趣味の電気工作

怪しげな改造、改良と称しての破壊など、気まぐれに電気工作で遊ぶページ

なんとかpodの修理

昔昔のその昔、しぶーのがまだ若かった頃、音楽を携帯するのには大変でした。
当時庶民の手に入る最も小型の記録媒体であったのはカセットテープ、それにレコードからダビングし持ち歩いていた。

当時は高級品であるレコードは子供の小遣いではなかなか手が届かず、買えない子供達はFMラジオで流れる放送を録音していたものだ。
ウォーク○ン(ンニーの登録商標)が発売されたのは1979年のこと。
FMが録音そのまま録音でき、ダビングが出来るラジカセは当時あこがれの品だった。
ハイポジションやメタルポジションテープなど、大して違いもわからずに喜んでいたあの時代・・・。


やがてレコードはCDに取って代わり、MDやDATが出たかと思えば今やデジタル時代、なんとかpodで持ち歩きもコピーも思いのままである。
ビデオテープですら駆逐された今、巻き戻しという言葉すら懐かしい。


もしかするとカセットテープを知らない子供達もいるのではないか?



なんとかpod
どこぞの製品があまりも爆発的に広まったおかげで代名詞のようになっているが、正確には携帯用デジタルオーディオプレーヤーというのか。

記録メディアの小型化により膨大な量のデータを持ち運ぶことが可能になった。

しぶーの愛用のこの品は、クリップ式でベルトなどにつけられる便利なものだ。
世間にはもっとスタイリッシュで容量も大きく高機能なものは多いが、何はともあれ価格がリーズナブルであまり小さすぎないところが使いやすくお気に入りである。
いつも携帯していて、USBに直接挿せるのでリムーバブルディスクとしてデータの持ち運びにも便利だ。

懐中電灯や財布や携帯電話とともに毎日持ち歩くアイテムとしていたのだが・・・。



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ある日、悲劇は起こった。


しぶーのは電車のある駅で降りることが多いのだが、その駅の近くには大学があり、時間帯によっては多くの女子大生が乗ってくる。
この駅は始発から数駅目なのでまだ僅かに空席があり、残された空席は早い者勝ちの状態。


その日いつものように降りようとした時、その目の前には二列に並ぶ女子大生達の列があった。
普通なら扉が開いた時に降りる人を先に通すために道を空けるはずだが、最前列の女子大生二人は扉の前に立ちはだかったままだった。
何故なら彼女達の視線は車内の空席向けられており、誰よりも一刻も早く車内入り席を確保するのに必死のようであった。
なんと降りようとする人の横から我先に無理やり車内に入っていった。

いくら電車の扉広しと言えども3人分の幅はない。
当然、降りようとするしぶーのにぶつかり押しのけられた。

その時に腰につけていたなんとかpodが弾き飛んだ。
中に舞ったなんとかpodはかろうじてイヤーホンによってぶら下がり地面に叩きつけられることは免れた。



しかし再び腰に装着してみるも何かおかしい。
ステレオの片一方が再生されていない。
これは恐らくぶつかって弾き飛ばされた時の衝撃でイヤホンが断線してしまったに違いない。

振り返るも電車はすでに扉が閉まり、犯人の女子大生を乗せたまま走り出していて時すでにお寿司。






さて、改めて検証。

ジャック部分を持って微妙に傾けるときちんと再生される時もある。

どこかで接触が絶たれている典型的な症状である。

まあ仕方が無い、これも不幸な事故である。
イヤホンは消耗品、普通に使っていてもいつかはこのように断線して使えなくなったに違いない。

とあきらめていたのだが・・・。

なんとイヤホンを替えても治らない。
断線したと思われるイヤホンは別の機器では問題なく使えた。
ということは、どうやら本体が故障したらしい。




世の中どうしようもないこともある。
不本意な故障だが、犯人がわかるわけでもなく、他に怒りをぶつけたところでそれでは無関係の人がいい迷惑だ。
こうしてネタにしてしまうことぐらいがせめてもの慰みか。




イヤホンジャック部分を動かして音が切れ切れなのは、どうも本体の中のジャックの受け部分の半田切れが原因に違いない。
ならばうまくいけばしぶーのの稚拙な半田付けでも復活できるかもしれない。




電子機器の修理の第一難関は無傷で分解することにかかっている。

小さなねじが見える。

一時代昔にはパチンというはめ込み式が多かったが、分解のためにこじ開ける方向を間違えると小さな爪を折ってしまって元通り組み立てることが出来なくなることも多かった。
そしてなにより、分解して修理することは想定されていないことも多い。



恐らく組み立ての関係か、ねじを外せば素直に分解できるものが多くなった気がする。



その分ねじ探しには苦労する。
どこまでねじなのかはめ込み式なのかの判断が難しい。



しかしここで事故発生。



基板についている小さなねじを外している時、ドライバーが滑って小さなチップ抵抗を掻き落としてしまった。
こんな小さな部品一つがなくなったおかげで音が全く鳴らなくなってしまった。




無傷で分解 → 失敗。





どうしよう、こんな小さなパーツの半田付けが出来るのか?


このままではピンセットでつかむことすら困難なので、爪楊枝の先に接着してから半田付けすることに。


み、みえん・・・。


こんな細かい部品、組み立てるときにはどうやって作業しているのだろうか?

なんとか手術は成功したようです。

手術料は5000万いただきましょう!

直前にブラック○ャックなんか見るから・・・。




しかし苦労した割には、

無傷で分解 ← 今ここ!

ようやく振り出しに戻ったばかりであった。




そして問題のジャック部分。
確認するとやはりグラグラしている。



しかし基板とジャックパーツがたった4箇所の半田付けでくっついているってどうよ?
力のかかる部分に大して硬くもない合金で固定というのは無理がないか?



ところが困ったことに、半田が外れているだけならば半田付けしなおせば治る。
しかしよくよく見てみるとこれは半田切れではなくパターン切れであった。

電子回路プリント基板はベークライトの板に薄い銅板が貼り付けてあり、電気の通る道が模様のようになった上に部品が半田付けされている。
その銅板と部品をつける半田が外れたのではなく半田はついたままで銅版がベークライト板から外れてしまっている状態だ。
当然その部分のパターンは切れてしまっている。

銅板が浮いてしまっている以上、いくらその上から半田付けしても固定されるはずもなく、半田付け部分以外は緑色の絶縁コーティングされておりその上には半田は乗らず、この細かさではどの方向に接続していたかもわからない。


光にすかして判別しようと思ったが都合の悪いことにこの基板は両面にパターンがプリントされており光が透けない状態だった。

すぐ隣には別の抵抗器らしきパーツが半田付けされており、他に全く影響を与えずにジャックだけ半田付けするのは非常に困難な状況だ。


BF-198のときにもやってまったな・・・。


しかたがないのであれこれと接続テストや半田付けを試みるが、やがて全く音が鳴らなくなってしまった。
熱で周辺の回路パーツが外れてしまったと思われる。



死亡。

ちーん。

♪何も聞こえない・・・何も聞かせてくれない・・・僕の身体が昔より・・・

何も聞こえないのならば「壊れかけ」ではなく壊れているんじゃないのか?



やはりしぶーののスキルでは修理できるシロモノではなかった。
しょうがないのでとりあえず今日からはUSBフラッシュメモリーとして活躍してもらおうか。







翌日、電気屋さんにて全く同じ機種を入手。

行動速っ!

これにより以前のマシーンは壊れたときのパーツぶん取り用となりました。



まさかジャック部分が壊れるとは思いもよらなかったが、普通に使っていてまず起こりうることは充電池の消耗。
充電はUSBに挿してパソコンから直接する仕組みだが、どうもおいそれと充電池の交換は出来ないようだ。

しぶーのの使用状況からすると一回の充電でおよそ10日ほど聞くことが出来る。仮にこの充電池が500回の繰り返し使用が出来るとすると。単純計算で5000日ほど、電池は徐々に弱っていくので計算通りにいかないにしても僅か13年ほどで使用できなくなることになる。しかし今回替えの充電池が手に入ったのでこの先26年は安心して使えるという寸法だ。

実際には5年くらいでダメになるんだろうなあ・・・。




それにしても予想だにしなかった故障。
同じものならば再び同じ故障が起こる可能性は大。
あのジャック部分を強化しなければ長生きは難しい。




買って新品の状態で即分解!
まあ分解の方法は判っているので手馴れたもんでさぁ。
これによりメーカー保障は効かなくなりました。

予めジャック部分をエポキシ樹脂で固定してしまおうという寸法だ。



ん?



なんだこりゃぁぁぁぁぁーーーー!!

改良されとるし。
なんとすでに樹脂で固定されておりました。
やはり全国で同じ様なトラブルが相次いだのか?それともたまたま固定されていないロットの製品にあたってしまったのか?


とりあえずこの先末永く使うつもりだし、分解ついでにさらにエポキシ樹脂で固めてしまうことにしました。

本体のねじと基板固定のねじの大きさが違う(前機種は同じだった)。

微妙に変更がなされているのか。

多少ジャック周辺の基板のほうにも盛っておきました。
どうせこの先半田トラブルは手に負えないので。

 これにより安心してあと26年は使える。


10年後くらいにMP3形式が駆逐されていたりして。


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