趣味の電気工作
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パトリオ7を改造する
ブリスターパックとの格闘編で出てきたこのGENTOSのパトリオ7というライト。
ヘッドを回して焦点調節が可能で、結構遠くまで光が届き、先日の明徳公園OFFでもメインライトとして活躍した。
じつはマグライトの6Dをメインにしたのだが、霧立ちのぼる小雨の森の中では非常に暗く感じて、途中からこのパトリオ7がメインとなった。
おかげでマグの6Dは「でかい」「暗い」「重い」というかなりのお荷物となった。
一時代昔ならLEDの焦点調節など夢のようだが、今やそんなライトがホームセンターや電気店で普通に並んでいる。
明るさも格段とアップした。
車に積んであるパトリオプロどうしてくれる。
焦点調節の仕組みは単純。
ヘッドを回すことによりレンズとLEDとの距離を近づけたり離したりで調節する。
このライト、非常に明るくてよいのだが、もう少しワイドにならないものか?もう少しタイトに絞れないものか?と微妙に不満があったが、レンズの関係でこのくらいが限界なのだろう、と思っていた。
しかし先日の明徳公園OFFの後、ファミレスに集ってから他の人のライトを見たところ、同じ様なレンズを使ったライトでもっとワイドにもっとタイトに、まさに自分が理想としていた焦点調節のできるライトが普通にあった。
と、いうことはこのライト、もっとレンズの稼動範囲を広げればもっと大きく調節が可能になるのでは?
普通の感覚では「その理想のライトを買えよ」というのが素直な考えだ。
かつてライトマニア達は次々に出てくる新型のライトをこぞって買い求めていったものだ。
しかしライト発展期には正直、どこかに不満が残るライトがほとんどだった。
ならば「自分で改造してしまおう」とMODに走るマニアも続出、中には旋盤技術を生かしてボディから回路まで自作する神のようなマニアも現れた。
そしてライトは一般に出回る普及品と、マニアの間に出回る高級品と明確に分かれていった。
というか、道具として専門的なものは更なる発展を続けている。
話が逸れたが、つまり世の中には改造して何とかしてしまおうという人々がいるのだ。
というわけで何とか改造できないものだろうか?
久々の糞MODの始まり!
まずは分解しなければ始まらない。
ヘッドはある程度までは緩むのだがそれ以上は緩まない。
つまりはそこからは分解できないということか。
それにしてもこのライト、ヘッドを回すことを想定しているなら、せめて滑り止めのギザギザくらい入れて欲しかった。
きっとチェッカリング刻むだけでも製造コストがかかるのだろう。
中の回路も外して出来るだけバラしてみると、どうやらその先は叩き込んである様子。
叩き込んでるということは、普通に分解が困難ということを意味する。
このようなライトはどうも好きになれない。
かつてINOVAを冷凍分解したような画期的な方法でもあればいいのだが、この場合には使えそうもない。
接着ではなさそうなのでバーナーで炙っても無理そうだ。
力で叩き込んだということは力で叩き出せということだ。
しかし万力で挟もうにも、ねじを緩めるならともかく叩き込んだボディをこじるほどしっかり挟んだら恐らくひしゃげてしまいそうだ。
ならば人力でどうだ?
「ふんぬっ!」
何と、少し動くではないか!
この部分が継ぎ目と見た。
とういうわけでフルパワー。
豆がつぶれました。
しかし・・・
まさかここが分解するとは思わなかった。
しかも後になって判ったが、内側から叩けば比較的簡単に分解が可能であった。
まあ結果オーライということで。
今の人たちはこんな分解しないんだろうな。
昔は世界中の誰かが分解に挑んでいて、その方法が公開されていたりしたもんだ。
そしてこのようになっていた。
左から、@レンズを止めていたベゼル、Aレンズの焦点を調節するヘッド、BLEDや回路の入ったボディ、Cそして電池の入る部分。
真ん中の2つは実は順番が入れ替わっていて、BはAの左から中に入り右側に飛び出してくる。
そしてその状態でBはCに叩き込まれていた。
電池の入るボディと回路の入るボディの間の円錐形のパーツもどうやら叩き込まれているようだ。
機構上関係なかったのでここでは分解しなかった。
さて、焦点調節の稼動域を広げるにはどうすればよいか?
レンズを遠ざければもっと光をタイトに絞れる。
ベゼルを外してレンズとの間に何かスペーサーを挟めば可能だ。
この方法がもっとも無傷でいいのだが、しかしそれではワイド側まで狭くなってしまう。
LEDの高さを変えるのは難しそうだったので結局ねじ山を加工することに。
旋盤などないのでヤスリで丹念に削っていきました。
LEDや回路を止めているリングとその周りも少し削りました。
これによりほんの僅かですがワイドになるはずです。
正直この原始的な作業、効率的には最も悪くしかも精度は不正確。
しかし、この作業自体が好きだったりします。
ねじ山を少し削っては組上げて確認、という面倒な作業を繰り返していたが、正直あまり変わらないようなので途中から大胆に削りました。
大体ねじ山一周分くらい減らしました。
「趣味の電気工作」とは言うものの、電気的な作業は一切してないし。
ねじ山が減ったのでオリジナルに比べて多少のぐらつきがでるようになったが、機能的には無問題。
写真が白く飛んでしまいましたが、素子が投影されるほどになりました。
ワイド側はほんの僅かだが大きくなりました。
2m離れた壁でこの違いなので実際に地面を照らせばかなり違うはずです。
これにより、ワイドから超タイトまで可能という実用的なライトが出来上がりました。
しかし自分でMODをしたライトは世界に1つしかなく、苦労した分だけ故障したらショックも大きいので使う機会が減ってゆく。
そしてそのうちに、もっと性能がいい既製品にで出会う。
こうしてライトスパイラルにはまってゆくのだ。
ちーん・・・