではもう
今年も心なしか冷夏の兆しが見えるが、それでもすっかり夏の日差しが訪れた。

暑い日本の夏。


こんな暑い夏にはとかく体力も消耗して食欲も減退してゆく。


そんな時にはにんにくのたっぷり入ったラーメンでも食らってスタミナをつけるのがまた吉。
暑い夏こそ、体が火照るもので涼しくなろう!





え?違う?


にんにくラーメンではなく、にんにくそば?

そう、ソバです蕎麦。

エス・オー・ブイ・エー、SOVAですよ。



この料理は、あまりの暑さで頭がおかしくなってしまった訳ではなく、実は記憶がある。

幼少の頃から毎年年末になると恒例の親類一同餅つき大会があり、祖母の家に集結するのだが、帰り際に出てきた蕎麦をいただくのが習慣になっていた(そこでは年を越さずに年内に帰る)。
一足早い年越しそばというわけなのだが、お袋の味ならぬ祖母の味としてうっすらと記憶に残っている。

それはいわゆるかけそばだったのだが、しぶーの一族は全員猫舌なので茹でてザルに上げた蕎麦に温い汁をかけたぬるいそばだった。
そう、そしてそのそばにはスライスしたにんにくが入っていた。

当然、独特の味がした。
しぶーの家でもそこでしか出てこないにんにくそばは、普段味わうことのない味。

まさか!

スライスにんにくなんて!
山菜の見間違いだにゃあか?


本当かよ?

そんな祖母も高齢のため、数年前から施設で平和に余生を過ごしている。
足の不自由になった祖母はもう台所には立てず、今やその祖母の味も味わうことが出来なくなった。



行ってみましょう!

にんにくそばアゲイン!


そばは茹でてからザルに上げておきます。



茹で加減は適当!

むしろ少し茹ですぎの少し柔らかめのほうがしぶーの家のそばらしい。
全国のそば通の人々ごめんよ。




用意したにんにくは国産の大粒なもの。

ホワイトロッペンシュの一欠け。
このにんにくが結構重要で、大粒のものを分厚く切ったほうが食感があって美味い。
薬味と言うよりも具の扱い。

大事にとっておいたせいか真ん中に芽が出来てしまっているが気にしない。

厚さ1mmほどにスライス。
1人前に一欠けくらい、結構たくさん入れてもいい。
もっと分厚くもっとたくさん入れたかったが、買い置きがこれしかなかった。




つゆは特にこだわらずに既製品の濃縮つゆを使用。
関東味っぽく醤油を足して濃い目にしてみました。


にんにくが透き通ってくるまで火を通す。
醤油は煮立てると風味が落ちるので弱火で煮る。
(この際順番はこだわらないので、先ににんにくだけ火を通せばよかったと後悔)

うーん、なかなかエキゾチックなかほり。
しょうゆとにんにく、なかなかいい。

にんにくに火が通ってないと辛味が残る。
薬味として考えればそれも刺激的だが、この場合しっかり煮たほうが好みだ。




ザルに上げておいたそばを器に盛ってねぎを載せ、そのうえからつゆをかけて完成!




なんという強烈なそば!

と言いたいところだが、実はあまり違和感はない
火の通ったにんにくはホクホクとして柔らかく、イモみたいなもんだ。

新たな味の発見とか、そういうものではない。
そば屋で普通に出てきたら何の疑いもなく平らげてしまいそうだ。





ありがとうばーちゃん、これは美味いわ










しかしその後、暑いの何の。

これは寒い冬に温まるための知恵だったのではないか?


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