年末恒例餅つき大会


しぶーの家では毎年年末に、恒例の親類一同餅つき大会が行われる。


「自分で食う餅は自分でつく。」


そんな厳しい掟により、男の子はたくましく育つのだ。




時は12月30日未明。

まだ真っ暗。

毎年、直前まで仕事をしていて、年内に行って年内に帰ってくるというハードスケジュールが始まる。
帰省ラッシュを避けるため常識的な時間よりずらして走る。

 
東名高速道路を一路東京方面へひた走る。

方向が逆なので空いている。


とてつもなくいい加減な地図。

夜が明けてきた。
今年はいつもよりも少しだけ出発時刻を遅くしました。
下り方面は渋滞こそしていないが上りに比べて微妙に車が多い。

夜から徐々朝に変わってゆく様子。
白昼も暮れ行く夕方も深夜も知っている。
これにより24時間俺の知らない時間帯はない!
(少々テンションあがっております。)

浜名湖SAで休憩及び朝飯。

すっかり夜が明けてきた。

 



再びひた走る。

富士川SAの手前は有名なポイント。
富士山が真正面に見える。眺めがいい分、事故が多いらしいので気をつけねば。


ばぶ〜ん!



富士川SAで休憩。今年の富士山はちょっと雲の中。


眺めがいいので写真とっている人がたくさんいた。
それにしても今年は暖かい。

ス○バがある。
最近高速SAにはファーストフードやコンビニなど、下界で見かけるものが進出してきた。
いつもと同じ店だと安心なのはわかるが、高速道路ならではの環境がイベント的でよかったのでちょっと複雑な気分。



駒門PAでちょっと寄り道。

駒門風穴を見に行く。


普通の民家みたいな入り口。



 

御殿場インター近く。あれは廃墟界では有名物件では!?



足柄SAに立ち寄って休憩。高速を走るとあちこちで食いまくり

あ、今日はあの有名なムー○ンが霞んで見えにくい。
これも廃墟ファンなら知らぬ人がいないと言うほど有名物件。「風車レストラン」と言えばもう皆まで言うまい。

(「風車レストラン」で検索してみました。→結果←)


参考までに去年の映像。




信玄餅(金精軒)や乳製品をゴット。
牛乳と飲むヨーグルト。
世の中にはまだまだ美味な物があるもんだ・・・。





お昼前、神奈川県某所に到着。
ここは父方の実家、祖父母の家にあたります。

  


確か幼少の頃に貼ったシール。

昭和の香りが漂うレトロな内装からすでに廃墟テイストが漂うのは、ここに住んでいた祖母は高齢で要介護の為、現在このすぐ近くの施設で暮らしている。

 

一応プロパンのガスがあるが、このカマドは現役で駆動します。大量の餅米を蒸かすにはこれに限ります。
人が住んでいる時には風呂も薪で沸かしていました。

旅の疲れも何のその、自力で餅をつかねばならん。


いくわよ〜!

餅は最初からぺったんぺったんつくと思いきや、その前に充分こねておく必要がある。実はこのつく前のこねる作業が最も過酷だ。

 
体重をかけて臼の周りを回りながらこねてゆく。だんだん粘りが出てきて杵がひっついて重くなる。


マジで疲れてきた(ヘタレ)。


普段いかに運動不足か思い知らされる。70近いうちのオヤジですらゴンゴン搗いている。負けてられっか!


ぜえぜえぜえ・・・疲れた・・・

充分こなれたら、とりあえずひと段落。
ここからはいわゆる「餅つき」になります。

オーブが大量に写っているのは霊現象ではなくて餅とりの粉が舞っているからにすぎない。


さて、いくぞお〜!

どぉりゃあぁぁぁ〜!

  



・・・・・・。



うがあ〜!

ぜえぜえぜえ・・・

親指の付け根が筋肉痛になる・・・。






搗かれた餅は薄く延ばされ、角に切られる。
関西丸餅、関東角餅、というようなこだわりはなく、便宜上切り分けやすいと言う理由に他ならない。

 
鏡餅になる丸い餅を作るのは婦女子の役割。見ていると楽しそうだが、つきたての餅が結構熱い!



餅もひと段落、久々に墓参りに行く。
墓地は見晴らしによい高台にあるが、あまりの久々ぶりに自分のうちの墓がどれか若干迷う。
何とかそれらしき墓の前に到着、墓参りをする。
夏の墓参りなら墓石の文字にカエルがぴったりはまっているなどと考えながら・・・。



右手方向には富士山(画面右外で見えず)、遥か遠くには相模湾が見える。


4枚の画像を無理やり並べた擬似パノラマ。画面によってはつながって見えないかも・・・。

墓参りを済ませ帰路に立つ。


ここで・・・

何を思ったか帰りは中央道を通ることに・・・。
東名高速道路を通るよりも若干遠回りになるのだが、見慣れた東名の景色よりも山岳地帯を通る中央道のほうが新鮮だにゃあか(新鮮ではないか)?

この日太平洋岸は、風は少々強いもののよく晴れた暖かい一日。
さえ降らなければ中央道を快適に走って日付が変わらないうちに帰れる。

そんな淡い期待を抱きつつ・・・。



中央道へ入ってからすぐにパーキングへ寄り、規制情報を確認する。
パーキング内はいつもと変わらぬ静かな様子(いつもの様子を知りませんが)、誰も慌てている様子はない。
本線上では上りも下りも車はビュンビュン走り、この先にそんな恐ろしい状態が待ち構えていとは思いもしなかった。

規制が出ていて中央道を走ると言うことはスタットレスなどすでに何らかの対策をとっている人や雪慣れしている人々のはず。誰も慌てるはずもない。

ハイウェイラジオの情報ではこの先伊那インターから松川インターの間でチェーン規制が出ているという。


地図で調べると伊那インター〜松川インターはわずかな区間。

どうする?
途中のインターで降りて下道でUターンするか、場合によっては同じ道を引き返して東名まで戻るか?

もし大雪ならもっと広い範囲が規制されているはずである。

最悪その区間だけ下道を通っても何とか帰れる。

しかし山梨県甲府現在、空には雲もなく星が見えている。風は少々強いがそんなに冷えてもいない。雪が降ったとしても一時的、もしかしたら本当にピークは越えたかもしれない。
もしかすると短い区間で一時的に大雪が降ってチェーン規制が出されたが、この先の大雪を予測して、念のために規制が出ているのでは?

雪のほとんど降らない地域の甘い考えだった。



ということで、実に都合のいい解釈
強行突破を試みるが・・・。

甲府の素晴らしい夜景を眺めつつ一路、諏訪に向かうが・・・。

なんとも無謀な選択!

雪国の人から見たら笑われるかもしれない。
一応こんなこともあろうかとチェーンは用意していたが、しかし数センチ積もったら高速道路が通行止めになるような地域、滅多に雪が積もることはなく、スキーに行くこともないので、使用したことすらなかった。



長野県に突入した辺りからわずかに雪が舞ってきたが、積もる様子はない。

21:00。諏訪湖のSAで晩飯。
ここでのんびりチェーンの説明書なんぞ読んで覚えよう。
木につけられたイルミネーションが凄い。

 
何じゃこりゃ!


通路の天井もこんな。



のんびり豚まんと豚汁なんぞを堪能していて、諏訪湖の夜景でも見ようとふと外を見ると・・・。



ん?




 

ぎゃーーーー!


ねずみさんもびっくりー!



わずか15分ほどの間に、あたり一面銀世界!

除雪車まで出動している!
気温が低いので雪が全然溶けない。
普段見慣れない光景に恐怖を感じる。



こんな時期にここにいるということは、他の人々は当然そんなことは想定済み。誰も慌てる者はいない。
チェーンを用意していない車はみんなスタットレスタイヤではないか?

場違いな所に迷い込んでしまったしぶーのには恐怖だ!

これはこの先チェーンは避けられまい!慌ててチェーンを出して説明を読む。
(遅いって!)

屋根のある所に車を移動、そこで練習するしかない。
こうしている間にも雪はみるみる積もりだす。

持っていたチェーンは昔ながらの金属性ジャラジャラチェーン。
装着には結構力が要るが、餅つきの後遺症、手に力が入らない!
取説を見ながらしばし四苦八苦、何とか付け方をマスターした。
人間追い込まれれば妙な力を発揮する物で、一たびなれて余裕が出てくると今度は出来るだけ短い時間で装着するように練習。
制限時間片側2分以内!両側で5分!実際路上では雪の上をはいつくばって長い時間は耐えられまい。



付け方もマスターした。これでいつでもOKだ!

さっきまで大慌てだったのを棚に上げ、妙な自信もってをチェーンをせずに恐る恐る走行。
SAの敷地内でブレーキの練習。ゆっくり踏めば止まれる。
験しに強く踏んでみた。車が滑る。
こりゃだめだ。
本線に出る前にチェーンを装着する。

いよいよチェーン初デビュー!

ゆっくり本線へ突入。乗り心地はゴジゴジ。時速50キロ以下で慎重に進む。
ワイパーが凍りついて弾力を失い要をなさない。
気温が低いので雪は車には積もらずに風で吹っ飛んでしまい必要はなかったが。


幸い他の車もノロノロ運転、所々路側帯では車を停めてチェーンと格闘している車の姿があった。

走り出すと雪はほどなく小降りになり、チェーンの必要がなくなる。
雪の多い地方の高速道路ならでは、あちこちにあるチェーン脱着場でチェーンを外すとノーマルタイヤで慎重に進んだ。

いよいよ伊那インターが近づいてきた。
路面に雪は積もっていない。
本当に規制が出ているのか?

伊那インター手前から4キロほど渋滞に巻き込まれる。その間雪は小康状態。
渋滞はちっとも進まない。

およそ一時間かかり渋滞を抜ける。
途中JAFのクレーン緊急車が通っていった。こんな中、誰か事故ったか?

インタ近くになると無常にも「チェーン、冬用タイヤ以外はここで出よ」の案内が。
チェーンもスタットレスもない人が下道に放り出されれば余計に危険だろうに、そんなことは構ってられっか!という勢いだ。
雪に対して自己防衛しないほうが悪いのか。

この車は今現在チェーンを装着していない。
その先にはチェーン装着場があったが、この場所にはほとんど雪が積もっていない。

係員が通過を促す。ほとんどの車がそのまま通過してゆく。他の車はほとんどスタットレスなのか?
もしこの先必要ならば路肩で装着していこう(一たび覚えてしまえば後は余裕)。


AM1:00 チェーン規制区間へ突入!

案の定チェーン規制されている区間に入るといきなり大雪になった。とはいえチェーンをすべきか微妙な積雪だ。
本当に雪のピークは過ぎたのかもしれない。他の車のノロノロなので同じように慎重に進む。

ゆっくりブレーキを踏んでロックさせなければノーマルタイヤでも何とか止まれる。

時速50キロでのノロノロ走行。他の車も同じくらいの速度なのでそんなに危険は感じなかった。車間を充分保ちながら慎重に進む。

30分ほどかけて、規制区間を無事通過、その後も慎重に進む。



AM2:30 阿智PAに到着。

恐らくこの先、雪は減る一方。
戦いのピークは越えた・・・。

同じように安堵の人々がパーキングでくつろいでいた。


何となく全体的に「いやあ〜大変だたったねえ〜」という空気が流れていた。



雪は、ジョナサン、いや恵那山トンネルを越えるとほどなくなくなり、名古屋に着く頃には星が出ていた。


名古屋では雪が降った形跡もなかった。

AM3:30 ようやく名古屋に到着。



今年も何とか無事?に餅をゴット!
これで雑煮が作れる。
平穏無事な正月が越せるのであった。


自分でついた餅は美味!



翌日、車が真っ白になっていたので近くの洗車場へ行った。
大晦日だと言うのに混み混みだった・・・。



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