折々のお料理
飽くなき食欲が生んだ料理や食の研究 |
味噌煮込みうどん
最近になってスーパーで見かけるようになったこの「味噌煮込うどん」。
名古屋地方のスーパーではさまざまな種類の味噌煮込みうどんが売られていて、有名どころでは「スガキヤ」をはじめ数種類は必ず並んでいる。
特に珍しい風景とは思わなかったが、関東地方の人との話でそんな光景は名古屋以外には存在しないこともわかった。
せっかく気軽に味噌煮込みが楽しめる環境なので気軽に楽しんでしまいましょう。
生めんタイプ、2人前入り。
味噌煮込みうどんは何はともあれ土鍋が必要。
直径20センチくらいの1〜2人用を用意。
必ず1人1鍋で作り、間違っても2人前だからといって大きな鍋で作ってしまわないように。
鍋に水をはって火にかけます。
湯が沸いたらダシの袋を投入。
この魚臭さが味の決め手でもあり、このまま強火でしばらくごんごんに煮出す。
メーカにもよるが、ダシの袋がついていたりいなかったり。
粉末タイプや味噌と一緒になって混合されているものもあり、その場合はいきなり味噌を溶かしてしまってもOK。
煮詰めても風味が損なわれない赤味噌ゆえに、味噌煮込みうどんは作るのが簡単だ。
ダシを煮出す間、具材の準備にかかる。
お好みでいいのだが、長ネギ、かまぼこ、油揚げ、かしわ(鶏肉)、えび、生卵などなど。
ヘルシー路線を狙ってあまり入れすぎると味が薄まってしまうのでパッケージの写真くらいの僅かな量のほうが本各感が出る。
味噌を投入。
「あじ味噌」、いかにも普通の赤味噌じゃねーぞというプライドを感じる。
この味噌を入れるタイミングは厳密でなくてもいいのがこの味噌煮込みうどんの楽なところ。
麺はこの太っというどんがいい。
お店で売られている味噌煮込みでは家庭でもきちんと火が通るようにだろうか細身なものも多く見かけるが、この山本屋のめんは太い。
ただ二人前がひとつの袋で分かれておらず、あらかじめ分けておく必要がある。
このうどんの投入後の調理法は厳密にいきたい。
ごんごんに煮立った味噌の中にすばやく投入、すぐにかきまわしてほぐす。
マニュアルには「表面の粉を叩き落とすように」指示があったが構わず投入、そのほうが味噌にとろみが付いて美味。
このとき海老のような火が通り過ぎてはいけない具材を一緒に追加。
うどんを入れると一瞬温度が下がるが、そのまま強火で加熱。
再び煮立ったら卵を割り落とし完成。
パカっとマミさん投入。
うどんを投入してから完成まで、その間およそ1〜2分。
火力にもよるが、短いほどいい。
と言うわけで完成!
えっ?
ちょっとそれって、生!?
生、生、生−−−−!?
これが味噌煮込みの醍醐味。
芯があるとかないとか以前の問題で、通常のうどんと概念が違う。
ん?ちょっと待て。
作り方が全然違うぞ。
1、土鍋に水480CCを入れ、沸騰したら「かつお」だし袋と粉をよくはらい落とした生めんをほぐしながら入れてください
2、生めんを箸でほぐし、そのまま中火で5分煮てから、だし袋のみ取り出してください
3、その後、「あじ味噌」を入れ、ネギ、油あげ、鶏肉等を入れ、中火で4〜5分間煮込みます
4、お好みにより、玉子、かまぼこをお入れください
※調理の際、やけどにご注意ください。←余計なお世話だ。
かつてよりしぶーのはこのような調理法に疑問を感じていた。
袋入りのラーメンでもそうだが、強火で○分、中火で○分、とはいうものの、家庭用コンロの火力というのは機器によってまちまちで、単純に時間で割り切れないものがある。
というわけでゆで加減はお好みで調節してくださいという何とも歯切れの悪い説明になっている。
特にラーメンは多くの消費対象である単身者が下宿にある小型コンロのでの時間設定になっているかもしれない。
袋に書いてある調理説明を忠実に守っても、場合によっては火が通り過ぎてしまうのだ。
実際のお店で食するような強烈な歯ごたえを再現するには、やはり火の通り過ぎに注意しなければならない。
うむ、通常のうどんの食感とはまるで違う、固ってぇのなんの!
信じられないようですが、味噌煮込みうどんはこれが正しいのです。
慣れてしまうと、この固いうどんがなんとも美味だ。
ぐらぐらに煮立った土鍋にあちあちのうどん。
味噌味噌被害を回避する為に、台所のまな板の上に置いて立ち食い。
食している間にもだんだんと火が通ってゆくので、出来上がりのうどんはかなり固めでもOK。
しかしもし失敗した場合、火が通り過ぎてしまったらどうなってしまうのか?
実験してみましょうか。
注意! |
おんちくいただいた後、全部食したいのをぐっとこらえ、ためしにもっともっと火を通してみました。
さらに沸騰させて煮込むこと10分ほど。
やはり柔らかくなっています。
しかしさすが味噌煮込み用の麺だけあって、結構芯が残っている。
多少長めに火を通したところで、悲しいほど不美味にはならないことがわかった。
しっかし、この魚臭いダシ味噌が美味いの何の。
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味噌煮込みうどん専門店
山本屋本店
名古屋の誇るご当地ヌードル「きしめん」の老舗、「宮きしめん」の味噌煮込みうどん。
こちらも名古屋地方のスーパーではごくごく普通に並んでいる。
これは乾麺タイプ。
味噌煮込みカップうどんがお手軽バージョンならばこの宮きしめんは保存食とでも言おうか、是非棚に常備しておきたいものだ。
こちらもしぶーの流「マニュアルを完全無視した調理法」で作ります。
煮立った湯にダシの粉末と味噌と具と麺をすべて投入、そのまま煮てゆきます。
さすがに乾麺は生でというわけにはいかないので煮ながらほぐしていきます。
麺をほぐしている間に結構煮詰まってしまいしょっぱかった。
この乾麺、なかなかほぐすのが難しい。
大体が張り付いた形になってしまう。
これも食感の一種だと思って楽しめばOK!
麺はやはり生に比べて違和感があり、固いきしめんを食しているような感覚。
味噌の味はなかなか本格的だ。
保存食に、ご進物に。
麺が長っ!